2013.10.15

三内丸山遺跡~~その2~~

 前日はギリギリの時間に行って、発掘現場などという思いもよらぬものを見てしまった翌朝、再びオープンの時間に合わせて三内丸山遺跡へ。
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 前日は目の前にあるものを見るだけで精いっぱいだったけれど、今日は過去に生きた人たちにおもいをはせながらの見学。
 5500年前にできた村は4000年前までの1500年間ここにあったという。1500年間といえば、今ならば奈良時代よりももっと前から続いていた感じになるのだろうか。それだけ長い時代続いてきた村に住んでいるというのはどういう感じなんだろう?
 亡くなった人たちは広い道の両側に足を道に向けて埋葬されていたという。自分が今通っている道は(彼らからすれば)考えもつかない昔からここに住んでいた(たぶん)自分の先祖が守っているという感じなんだろうか?

 朝一番のガイドツアーに参加していろいろと聞いてきた。

 ここは野球場を造ろうとして調べてみたら次から次へと遺跡が出てきて、野球場を造るのをあきらめた場所で、隣の青森県立美術館もこの遺跡の発掘のイメージをもとに建てられているともいう。(あおもり犬を見に行く時の細く狭い両側が切り立った通路はまさに発掘の現場のイメージなんだそうだ)

 遺跡公園の中に見えている青々とした草の部分はいったん遺跡を掘り出して調査したのちに保護のために埋め戻したところ。いずれはこの上にいろいろな気も茂って自然に戻っていくのだという。

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この白い建物の中に実際の遺跡がある。保護のために周りに建物を建てて湿度を保っているのだという。この白い建物の中に入ると実際の状態がどうだったのかを見ることができる。ただ、この土地は酸性のために骨が残っていない。お墓だったかどうかは残っていた脂肪酸で確認したのだという。骨が残ってないのに縄文ポシェットなどが残っているのも不思議な気がしてくる。(といってもほとんどは消えてしまっていてごくわずか残っているだけなんだろうな)


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これは大型掘立柱建物。ただし、実際に残されていたのは柱のあった穴とそこに残された木材のみ。このうわものは大林組が研究の末に「こんなんじゃないか」と作ったものらしい。この復元には当たってはこれだけの太さの木が手に入らなくて、チタから取り寄せたともいう。縄文時代にはこんなに太い栗の木がこの辺には生えていたとも。

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これが実際の穴の後。こんな穴が6個あって、それぞれが微妙に傾斜していて高い柱を立てたときに安定するようになっている(らしい)。そして穴と穴の間は4.2m。いろいろな物の間隔を測ってみると縄文時代の長さは35cmが基準になっているらしい。そしてこの穴と穴の間もその12倍。

1フィートよりも長いのはどうしてだろう?縄文人の身長は今の人たちよりもかなり低かったのだが、何を基準にして長さを決めたんだろう??そして、この柱と柱の間隔はその12倍。この12倍という数字もある程度は世界共通かもしれない。昨日見たポシェットの大きさも35cmが基準なのかなぁなんていうことを考えたりしながら・・・・・


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 あっという間に時間は過ぎ、バスの時間が来てしまった。 さんまるくんのお見送り。お約束通り泣いている小さい子供もおりました。

 今回の旅行で・・・というよりも地方に旅行をするときにはいつもこのバスの時間と列車の時間の接続の悪さで泣かされる。今回もこの次のバスでは新幹線に乗り損ねるので、新青森駅で1時間以上も暇をつぶさなくてはならないのだ。

 

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2013.09.29

三内丸山遺跡~~その1~~

 今回の旅行で一番得をした気分だったのはここ。

 青森県立美術館の人に「6時までやっていますからこれからでも間に合いますよ」と言われてその気になって数百メートルの距離を鞄を転がしていってみたところ、
「発掘現場見学--本日17:00まで」の文字。一旦は鞄を転がしていこうかと思ったけれど、実際には細い林の中の泥の道を上らなきゃならないことが分かったので、慌てて時遊館の総合受付に荷物を預け、発掘現場へ。

 到着したのは16:50。つまり、終了10分前。しかし、現場でまだ説明している方がいたのであわててそこに加わって説明を聞く。

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 この何のことはない地面の白っぽくなっているところが道路の跡だという。明らかに土の硬さが違っていて掘ってみるとすぐわかるのだそうだ。

 この道路の幅は10mもあり、長さもわかった限りでは300m以上のものと400m以上のものの2本(だったと思う)。道路と言っても2,3mも幅があれば十分なはずの縄文時代になぜこの幅の道路があったのか、道路ではなく広場だったかもしれない、祭祀場だったかもしれない、それについてはまだわかっていない。

そして道路のすぐわきにはたくさんの土杭墓。この遺跡では道路の両端にたくさんの土杭慕があったそうで、死者が生者とともにいたとのこと。

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 この石の並べ方が環状配石といういわゆるストーンサークル。三内丸山遺跡ではいくつも出ているが、ほかの環状配石は何体もの土壙墓の周りに配置されているのに対して、今見つかっているこの環状配石からは一基の土壙墓しか見つかっていないという。もしも、それが正しければ新しい発見につながるのだも。

 最近発見された人面土器を発見したのもここにいらした方。と言ってもほかのものを掘っている時に見つけたとのことでしたけれど、そんな話を聞くとこっちまで気分がわくわくしてくる。

 あっという間に5時過ぎ。もうとっくに終わっている時間なんだけれど、最終日ということもあるのか、まだまだくる見学の人に丁寧に解説をしてくれている。申し訳ないなぁと思いながらも発掘の様子、あっちでは土杭慕がたくさん出たとか、土器が出たとかのお話を楽しく聞いてしまった。

 時遊館に戻ると閉館時間まであと30分ほど。発掘現場に行く前に総合受付の方に聞いておいたバスも閉館時間直前なので、ぎりぎりまで「さんまるミュージアム」を見ることにする。

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 2013年9月23日までの展示の縄文ポシェット。本当にポシェットかどうかは別として、実物を見られたのはこれもとてもラッキー。(もちろんほかの時期に来ればその時の目玉がやっぱりあるんだろうけれど)

 バスの時間ぎりぎりまでさんまるミュージアムを見たけれど、やはりミュージアムも見終わらないし、発掘現場以外の遺跡も全く見ていない。

 翌日は海を見に行こうかなと思っていたのだが、まだまだ三内丸山遺跡をろくに見ていないので、予定を変更して、翌日もここに来ることにした。

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2013.09.23

青森県立美術館

 今回の旅行の目的の一つが「あおもり犬」に会いに行くことだった。
できれば帽子をかぶった「あおもり犬」が見たかったけれど、青森に行くこと自体大変なのに、真冬の青森はちょっと条件がきつすぎる。
いつかは行ってみたいと思っているけれど。

「三連休切符」の広告を見た瞬間に思い浮かんだのが「青森に行く」だったぐらい。

 念願かなっての新青森の駅で降りるとまっすぐ「ねぶたん号」乗り場へ。青森市のルートバスで10分ほどで着くという。バスが来さえすれば青森県立美術館まですぐなのだ。

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 丁度今の企画は

横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移

吉村作治のエジプトと古代文明展~太陽の船と七大文明~(これは企画展ではなくイベントらしい)

 さすがにエジプトや古代文明は見る気がしなかったけれど、横尾忠則は(このために青森に行こうとは思わないまでも)ぜひ見たい企画だったので、見ることにした。

 美術館に入るとすぐに大きな部屋。そこにはシャガールの描いたバレエ「アレコ」の3枚の背景画。舞台の背景だからとんでもなく大きい。天井の高い(美術館サイズというのだろうか、都現美の天井の高い部屋ぐらい、壁の白いのも一緒だな)ひろい部屋にかけられているので大きさからくる圧迫感はない。部屋の中央に置いてある肘掛け椅子(足に車輪がついているらしく動く)にどっしりと座りながら見るようにできていた。美術館に着いた時がもう3時だったので、時間が気になってあまりのんびりはできなかったけれど、シャガールらしい夢のある暖かな絵は来た人を歓迎しているかのようでいつまでも見ていたかった。

 その部屋の先にあった「横尾忠則展」。Twitterで見たのかもしれないが、量の多いのは覚悟していたけれど、見ても見ても終わらない感じさえしてくるほどの多さ。
幸いなことにそのうちの多くは知っているものだったからそれだけで閉館時間になるという恐れはなかったけれど、見覚えのないものも多く、思わず立ち止まって見てしまうものもいくつか。
行っても行っても終わらない作品。とうとう棟方志功展示室にまで横尾忠則が進出・・・

そのおかげですっかり常設が少なくなってしまっていたのが残念。

 でも奈良さんのニューソウルハウスとか、その中の犬とか、窓の外のあおもり犬とかあったし、成田亨さんのウルトラマンとその怪獣たちの原画も楽しかった。棟方志功の「柵」にまつわる作品シリーズもちょっと視点がいつも見るものとは違っていて楽しかった。
しかし、それしかなかったのが本当に残念。
もっといろんなものを持っているし・・・でもまあ、東京で見るチャンスもあるだろうから、よしとしよう。

 最後に一旦美術館の外に出て、外をぐるっと回って階段を上って思いっきり降りて両側が高い壁になっている細い通路を通り抜けた先にある「あおもり犬」に面会。
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 でもこの子は何をこんなに憂いているんだろう。奈良さんの描く女の子の鋭いナイフの切っ先のような目と対照的にこの目は何か深く悲しんでいるかのようにも見える。

そこに意味づけをするのは見る側の人間だろうから、その時々によってたぶん思うことも違うんだろうな。

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下から見上げてみると、なんだか大仏様を見上げているのと同じような感じがしてきた。いろいろと考えてしまったからそう見えるのか、それともそういう表情なのか・・・・

あっというまに時間が過ぎても4時半になってしまった。

 隣にある三内丸山遺跡にも行くつもりだったけれど、閉館は5時だろうからもう物理的に無理だろうなと思い、大きな荷物を預けてあった総合案内で、明日の三内丸山遺跡のオープンの時間を尋ねてみるとなんと今日も6時まで開館しているというではないか。しかも青森駅まで行くバスの時間まで調べてくれて、ぎりぎりに出るバスもあることが判明。

 まだ間に合うではないか、1時間あればかなり見ることができるからとりあえず行ってみよう。

 この時の館員さんのおかげで、三内丸山遺跡ではとてもいいことがあったのだけど、それはまたこの次の話。

 しかも、ぎりぎりまでいたおかげで帰りは薄暗くなり、

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帰りのバスの中からではあるけれど、一番見たかった外観・・・・青森になっている青森県立美術館も見ることができたのだ。

 ありがとうございました。


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十和田現代美術館

昨夜泊まった盛岡からふたたび新幹線に乗って七戸十和田へ。ここからバスに乗って十和田現代美術館に行くのだ。
 ところがせっかく早起きして頑張っていったのに、乗るつもりだったバスは「祝祭日運休」。次のバスは1時間近くたたないと来ないのだ。新幹線も1時間に一本とか2時間に一本だからここでのんびり1時間。

 やっと来たバスに乗って、十和田現代美術館へ。

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チェ・ジョンファの「フラワーホース」とポール・モリソンの「オクリア」と奈良美智さんの・・・なんだろう?タイトルを取るのを忘れた。

 ここは館内の常設の写真は取ることができなかったけれど、外にある作品や今回の企画展である奥入瀬芸術祭の作品は取ることができた。

 ここは何といっても常設がいい。今回企画展との兼ね合いで、見ることのできなかったジェニファー・スタインカンプのラプンツェルを除いては全部見てきたけれど、写真のないものの中で一番よかったのはリアルな巨大なおばあちゃん像である「スタンディング・ウーマン」だろうか。
 サイズが巨大なだけではなく、そのリアルさがかなりぶきみ。なにしろ、普通の人形は見ている人とちゃんとは目が合わないようになっているのに、これはしっかり目が合うのだ。
「ちょっとあんたぁ」という感じでぎろっとにらまれるのだから。

屋内の展示で一番気に入ったのはスゥ・ドーホーの「コーズ・アンド・エフェクト」天井から下がっているたくさんのビーズのようなものが実はすべて人間であり、それぞれが肩車をしてつながっている。一番上が現在というわけなんだろうな。

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企画展では宮永愛子の「そらみみみそら」は東京でも見たけれど、これはやっぱり夢が広がっていい。見るのはその時だけだけど、時間の経過による変化を想うことのできる作品。
写真はその一部。全体を取るとお皿の中が見えないので。


 屋内の展示は有料だけど外の展示は無料の上に誰もがそこで遊べる。
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この写真では彌生ちゃんがよく見えないけれど、「愛はとこしえ、十和田でうたう」
たくさんの子供たちや大人たちが楽しそうに遊んでいた。

ここは本当に楽しくいいものがたくさんあって充実した時間を過ごすことができた・・・・交通の便を除いては。

 

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2013.09.21

竜の泉を見に

洞窟の中に、深く澄み切った湖がある、そう聞いただけで行ってみたくなるのは当然だけれど、ここ龍泉洞はうちからはあまりに遠かった。岩手の岩泉というところにあるのだが、盛岡からもかなり時間がかかり、ちょっとやそっとではいけそうもないようなところにある。

 しかし、地震が起こってみると洞窟がいつ今の姿を失うのかわからないという気がしてきた。行かないままに失われてしまうなんて言うことがあったら、どれほど悔しいか…

 ここ1,2年仕事が忙しくてなかなか遊ぶ時間が取れない日が続いているけれど、ひょんなことから3連休が取れることが分かった。しかも、JRが3連休切符というのを出している。以前の新幹線の切符つきのものよりは割高な感じはするけれど、まあ、いいか。

 というわけで地元の液を始発電車にのって(それでも東京駅に着くのは6時半近いんだけど)盛岡駅に着いたのは9時過ぎ。なにしろ、9時40分の龍泉洞行のJRバスに乗らないとじっくり見てくることができないのだ。行って帰ってくるだけで一日かかってしまうから、なるべく効率よく回るのには朝早い新幹線しかなかったのだ。

 というわけで一念発起していってきた龍泉洞。先週の大雨の後で水嵩も増し、洞内に響く水の流れる音と相まって、すごい迫力だった。水がふだんよりも透明度が低いとのことだったけれど、初めて見たCosにとっては十分な透明度だった。


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フラッシュをつけないとほとんどなにがなんだかわからない写真になるし、フラッシュをつけても水面までの距離がありすぎるとただ暗いだけの写真になるし、なかなか地底湖の写真がうまく取れなかった。
これはあまり深くない部分なので、それなりに水の透明度がわかるかな。
たぶん、澄んでいてしかも深く暗いイメージは実際に見てみないとわからない部分かもしれない。

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これはごうごうと音を立てて水が流れ落ちている(滝とまでは言えないと思うけれど)部分だけれど、実際にはもっとずっと迫力があって、何か命を持って流れているかのような錯覚さえ覚えるほどの水の勢いだったけれど、その迫力は写真では伝わってこないのが残念。
この水の流れを見ていると、いつの間にか地底であることを忘れ、普通の川の流れを見ているような気もしてくる。しかし一旦めを周囲に向けると、普段見慣れた川とは全く違う鍾乳石に囲まれた地底であることに気づき、改めて自然のすごさを思う。

この水のすごさに比べると、鍾乳石はすごいというほどではなかった。人が多かったこともあるからだろうか、水のすごさに圧倒されたからだろうか、あまり感動はしなかった。

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でも、後から見たら結構いい感じですね。写真には取れなかったけれど、丁度ここを蝙蝠がとんでいったし・・・

水は外に出ると清水川に流れ込んでいる。
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 洞内ではあれほど猛々しかった水も、洞窟から出た瞬間に(元気ではあるけれど)おとなしく流れる水になり、地底で見せたどこか不気味なまでの迫力は消えてしまう。元気よく流れる健全な水に代わってしまうのだ。


龍泉洞にはもう一つ龍泉新洞科学館というのがあって、後から発見された洞窟を見ることができる。「科学館」と銘うってはいるけれど、土器や石器が発見され、そこで暮らしていた人たちがいたと推測されること、一応解説がついているていどで、実際には洞窟の中を(多少)科学的にみることができるという程度かな。
写真が禁止されているので、写真はない(とっている人はいたけど)ので寂しいけれど、鍾乳洞としてはこっちのほうがずっとおもしろかった。人もほとんどいないので、じっくりとみることができて、こちらは予想以上に楽しかった。

そのおかげで早いバスに乗り遅れてしまったけれど、その時間を利用して(ちょっとだけだけど)清水川の川辺を歩いてくることができた。
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雨の後だからなのか、普段からそうなのかはわからないけれど、こちらは水嵩も多く、健全な迫力。安心してみていることができる。
流れではこの釣りをしている人たちがおり、アユやヤマメが次々に連れていた。
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この写真でわかるだろうか、群れを成して泳いでいるのだから、これをひっかけるだけ。
(たぶん、Cosがやったら引っかからないと思うけど)

実際に暮らすには厳しいところなんだろうけれど、こうした自然の中で過ごすのもいいなぁ・・・
信号などほとんどない山の中を突っ走るバスに乗りながら、家の壁に沿って積み重ねられた薪、小さな田んぼの稲刈りをしている人たち、たぶん、人の手の入っていない白樺のたくさん生えている林・・・・
こういう時間を過ごすために頑張ってきたんだな。

 


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2012.11.05

早朝の清水寺

ちょっと関西に行ってきた。行ってきたといってもアートを楽しみにではなくて、愚にもつかない(というとおこられそうだが)用事。昼間はそっちにかかりきりだったから自分のための時間は早朝や夜。

 ありがたいことにCosは夜行バス(3列シートに限る)は全く苦にならないので京都(目的地は京都じゃないんだが、まあ間に合うだろう)へ。朝6時半に京都について「さて、どこへ行こう?」この時間ならばどこへ言っても空いているけれど、お寺の中に入るのは難しいかもしれない。もちろん、きちんと調べていけばいいんだけれど、このところ忙しくてそんな余裕もなく、行き当たりばったり。行ってみてダメだったら「哲学の道」の散策もいいかもしれないと思いながら・・・「そうだ清水寺」

 もちろんひとでいっぱいの清水寺には何度となく行っている。たぶん、小学生の頃から来ている気がする。いつ来ても参道もお店や人でいっぱいで、騒々しい場所という印象しかないけれど、人のいない時に行けばまた違って見えるんじゃないだろうか。

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入り口(というのか?)はこんな感じ。どっしりと京都の街を見下ろしながら立っている仁王門。もちろん仁王様はいつ来ても楽しんだけれど、今まで門全体をじっくりと見たことがなかったような気がする。

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逆に門の階段からしたを見下ろしたところ。本当は向こうの方に広がっている京都の街が見えているのだが、写真にはうまく写せなかった。狛犬もなんだか楽しそうに笑っている気さえしてくる。

まあ、時間が時間だから清水の舞台には上がれないだろうなぁと思っていたのだが、なんと、こんな時間(多分6時半か7時からかな?)参拝できたのだ。


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本堂に上る前に静かな朝の空気の中で目の前の森と向こうに広がる京の町を眺めると、鳥の声だけが聞こえる。景色を眺めながら鳥の声を聞いていると静かな敬虔な気分になってくる。何も考えずにぼーとしているひとときは何ものにも代えがたい。

 本来お寺というものはこうした雰囲気の中で拝ませていただくものなんだろうな。


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振り返って本堂を見てもほとんど人はいないし、話し声も聞こえず、静寂に満ちている。とても贅沢なひとときを堪能することができた。


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清水の舞台からも京の町と森を見下ろすことができる。山にはまだ陽が差さず京の町だけを太陽が照らし出している。そこに観音様の思いが伝わっているように昔の人達は見たのかもしれない。

ここでしばらく時を過ごしておりていくとさすがに人が増えてきている。来るときには閉まっていたお店も少しずつ開け始めている。これから、Cosがよく知っているあの人で溢れかえっている清水寺の時間が始まるんだろうな。

そしてCosも俗世に戻って俗な用事を済ませに行ったのだ。

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2012.08.26

バッキンガム イギリス(1)

2012年8月、ロンドンで観光をしてきた。
もちろん、ロンドンでも行きたいところはいくつかあって、それにプラスαの形で観光もしてきたんだけれど、ロンドンというところはそうした観光地を歩いていると、耳に入ってくるのは所謂イギリス英語以外の言語のほうが多かったのだ。
フランス語、ドイツ語、イタリア語、アラビア語、中国語、韓国語、イギリスのじゃない英語、そして日本語・・・・
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お上りさんらしく、バッキンガム宮殿の衛兵の交代をちょっぴり見て来た。
といってもこれは宮殿の中を見学する予定だったのでそのついで。

バッキンガム宮殿が女王のいない夏の間は一般に公開されているということを知ったのは6月。英国王室にもバッキンガム宮殿にもそんなに関心はないけれど、「大英帝国の宮殿」ということになるとどんなところだか見ておくのは決して無駄にはならないだろうし、見るチャンスが早々有るわけではない・・・もちろんイギリスに行くチャンスが無いから、たとえ毎年夏に一般公開していても見るチャンスは少ないわけで・・・となると見ておいても損はないだろうと日本から予約。
その時点でかなり混んでいるらしく、週末にかけてはこちらの都合のいい時間はもういっぱいだった。
そこまでしてみるものかどうかという疑問はあるけれど、見なかったらいつか「見ればよかったなぁ」と思うかもしれないということで、見学決定。

やっぱり人がいっぱいいて混んでいた・・・
予想通り各国のお上りさんがみんなしてわいわいがやがや。
外にいる時ほどは日本語は聞こえなかったけれど、いかにも「観光地」らしい雰囲気。
実際には中に入ると(少なくとも東博とは比較にならないほど空いていて)思ったほど混んでいるわけじゃなくて、ちょっとホッとした。

絢爛豪華な部屋などはさすがに写真不可だったし、予想していなかったものを見つけたので、思わずこれを購入。

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何しろ今年出版されたこの本は日本語で、もちろん日本語以外の言語もあれこれ出ている。英語版でも日本語版でも値段が変わらなかったので思わず日本語版を購入。
いかに日本人も多いか・・・・ということだろうなぁ

一つ一つの部屋も豪華で、英国の底力を見せられているかのよう。
特に最後に見た今年の企画展の「Diamond展」のダイヤモンドときたらその華麗さといい、大きさといい、歴史と富の蓄積を思い知らされてしまう。
あまりの大きさに「これはティアラじゃなくて冠じゃないか」と言いたくなるほどの大きなティアラや一粒の大きさがミタこともないほど(というのはオーバーだけど)のダイアモンドなどがあって、「これでもか、これでもか」という感じで次から次へと展示されていて、こっちはすっかりお腹いっぱい。

順序としては逆だけれど、もちろん芸術作品もたくさんあって、一枚一枚をじっくり見たくなるのだが、あまりの多さに圧倒されて「絵を見に来たんじゃなくて宮殿を見に来たんだ」と言いたくなるほど。
それでなくてもいい加減疲れてきていたし・・・
それぞれの部屋にある調度品も贅を凝らしたものが多く、一つ一つに英国の力を感じさせられて、その力に圧倒されている感じかな。

が、(5つある)客間の隣の絵画の間に入ると、疲れは忘れたものの、足がおのずと遅くなる。見た瞬間に誰のだかわかる絵もあれば、見ても知らない人の絵もある。
肖像画はあまり関心がないので、オモシロイと思った絵はそんなに多くないけれど、実際には一枚一枚が貴重なんだろうな。

この絵画のまでな随分と時間を使ったような気がする。

そして・・・

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あるというはなしは知らなかったわけではないけれど、実際に見るまでそのことを思い出しもしなかった。

ガイドブックにもこうして紹介してあって、このページがなかったら、多分このガイドブックも買わなかっただろうなぁ・・・


観光客がたくさんいて混んでいるとはいえ、そこは英国。
「止まらないでください」といった声はもちろん、前にたってのんびりと見ていても周りの迷惑にもならない程度の混雑。
絵としてはいろんな仕掛けがあって面白くて、じっくりと見てきました。
万が一、この絵が日本に来たとしてもこんなにのんびりじっくり見ることはかなわないんだろうなぁ・・・・と思いつつ。

(つづく)


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2011.09.06

楽器博物館

浜松に行ったら一度は行ってみたかったのが「浜松市楽器博物館」
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予定では1時間ぐらいで済むと思ったんだけど、実際に行ってみたら圧倒的な量と面白さでかなり長い間見ていた(聞いていた?)ような気がする。
(そのおかげで浜松餃子のおいしい店に行く余裕がなくなったんだけど・・・)

世界中のいろいろな楽器・・・
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これはリラ・ギター。

名前だけで知っていた楽器で、たぶん何かの本に出てきたんだろうと思うけれど、こんな形だなんて思いもよらなかった。
確かに弦はギターなんだろうけれど、今のギターとは曲線の向きが逆の感じがする。
どんな音なんだろう?

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これはピュサン・・・見ているだけで笑えてくる。
ピストンがないから曲を吹くのは難しそうだけど、人々の目は龍(?)に釘付けだから、それでもいいのかも。

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これは「ンゴマ」これもやっぱり名前だけ知っていた楽器
何処で読んだどんな話だったかはすっかり忘れているけれど・・・・

いくら見ても次から次へと面白いものが出てくる。
かなり時間をかけたけれど、もっとじっくりと見る時間があると、もっと面白かったんだろうなぁ

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2011.09.04

秋野不矩美術館

本当は浜名湖にファスナー線を見に行きたかったから安い1Day浜松というチケットを取ったのだけど、「台風」。
となるとどう考えても湖の上を走る船は出航するはずがないので、チケットの変更が効かない以上、他の美術館へ。

ファスナー線を見にいっていたら、ちょっと離れているので行けなかったかもしれない、秋野不矩美術館へ。

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浜松からは遠州鉄道にのって終点まで行き、そこからタクシー。

天竜川とその支流の二俣川をわたり、更に山を登ったところにある秋野不矩美術館は趣きのある白壁と地元の天竜杉で作られている。

建物自体がそれだけで一個の美術品にもなっている感じ。
真っ白に見える壁はわらが混ざった白い漆喰の壁。
靴を脱いではいる一方の展示室の床は細く裂いたような竹で作った靴を脱いだ足に気持ちのいい素材。
もう一方はコンクリートの上になにか塗ってある感じのそざいで
展示室もそれぞれの部屋の顔を持っている。

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そして、秋野不矩の作品は・・・やっぱりインドに魅せられて何度となく通ったというだけあって、インドのものがいい。いろの使い方が何処か日本でもない、欧米でもない感じがしてならない。

何処かゆったりした大陸のリズムも感じさせる。
この不思議な色が見たくて行ってきた気もする・・・

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2011.08.23

花に見る日本の美---高崎市タワー美術館

軽井沢の帰り、高崎で途中下車して寄った高崎市タワー美術館では
「花に見る日本の美」をやっていた。
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2011年8月28日まで

おそらくこれが「女性に見る」だったらCosは行かないだろうなぁ・・・
どんな絵が待っているのかあまり期待もせずに・・・でも一度は行ってみたい美術館だったので、折角のチャンスと見に行ってきたのだ。

このチラシを見てもわかるように、「わーすごい!」というようなものはなかったけれど、軽井沢美術館で穏やかなはっきりとしないバラを見てきたあとではこういういかにも日本的な花の絵もいいものだった。

中でも201108_002002

中でも横山大観記念館から借りてきた作品は大観の還暦のお祝いにみんなが送ったものが多く(全部が層だったかもしれないけれど・・)、とてもいい絵が多かった。
中でもこの速水御舟の夜桜はほとんどが墨、それも下書きなしに手早くかいた作品らしい(というようなことを学芸員の方が説明していた)夜の静寂にポッカリと浮かんで見える八重の夜桜は花としても見事だろうな。

そしてもう一点、やはり大観記念館の小川大月の「朝顔」も別な意味でとても良かった。
この小川大月という人は殆ど作品を残していないらしい。
そしてここに展示されている朝顔も、ちょっと普通の朝顔とは違っている。
朝顔の葉っぱは3つに裂きが分かれていると思っているけれど、ここに描かれている朝顔の葉っぱは5つのものがあったり、2つのように見えるものがあったり、しかも茎は短く、花は殆ど黒い。
葉っぱの形にはいろいろあるし、茎の長さは途中を切っているのだと学芸員の方の言葉・・・
そして花は濃い藍色のように見えているけれど、よく見ると中心の方は微妙に赤かったり青かったりしている・・・・
高崎市タワー美術館のページにその写真がある
えっと・・・それって変化朝顔じゃないかなぁ・・・
この花の色は黒玉と呼ばれる朝顔の色と同じだし、葉っぱの奇形や茎の短さは変化朝顔なら(何でもありみたいだから)おかしくない。
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これは黒雲という品種だけれど、縁や中心部の微妙な色の違いがわかるだろうか。
そして写真では色が薄く見えているけれど、本当はもう少し濃かったような気がする。

もちろん、このしばらく後に佐倉へ変化朝顔を見に行くから、何を見ても朝顔→変化朝顔じゃないか?と思ってしまうのだったが・・・∥^o^∥

花ごとに分けられて展示してある会場はたまに子どもが入ってきて美術館のレポートの「宿題」をやっていたりはしたけれど、混んでもいないし、人がいないわけでもないとてもいい雰囲気だった。

この日はとても暑い日だったけれど、(一応クーラーも効いてはいたし)すがすがしい時間だった。

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