2010.01.10

キリコ会館

「キリコ」と聞いて普通は何を思い浮かべるのだろうか?

Cosはてっきり「江戸切子」とか「薩摩切子」と同じように「能登切子」があるのかと思ってしまったし,わざわざの戸にまで来て「切子」を見たいわけじゃないしなぁ・・・
と思ってしまったのだ.

が・・・観光案内でもらった冊子には「おまつり・・・がどうのこうの」と書いてある.
ガラスとお祭りの関係???
と頭を捻る事になったのだが,どうやらガラスではなくお祭りに関係があるらしいとわかったので
「キリコ会館に行きたい!!」と言っては見たものの周囲の反応は芳しくない.

お祭りに関係があるらしいということだけはわかったけれど
「じゃあ,どういうところなのか?」と聞かれてもそれ以上のことは答えられるはずもなく・・・漆芸会館が隣になければ他の人達に反対されかねないところだった.

Cosにしたところでちゃんとわかっているわけじゃないから「なにがなんでも」と主張できる程でもなく,漆芸会館によったついでに・・・入ってみたのだが・・・

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中に入った瞬間に三階分ぐらいはありそうな高い天井いっぱいまでにそびえているものに圧倒される.
どうやらこれが「キリコ」らしい。
確かにお祭りには関係していそうだけど,こんなに巨大なものが待ち構えているとは思いもしなかった.

石川新情報書府 - 能登のキリコ祭り.

 縄文の頃から、大陸からさまざまな人々が渡来し、技術や文化をもたらした。さらに、「海の道」が主要交通路だった時代は、日本海沿岸各地との交流も盛んに行われ、いわば「日本海文化」の交流拠点の役割を担っていた。  さまざまな交流の中で、独自の文化を育んできた能登半島には、今も、祭りをはじめとする貴重な民俗行事が受け継がれ、「民俗の宝庫」「祭りの宝庫」と呼ばれている。その中でも、能登半島に唯一、と言われる祭りが「キリコ祭り」である。

「キリコ」とは、直方体の形をした山車(だし)の一種で、これに担ぎ棒がつけられている。切子灯篭(きりこどうろう)をつづめた呼び名で、切篭(きりこ)と書く。奥能登ではほとんど「キリコ」と呼んでいるが、中能登では「オアカシ(お明かし)」とか「ホートー(奉燈)」とも呼ぶ。
 神輿のお供として、道中を練り歩き、夜には中に明かりが灯り、大きな「行灯」となる。現在は高さ4~5mのキリコが多いが、中には高さ15~16m、100人以上で担ぐキリコもある。キリコが1本だけ出る祭りもあれば、50本を超すキリコが乱舞する祭りもある。

ということなのだが,こんなものは見たことがない.
こんなふうに光が入って街を練り歩いたら・・それは壮観だろうと思う.
今も能登のあちこちのお祭りで使われているというのだから、実際に使われているところを一度見てみたいものだ。

人々の方に担がれた巨大な灯篭が街を海を練り歩く・・・壮観だろうなぁ・・・

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キリコには字が描かれたものばかりではなくこんなふうに絵が書かれたものもある.
これだけの大きさの絵を描くのは時間もかかるし大変だろうと思う・・・・
それを何百年もつづけてきた能登の人たち・・・
今でこそCosたちがいわゆる都に住んでいて豊かな生活を享受しているようにみえても、実はこうした歴史と文化をたゆまず守り続けてきた能登の人達の方がずっと豊かなんじゃないかと・・・

今日本のあちこちで文化や芸術にかける予算がどんどん縮小されてきている.
独立採算制という言葉の裏に人のこない博物館は文化財の収集や保存のために書ける費用が削られていくのだ.
「祭り」のようないわば形のないものを保存するのはこうした形のある「キリコ」だけではダメなのである.
それを担ぐ人、作る人、祭りに参加する沢山の人達がいて初めて歴史が保存されていく。
何百年にもわたって能登の人たちが守り続けてきた祭りはこのキリコだけではなく季節ごとに各戸で行われるものもあった.
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これは「あえのこと」のジオラマ。
12月5日に神様をお迎えして冬の間一緒に暮らし冬が終わると神様は帰っていくというのだ。
神様をお迎えするときには二股の大根を備えて食事でもてなすというのだ。

寒い寒い冬の間は神様も暖かい家の中に滞在するということなのかも.
いったいいつごろからあるものなのか・・・木ノ実をいろいろとお供えするところから、稲が作られていなかった縄文時代の名残と行ったようなことも考えられるらしいところをみるとかなり古いのだろう。
次第にやる家庭が減ってきているのは時代を考えれば当然といえば当然だけど、工やって文化が消えて行くのかもしれない・・・

実際に生活している人達にとってはそんなあまっちょろいものではないだろうけど・・・

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この他にも能登独特の祭りがいろいろとある.

木型のそうではかったご飯を山盛りにして食べるもっそう祭り、
巨大な鏡餅を作って周りの人がケチを付けて主人がフォローするという いどり祭り・・

能登には不思議な祭りや祭りごとがいろいろとある.
同じ日本海側にある男鹿半島でもなまはげがいたりしてやっぱり古い歴史が息づいているのがちょっと不思議.

海を見て通りすぎるだけだと決して知ることのできない歴史や文化を知ることができたひととき。
形のない歴史や文化を守り伝えてきた社会はまた、Cosのように新しいものが好きな人間にとっては生きていくのが厳しい社会かもしれない・・


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2008.03.27

レアンドロのプール

金沢21世紀美術館のレアンドロのプール。

こんな風に水面を見ていると大洋のきらめきと人の影で本当に水中にいるような気がしてくる。


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2008.03.22

プールの底で

飛行機の中から見た雪山・・・

そこへ行きたいと思ったけれどそれはかなわぬ夢にしかならないのかも。
というわけで海の底に沈む代わりにプールの底から空を見てきた。

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プールの底からは何人もの人たちがこっちを見ているのがプールの水越しに見えた。
「一人でプールの底に沈む」・・・・それはそれでいいなぁ・・・・

金沢21世紀美術館・・・ずっと長い間来たかったところ。
ひょんなことから友達と一緒にくることになったのだ。


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上から見るとこんな感じ。

このほかに「タレルの部屋」に、昼と夜の2回いってきたがとてもよかった。
写真は
「続きを読む」から。

続きを読む "プールの底で"

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2008.03.21

金沢21世紀美術館への旅(1)

いつかは行きたい美術館のひとつだった「金沢21世紀美術館」に行ってきた。

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この本を読んだときから、「必ずいつかはいこう」と思い続けてきたのだが、なかなかそのチャンスが訪れなかった。

何よりもお金がない。行くことがあるとしても、夜行のバスで行って夜行のバスで帰ってくるような行きかたでないとまず無理だと思い続けてきた。それでも交通費だけで2万円近くかかる。
なかなか実行するだけの余裕もチャンスもないままだったのだが、
「金沢21世紀美術館に行く」と言う美術の好みがとてもよく似ている友達と一緒に互いの懸案だった金沢21世紀美術館に行くことにした。
それも飛行機で一泊2日の旅・・・・費用はバスで行ってくるのとほとんど変わらないのだ。

美術館に人と行くのはなかなか難しい。
美術の分野では好みと言うよりも感性が違う人と一緒に行くと結果的に「一人で来ればよかった」と思うことになりかねない。
「どうしても見たい」と言う内容でなければ別にそれはそれでかまわないのだが、ずっとあこがれ続けてきたところではやはり満足できるような見方をしたい。
それが一緒に体験できる友達がいると言うのは本当にありがたいことだ。
特に、「旅行」となると一人で行くと割高だからありがたいと言う面もあるのかもしれないが・・・


と言うわけで「金沢へ行く」ではなく、「金沢21世紀美術館に行く」・・・・

が、そこは珍道中・・・しょっぱなから寝坊したCos_| ̄|●
目が覚めたのがリムジンバスの出発する時間・・・・
前の晩に余計な物思いにふけって寝られなくなったのが敗因・・・

リムジンバスは道路を走るので事故があったときのことを考えると早めに出ないとと考えていたのが幸いして、まだ電車に乗っていっても間に合う時間。
当然荷物の再チェックなどをせずに一目散に駅へ。

途中で「遅れます」とメールをしたら「一台飛行機を遅らせようか?」とみんなにすっかり心配させてしまった。
が間に合う時間に無事に羽田に着いて他の人たちと合流。
とりあえずおにぎりを買って朝ごはん。

飛行機の中からはCosの好きな雪をかぶった山々が見えて来た。
雪山の世界・・・これも行ってみたいところのひとつ。・・・雪山のふところに抱かれたくなって・・・金沢なんかやめて飛び降りたくなってしまった(爆)

小松空港に着くと早く行きたくてまっしぐらに「特急金沢行き」のバスに・・・・・

金沢駅で乗り換えたバスで「香林坊」まで行ってからちょっと歩くのだが、この途中で午後予約してある能楽美術館を発見して、気はせいていたけれどにちょっと寄り道。
3時半からの体験イベントの予約を確認。
そのときに「安宅コレクション」のチケットを持ってくれば入館料が無料になることも聞いてみんな大喜び・・・・
美術館で体験教室に参加すると言うのに無料で済ませようというのだ・・・う~む・・・

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が時計を見るとそろそろランチタイム・・・ロッカールームに荷物を置くと近くのレストランで昼食・・・・

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金沢21世紀美術館の旅(粟津潔)

最初は 「荒野のグラフィズム:粟津潔展」へ。多彩な粟津潔の作品は好きなものもあれば好きじゃないものもあるけれど、全体としてはシルクスクリーンになっていたりポスターだったりする作品が好きだ。

中でも線で描かれた作品群はシュタイナーのフォルメルンにも似た感じがしている。まるで絵のバウムクーヘンのように一枚一枚を剥ぎ取っていってつなげたかのような感じ。

先日のテレビにも出ていた「ピアノ炎上」
テレビで見ていたときにはそんなにいいとは思わなかったけれど実際に21世紀美術館で昭和48年のものが上映されているのを見るとまるでピアノに対するレクイエムのような感じすらした。
燃えていくピアノと音は必ずしも同期していない。
音が映像を追いかけているから崩れ落ちてしまった後も燃えるピアノのかすかな音、鍵盤をたたく音が響き渡っている。

この「ピアノ炎上」がもう一度海岸で公演された。


中日新聞:炎上ピアノ 志賀で弾く 山下洋輔さん、あす :石川(CHUNICHI Web).

 一九七三(昭和四十八)年、山下さんはグラフィックデザイナー粟津潔さんに頼まれ、粟津さん宅で消防士のヘルメットをかぶり燃えるピアノを演奏。その姿を粟津さんが16ミリカメラで収めた実験映像「ピアノ炎上」は、芸術作品として残された。

 三十五年後の今年二月十七日、山下さんは21世紀美術館の関連企画「ピアノ再炎上」で当時の映像と共演。「だれもやらなかったある芸術表現を獲得したのではないか。一体何であったのか。これはもうあらためて確かめるしかない」との思いを抱いたという。

このときの映像

何も知らずに話だけを聞いたときにはピアノがかわいそうにも思えたのだが・・・


そして、Cosがほれてしまったのは「花札想」シリーズ。
なんともいえずにセクシーでしばらくの間その前から動けなくなってしまった。
このはがきが欲しいと思ったのだが、結局売ってなかったのが残念。


やっぱりすごい人だ。

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金沢21世紀美術館の旅(安宅コレクション)

大阪から里帰りしてきていると言う安宅コレクション。
大阪へ行けばもっといい状態で見ることが出来るのがわかっていることもあって、あまり期待をしていなかったこともあるし、人があまりに多すぎたこともあるけれど、ざぁっと見ただけで終わってしまった。

せっかくやっているんだから見ていこうという気持ちと本拠地で見ればもっといいんだからという気持ちのせめぎあいだったのかも知れない。

でもやはり金沢21世紀美術館では現代美術がいいなぁ


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金沢21世紀美術館の旅(デザインギャラリー)

Cosたちが行ったときには金沢21世紀美術館のデザインギャラリーは「大巻伸嗣 Liminal Air-descend-2007」
だった

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たくさんの(数千本だそうだ)真っ白な紐の下がった空間の中で紐をかき分けて進んでいくと底ではもはや距離感も何もわからなくなってしまいそうな空間。
まっすぐ進めば、理屈ではその先に壁があるのだが、それさえ見えはしない。

距離感を失って、白い紐の世界をまるでさんご礁を泳ぐクマノミになったような気分で歩き回る。
さほど広くない空間だから、迷子になる心配はないのだが、自分の位置を見失ってしまってとても不安。

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金沢21世紀美術館の旅(タレルの部屋)

金沢21世紀美術館のスイミングプールは前にアップしているので、今回は「タレルの部屋」

このタレルの部屋と同じようなものは夏に行った香川の地中美術館にもあったけれど、こっちの方が部屋も広く天井も高くゆったりとした感じ。

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四方の壁はベンチになっていてそこから空を見上げるようになっている。
ここは床暖房ならぬベンチ暖房になっていて、くりぬいてある天井から外気が入ってきて寒くても、おしりと背中は温かいように出来ているのだ。

ぼんやりと座って天井を眺めていると空では雲が同じように漂うように流れていく。
切り取られた空なんだけど、逆に切り取られることで、すぐそこにあるかのような気がしてくる。

何人かの人がいたけれど、声を出して話をするでもなく、みんなが空を見上げていた。
満ち足りた平和な空間。

金沢21世紀美術館は有料ゾーンは18:00までだけど無料ゾーンは22:00まで開いている。

「ナイト・ミュージアム」を楽しむことが出来るのだ。

無料ゾーンとはいえ、タレルの部屋が空いているかどうかは疑問だったし、そんなに星も出ていない夜だったので、空を見上げてもあまり面白くはなさそうに見えたけれど、どんな風に見えるのかちょっとのぞいてみることにした。

確かに星はほとんど見えなかったけれど、切り取られた夜空には明るく輝く月。

写真にしてしまうと小さな明かりにしか見えないけれど、実際にはもっと大きく感じたし、もっと身近に見えた。

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真っ暗な空の中で輝く月。
いつもは手の届かない月がこのときばかりは手を伸ばせば届きそうなほどの近さだった。
本当に手が届いたらどんなにいいだろう・・・・

ここにいたのはCosたちだけ。
静かに歌っている友達の声だけが聞こえていた。

至福のひと時に感謝。


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金沢21世紀美術館の旅(隣の能楽美術館)

金沢21世紀美術館の隣にある小さな能楽美術館

ここに21世紀美術館を見ている途中で抜け出して見学し、その後また21世紀美術館に戻って18:00まで展示を楽しんだので、21世紀美術館の旅のひとつとして記事にしておこう。

なぜ中抜けで能楽美術館に行ったか・・・

第一、誰がどう考えたって「能楽」なんてCosとは無縁世界。
今までに一度しか見たことがなくて、当然のように面白いとは思わなかったんだから・・・・

が、金沢へ行ったらどこへ行こうなんていう話をしながらあっちこっち検索していたらこの能楽美術館を見つけた。


ここ数年、
「知らないもの、好きじゃないものであっても、ついでがあれば『よい』とされているものは積極的に見よう」
と思いながらあちこちを見ているので、もともと関心のない「能楽」も関心がないからこそ見ておきたいかもしれないと思ったのだ。

で、もう少し調べて見つけたのがこれ。

金沢能楽美術館「能楽体験」   3月のご案内

能装束や能面、能楽の楽器などの体験ができます。

3月は2回しかやらないのに、そのうちの一回がCosたちが金沢へ行くその日。
一緒に行く友達に「こんなのがあるけどどう?」
と聞いてみたらいつの間にか友達がしっかり予約しておいてくれたのだ。

予約の取れた時間が3時半。それから30分ぐらいの予定で能装束を着たり楽器に触ってみたりすることになった。

実際に行ってみると21世紀美術館と敷地を接しているところにあったので、中抜けをして能体験をしてきたのだ。

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時間になってCosたちが行くと通されたのは3回の研修室(のようなところ)ここで能の練習をしたりもするそうなのだ。

着せてもらったのはここに映っている衣装ではないけれど、同じような唐織の衣装。
(この写真に写っている方がいろいろと教えてくださったし、本当に親切にしていただいた。感謝m∥_ _∥m )

能の着付けは一人では出来ず、二人がかり。
実際の能の場合にも二人がかりで着せるのだと言う。着せてもらう本人はじっとたって待っているだけ。

普段の服の上から、袖のない巨大な半襟のような形をした白い下に着る着物(の一部)をまず身につけてから唐織の着物を着る。

この唐織は文様が最初から織り込んであってちょっと帯のような感じのする生地で二人がかりで、でも一本の紐だけで着せ付ける。

服装によって役柄が決まってくるけれど、ここではこの若い女性の形のみ。

さらに着付けがすんだら、能面をつける。
この能面に対してはつける前に一礼をしてからつけるのだそうだ。
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部屋の反対側には4つの柱のある舞台を模してあって、そこで歩いてみたりもした。
どんな風に歩くのか、
能面にあいた小さな穴からどんな風に見て、どうやって行動するのかなんていう話も楽しく聞かせていただいた。

能装束は重く、視界が狭いので舞台も広く見えるのだという。


そして最後に小鼓、大鼓、大太鼓を実際にたたいてみた。

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小鼓は締めてある紐を緩めたり引き絞ったりすることで音色が変わるし、
実際の大鼓は使う前に火であぶってから使い、一つの大鼓は2回ないし3回買い使うともはや使い物にならなくなるとか・・・だから小鼓よりもずっと甲高い音になる・・・不思議だ・・・

大太鼓は普通の打ち方のほかに返しを使って打つやり方(名前忘れた)があってなかなかたたくのは難しいとか・・・

いろいろな話をたくさん伺って「ありがとうございました」とお礼を言って時計を見たら・・・・・なんと1時間以上・・・
次の方がいらっしゃらなかったのでよかったけれど・・・・・本当にありがとうございました。

体験が終わったあとはゆっくりと館内を見学。

ちょうど「加賀宝生の名品選3」をやっていて、いろいろな能装束を見ることが出来た。
今、実際に見てきた唐織、刺繍・・・
いかに着たときにきれいに見せるのか・・・・いろいろな植物がすそに飾られているものもあったりしておもしろかった。
実際に着てみるとまた違った見方が出来て面白い。

さらに、一番大きな収穫は能の舞台のビデオを見ているとき・・・
どうやって歩いているのか、楽器はどうやって弾いているのか、
生の能舞台を見たくなってきてしまった。


この能体験は出来るスタッフが限られているので、なかなか回数を増やすことが出来ない上に、いつやるのかを決めることが出来るのも一ヶ月ぐらい前になるから、宣伝が行き届いていないのだそうだ。

金沢に行くことがあって、うまく時間が合えばお勧めの体験!

ゆっくりと能楽美術館を見た後でもう一度21世紀美術館に戻って見学!!

食事を済ませてさらに夜の21世紀美術館を見学!

この日は21世紀美術館とその周辺で一日を過ごしてとても楽しかった。

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金沢21世紀美術館の旅(夜の美術館)

東京でも金曜日の夜は8時までオープンしているところが多いので、夜の美術館を知らないわけではないのだが、ほとんどの美術館は中に入ってしまうと昼であろうと夜であろうと雰囲気は変わらない。

建物の中にいるのが夜と言うだけで人も結構いるし絵を見たりしているときには夜を意識したことはない。

金沢21世紀美術館の無料ゾーンは22:00、つまり夜の10時までオープンしている。Img_7225

9時過ぎのこの誰もいない美術館がまだ開いているのだ。中は明るいけれど、人もいないし夜の雰囲気が漂っている。

無料ゾーンだけと言うことで、実際には見るべきものはほとんどないのだが、一面の窓が全部夜だから、普段見ている美術館と違って静寂が支配しているかのよう。

特に何かが展示してあるわけではなかったので、ぐるっと一周散歩をして帰るつもりだったのに、「タレルの部屋」があいているのを見つけてすっかりとはまり込んでしまったことは前の記事に書いた。

ここはどこに行っても廊下にいる限りどこかしら外とつながっているからいやおうなしに外の暗さを意識する。

これで見学の人がたくさんいればまた違うイメージになるんだろうけれど、ほとんど人もいないし外の暗さと中の明るさが対照的で、どこかしら昼間よりも美術館と人との距離が遠いような、それでいて美術館が意思を持っているかのような不思議な感じがした。

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昼間はこのゆり椅子もほとんど満席だったのにさすがにこの時間には誰もいない。
この椅子に座って、今の調和を乱すことが出来なかった。

夜の美術館・・・・それは不思議な時間の始まりのようにも見えてきた。


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