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2021.03.28

コンスタブル展 光を描く、空気が動き出す。

三菱一号館美術館で2021年2月20日~5月30日まで開催中の「コンスタブル展」のブロガー内覧会に行ってきました。人の名前を覚えることが特に苦手(だから歴史が苦手ということもあるし、仕事柄かなり困ったりもしたんだけど)なので彼の絵は何度となく見たことがあるし聞き覚えはあるけれど、名前はたぶん意識したことがなかった気がする。言い換えると、彼の絵を見るためだけに展覧会に行ったことはないということなのだ。
 しかし、フライヤーを見た瞬間に「この人の絵は知ってる。絶対に見に行く」と決めた。

 

 本当は内覧会の日には他の予定もあり、できる限り早い時間に帰らなくてはならなかったし、他の人、例えば同時期に見てきた吉田博展であれば行くのをやめていただろう。もちろん、吉田博が良くなかったわけではない。「こんな木版画の世界があるのか・・・」と驚いたし、浮世絵ではないけれど、どこか浮世絵とも同じ空気があって、それはそれは豊かな時間が過ごせたので、Cosにとっては十分な価値のある時間だったけれど、このコンスタブルの作品の多くは光が生きていて、光を受けた空気が光っている。特に今、世界中を包んでいる重くよどんだものを動かしていきそうな空気がそこにはある。

 


(写真はすべて特別に許可を頂いたものです)

手前はイースト・バーゴルド・ハウス 1809年の初期の作品だけれど、情景の中の空気が伝わってきている。

 


右が「雲の習作」この絵がフライヤーに出ているのを見て、見に行きたくなったのだが、行くだけの価値はあった。写真には描き切れない雲が命を持っているかのような雰囲気は何度見返してもよかった。(これをモチーフにしたマグカップを買ってしまったほど) 明るい雲ではないのに、なぜか明るさがあって、どことなく期待を持たせるような雲になっているのが不思議。

 

 

 同じ時代にターナーがいなければ、コンスタブルの評価も変わっていたのだろうか。

 

確かにCos自身もターナーのほうが好きかもしれない。ターナーの描く空気も意志を持っていてとても好きだ。
この右側の「ウォータールー橋の開通式」がコンスタブルの作品、左側の「ヘレヴーツリュイスから出港するユトレヒトシティ64号」がターナーの作品。二人の描く空気の違いが感じられるだろうか。この2枚を並べて展示してあるので二人の違い、共通点などが自然にわかってくるような気がした。


そして最後の方にあったこの「虹が立つハムステッド・ヒース」
雨が上がって、空気が澄み虹が2本出ている・・・物語があるのかもしれないし、ないのかもしれないけれど、ここにもまた「これから」を感じさせる空気がある。

 

 

写真がうまく表示できない・・・このところココログの調子が今一つうまくない。

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2021.03.17

東博のお雛様 2

 「お内裏様にお雛様」の中に出てくるお雛様というと、若くてきれいなお雛様を思い浮かべるけれど、東博で見てきたお雛様はほとんど若いというイメージはなかった。どちらかと言えばおっとりとはしているけれど、結構ひねた感じのする女性のような気がする。

 

Img_3268

それはそれで、こどものためのひな人形ではなく、その家のためのひな人形という感じがしてきらびやかなだけでない歴史を感じさせる。

見ているだけでも優雅な気分になれるから不思議。紙の立ちびなもまた違った時間の流れが感じられてとてもいい。

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2021.03.16

東博のお雛様

 先日、今年初めての東博に行ってきた。

東博の特別展はいいものが多いけれど、特別展がなくても総合文化展だけでも十分に楽しいし、本館だけでなく、東洋館もとても充実しているし、法隆寺宝物殿はほとんど人もおらず、静謐を楽しむことができる。そのために特別展のチケット4枚付きのプレミアムパスを毎年買っているのだが、この1年都心に出ることも避けてきていたので、パスの期限が切れてしまっていたので新しいものを買いたかったし、3月だからお雛様を見に行きたかったのだ。

 すると、なんということか、2021年4月1日から会員制度が変わって、プレミアムパスがなくなり、総合文化展の入場だけが無料(特別展は団体割引料金)になるというのだ。「えっ」とびっくり。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2060

 2021年4月からは

 メンバーズパス 2500円(一般) 1200円(学生)で

総合文化展はは無料。一回の 観覧料が2020年から一般1000円、学生500円なので、3回も行けば元が取れてしまうから、値段的にはいいかなぁと思うけれどCosは3月にプレミアムパスを更新したので、特別展のチケット4枚付きだから四月からの鳥獣戯画を4回見ることも可能なのはちょっとうれしい。

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あたらしい春?

 2021年、1月と2月にすご~く久しぶりに仕事をした。仕事をしなくても生きていくことはできそうだけど、それ以上のことが何もできない状態をここ数年続けていた。

 連れ合いを亡くし、仕事を辞め、勉強を始めたけれど、現在のところ、その勉強は実を結んでいない。コロナ感染の危険もあって、ほとんど家から出ずに家でダラダラと勉強もろくにせずにいた・・・あっ、新しくコーラスなどを2017年から始めたけれど、これもほとんど実を結んでいない。合唱団の演奏の一環として、NHKホールで第九を歌ったり、ウィーンの教会で歌ったりという普通では得られない経験もしたけれど、たいしてうまくはなっていない。

 去年の秋に高齢者用の職業安定所みたいなところの存在を知り、ふらふらと申し込んでしまって、2か月ほど仕事をすることができた。来年度に向けて継続の可能性もあるということだったが残念ながら、来年度にはつながらなかった。

 仕事の依頼が派遣会社から来た時にはあまりの距離の遠さに乗り気ではなかったのだけど、派遣会社の担当者の「Cos さんにうってつけの仕事です」という言葉についふらふらとOKしてしまった。

 片道2時間、8時半につこうとすれば6時半ぐらいには家を出なければならない。そのためには家事の都合もあって、起きるのは4時半、きびしい。仕事自体は面白く、周囲からも感謝されるという願ってもない仕事だった。しかし、よく考えると仕事時間は大体6時間半、往復には4時間かかるから、実質的な拘束時間は10時間・・・時給は三分の二になる。そうやって考えると決して割のいい仕事ではなかった。なにより、疲れ切って家に帰ってきて、翌朝は(日によって違うけれど)今までよりずっと早起きしなければならず、一週間たったらヘロヘロ。たった2か月だったから体も持ったけれど、これがずっと続くようならどこかで体を壊しそうだった。

 そう考えると、仕事が終わってしまってよかったんだけど、今はさぁて、これからどうするかなぁ状態。

 

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