3.11安藤栄作展
先日、樹木葬仲間が教えてくれた、安藤栄作展に行ってきました。
このウィンドーがなければ、ごくふつうのお宅のようにも見えたギャラリー。
祖師ヶ谷大蔵駅から(世田谷美術館とは)反対側にちょっと行ったところにある小さなギャラリー「GALLERY TAGA2」。小さなギャラリーだし、時間が余ったら、ちょっと頑張って世田谷美術館にも行こうかと考えていたけれど、予想以上に引き込まれて、ここだけで満足してしまった。
手斧で木を細かくたたいていく手法がエネルギーを見せるのか、それとも彼の持っているものなのかはよくわからないけれど、彼の作品からは力強さというかエネルギーというかが伝わってくる。細かくたたかれて出てきた形?なのかもしれない。
ギャラリーの一階には男女のペアと手のような造形。
しかし、写真にしてしまうとあの細かく刻まれた気持ちが伝わってこない気がする。
こちらに押し付けるようなエネルギーではなくて、見ているだけでそれが伝わってくるかのようなエネルギーとでもいえばいいのか、いくらでも見ていられるような気がする。壁には山のようなドローイング。
二階への階段を上ると左側の一段高くなったフロアには走り回っているような犬。さすがにこれが今回見た中で一番良かった。
きっと今でも絵の中でここを走り回っているのだろう。
右側には山かな?一点だけ青く塗られた作品があった。二階にもドローイング。なんだか一階とはずいぶん雰囲気が違う。
そんなことを思いながら見ていたら、ギャラリーの方が「奥にも作品があります。ご覧になりますか?」と。
今まで見てきた細かく細かく刻まれた作品と違って、ざっくり作られたかのような小さな家々。3.11で流された家々だという。
そしてさっき見た青いものは「津波」。津波の高さはこの家々よりも高いのだという。
ドローイングも一階から続いている3.11の情景だという(違うのもあったけれど)。確かに一階は(どちらかというと穏やかにも見える)山の絵、二階の津波の向こうには避難している人々、そして、犬の向こうには「ふくいち」があった。
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