アーティゾン美術館
2015年5月から休館中だったブリヂストン美術館が2020年1月18日、アーティゾン美術館(ARTIZON MUSEUM )としてリニューアルオープンした。
前のブリヂストン美術館はとても好きな美術館の一つだったので、オープンを楽しみにしていたのだが、行った人からは「良かった」という話ばかりが聞こえてきたので、さっそく友達と一緒に行ってみることにした。
新しくなってからは予約制なので、日時を決めていかなければいけないのがちょっと面倒だけど、その分「混まない」のかもしれない。
そう考えると、見る人がより見やすいようにするための工夫の一つかもしれない。何重にも人が作品を取り囲み、下手をすると「止まらないでください。」と言われるのとは正反対の方向性だ。
実際に館内に入ると人の動線も、展示の仕方も、見る人のための工夫が随所にみられるような気がした。
例えば、多くの作品はすぐそばまで寄ってみることができる。流石に試してみたりはしなかったけれど、手が触れんばかりに近寄ってもたぶん大丈夫なんだろう。
立ち入り禁止の柵やラインなどのない作品をよく見ると作品にはガラスがかけられている。ただし、とてもいいガラスで正面から見ると全くガラスが見えない。かなり横の斜めから透かして見て初めてガラスがあることがわかるほどなのだ。
だから写真を撮っても映り込みの心配は全くない。間にあるガラスの存在を全く感じずに絵と対面することができるのだ。
また、絵を描けてある高さも、以前に比べると低いように感じた。4階から6階までがすべて美術館というスペースの広さもあって、一つ一つの絵が余裕をwもって展示してある。一枚の絵の周りに人が集まっても、隣の絵を見る邪魔になることはとても少ないようになっているのだ。
もちろん、ガラスもかかってなくて、前にロープの貼ってある作品もあれば、絵の前のガラスがそこまでいいものではなく、今までと同じように映り込んでしまうものもあったけれど、「これぞ」という絵にはいいガラスを使っていて、絵をじっくり楽しむことができた。
これはラトゥールの「静物」(新収蔵作品)。絵の前にはガラスがあるのだが、全く映り込んでいないし、そばに寄ってみるとガラスが全くメイズに直接絵のタッチなどを見ることができる(あっ、絵のタッチについて何かを知っているわけではないのであしからず)
私の好きなカイユポットの「ピアノを弾く若い男」。右の方はなんとなくガラスを感じることはできるけれど、左側は全く分からない。直接見ているような気がしてならない。
メアリー カサットの「日光浴」(新収蔵作品)。
モネの「黄昏 ヴェネツィア」。これも以前から好きな作品。
そして、赤ではないマーク・ロスコ「無題」。川村記念美術館のマークロスコの赤は見事だけれど、このピンクもなかなかいい。壁画と同じような描き方をしているけれど、赤じゃない不思議さが神泉かもしれない。
カンディンスキーの「自らが輝く」(新収蔵作品)。「さぁ、行こう」と言われているかのような作品。
見ても見ても終わらないんじゃないかと思えるほどたくさんの作品、それも一つ一つが標準(何をもって標準とするかは別として)以上のものばかりなので、1点ずつ見ていくのも時間がかかる。
圧巻だったのは「洛中洛外図屏風」写真が禁止されているわけではないけれど、思わず取り損ねてしまった。
江戸時代の作品のはずなのにとても状態が良くて、補修もかなりされているんだろうと思うけれど、これはじっくりと時間をかけてみたい一枚だった。
もしかすると、ここは一度に全部を見るのではなく、その時々で一番見たいものを楽しむ美術館かもしれない。
出口にあったチームラボの作品・・というか・・チームラボによる美術品案内。今回展示されていない作品もあったし、、ここで遊んでいるだけで充分かもしれないと思えるほど。また今度行って遊んでこよう。
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