2017.04.28

花*Flower*華・・・

山種美術館で「花*Flower*華」展 2017年4月22日(土) ~ 6月18日(日)に行ってきました。

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     (写真はすべて内覧会で山種美術館の許可を得て撮影したものです)


ちょうど季節も春の花の季節。「自然の花」と「描かれた花」の対決だなぁなんて思いながら行ったのですが、実際には「対決」じゃなくて補完という感じでした。決して自然の花と張り合うのではなく、自然の花の中から画家が見たものを紙の上に写し取っているという感じかな。
上の写真ポスターにもなっている田能村直入の「百花」のようにぎっしりと花が描かれたものは少なくて、ほとんどが描いた人のその花に対する思いが伝わってくるようなものが多かった。

 入って最初にCosの目を引いたのが、奥村土牛の「木蓮」

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写真などにしてしまうとそのよさはどこかに消えてしまうような気もするけれど、実際に見てみると何かはわからないけれど奥村土牛の気持ちが伝わってくるような気がしてくる。

 この土牛は「醍醐」という桜を描いている。これもまた、ただ桜が咲いているというよりは他のものも見えているような気がしてくる一枚。花の咲いている上側と左右が切り取られているのだ。彼は何を思って切り取ったんだろう?

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 この桜の切り取り方は自然の中で桜を見たときには決して出てこない。絵画ならではの表現。きっと花の絵を見るというのはこういうものも味わうということなんだろうな。

 作者の気持ちというものは感じなかったけれど、鈴木其一の「四季花鳥図」には実際の季節にこだわらず、四季の花が描かれている。

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 美しい花をすべて描きたいと思ったんだろうなぁ・・・

同じようにすべて描きたいと描かれたのが田能村直入の「百花」。これは巻物になった作品で思ったよりも小さかったけれど、そこに描かれた花は一つ一つ見るのも大変なほど。これだけを見ていても楽しい。

 加山又造の「華扇屏風」は地を加山又造が描き、そこに扇をちりばめてある作品。この字の部分を描くのに、銀箔を用いたり、いろいろ加工したりしていろいろな味わいを出している。Cosは扇ではなくこの地の模様ばかりを見てきてしまった(笑)

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 今回の写真はどれも美術館から許可をいただいてうつさせてもらったのだが、この酒井抱一の「月梅図」だけは誰でも写真を撮ることができる。Cosなどはへたくそだからなかなか思うように取れないけれど・・・

 そして第2展示室は牡丹が花ざかり。それぞれに描き分けたボタンを見比べるのも楽しい。

 それからお菓子。

 

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 真ん中の「朝つゆ」は山口蓬春の「梅雨晴」のアジサイをモチーフにした一品が一番楽しかったかもしれない。今見てきた絵を思い出しながらお茶とお菓子をいただくひと時は山種美術館ならでは。

 5月5日のこどもの日にちなんだ期間限定のお菓子もあるとか・・・そんな休日もいいなぁ
#花展 #山種美術館









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2017.03.21

江戸ノスタルジア

 町田市立国際版画美術館で2017年3月11日~4月9日まで行われる「江戸ノスタルジア」展を見てきました。

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 明治時代に見た江戸時代への憧れ、ちょうど私たちが「大正ロマン」とかに憧れを感じるのと同じように、明治時代の人たちは西洋が入ってくる前の江戸に憧れを感じたのでしょうか。
揚州周延(ようしゅうちかのぶ)のものが多かったのですが、なかなかよかったです。

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江戸の12ヶ月のなかの8月の月見。着ている着物の模様があでやか。琴を奏で、お茶を立ててウサギの月見団子を備える。なかなか楽しそう。ウサギの団子は普通のお団子に耳をつけたのかなぁ?

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月岡芳年の「風俗三十二相」「うるささう」。どこがうるさいんだかよくわからないけれど、楽しそうではある。

この「風俗三十二相」にはなかなか楽しい絵があった。
また、江戸時代のヘアスタイル一覧みたいなシリーズがあったり、江戸時代には描くことの許されない大奥の様子を描いたものなどがあり人物画は好きではないCosにもなかなか楽しい展覧会だった。

 今回は撮影可なので、カメラを持っていくのがお勧め。

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江戸と北京― 18 世紀の都市と暮らしー

江戸東京博物館で行われている「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」展(2017年02月18日(土)〜04月09日(日))を見てきました。

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まず真っ先に出迎えてくれたのが、このモンチッチ。中国でも人気のあるというモンチッチが清の時代の婚礼服を着ているのだそうだ。そう思ってみると、いつものモンチッチの顔が中国っぽいものに見えてくるから不思議だ。

 1月に見てきたポーラ美術館のトルクメンの女性の結婚衣装ともどこか重なるところもある気がするのは同じ大陸だからかな。

 今回は18世紀の江戸と北京に焦点を当てた展示。どちらの国もちょうど安定した状態で、それぞれの文化が花開いている。今回の目玉は北京と江戸のそれぞれの町の賑わいを描いた絵巻3巻。

     (展示の様子は期限が切れたので画像を削除しました)


最初に見たのは今回初公開と言う「乾隆八旬万寿慶典図巻」。乾隆の誕生日を祝った街の様子を絵巻にしたものだけど、写真でわかるようにずっと長く展示してある。もちろん見えている部分が全部と言うわけではないのがすごい。みんなが赤と白の帽子(?)をかぶり、見世物の象や同じ服装をした団体と思える人たち。何をしているのかよくわからないけれど、一人で無知を振り回している人などもいる。細かな部分をじっくりと見ているとこの時代の中に入っていくことができる感じ。写真を見てもわかるように鮮やかな色が華やかさを演出している。
 絵巻の中の興味深いものについては壁に複製が展示してあってとても見やすくなっている。一人ひとりの様子をじっくり時間をかけてみるのも楽しい。

これに対して日本はというとベルリン国立アジア美術館から11年ぶりに里帰りした「熈代勝覧」(きだいしょうらん)。江戸の賑わいが伝わってくる。

       (展示の様子は期限が切れたので画像を削除しました)

 神田今川橋から日本橋までの商家や魚河岸などの賑わいを描いたもの。いろいろな店を一件ごとに「何の店だろう?」とか、どんな売り方をしているんだろうなどと考えるのはとても楽しい。この絵巻の上側には当時の看板や持ち物などの展示があって、同じものがどこにあるのか探したりしているとあっという間に時間がたつ。

 そして、もう一巻の絵巻が康熙帝60歳の式典を描いた「万寿盛典」。

       (展示の様子は期限が切れたので画像を削除しました)


 これも中に描かれているものが上に展示されている。一番左側のサルは帽子屋さんの看板。ここに展示してある看板がこっちもとても面白い。日本と違っていろいろな民族の人が来るからか、中国語の読めなくてもわかるような気がしてくる。
 ただ、絵巻自体はちょっと細かいので単眼鏡持参がおすすめ。


 正直なところ、この3枚を見るだけでかなり時間がかかってしまうがこれ以外にも日本と中国の文化を比較した展示があれこれと。

        (展示の様子は期限が切れたので画像を削除しました)


 これはさっきモンチッチが着ていた婚礼服(やはり皆さん熱心に見ていらした)。リボンが縫い付けられ、刺繍が施されていて、とても華やか。赤い台の上にあるのが金製の爪カバー・・ネイルファッションだ!今も似たようなことをやっている気がする。向こうの方にあるのが靴。この靴は纏足をしていない足のもの。中国=纏足と思っていたCosにとってはちょっと驚きでした。

 このほかにも育児の様子を描いたもの、おもちゃを描いたもの、寺子屋(中国では「閙学童図」(学習中に騒ぐ学童))などがあって、どれも国によって違っているのに同じように見えるのが面白い。

 日本の江戸についてはここ東京江戸博物館をはじめいろいろなところで見ることができるけれど、こんな風に中国(北京)と比べてみることができるのが面白かった。

4月9日まで 東京江戸博物館で。なお、今回使用した写真は博物館から特別な許可をいただいて撮影したものです。会期終了後は削除する予定です。



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2017.03.05

熱海で観梅

 友達と早起きをして熱海に梅を見に行こうと言う話になった。ところがまだ熱海に向かってないのに電車の中の隣のおばちゃん(おばぁちゃん)のグループは「熱海は小田原で乗換え?新しくなって・・・」とか言ってるし、反対側の隣のおねぇさん(おばさん)は熱海までの乗り換え案内を見ているし・・・着く前から悪い予想。

 小田原で友達と合流するも電車の中央部分は混んでいたようだけど、14号車は立っている人はいない程度の混雑。「広いから混んでも大丈夫だよねぇ」とか「チケットを買ってから行くか、行ってから買うか」なんていう相談をしながら熱海へ。

 まずは東海バスのチケット売り場で、「入館券+バス往復」のチケットを購入。一般も学生も300円引きなのはありがたい。が、予定していたバスには乗り損ねた上に、バス停は長蛇の列。全員行き先は同じだから混んでいる予想がつく。Cosたちは一台目の臨時バスにもうちょっとのところで乗り損ねて、結局次の定時バス。

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 リニューアルしたとのことだけど、入り口を入ってのエスカレータは変わらず、ひたすら登っていく。この登っていくことで、なんとなくわくわく感が出てくる。そしてそのわくわく感を尾で迎えするのが、この万華鏡タイプの展示。

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天井に投影された万華鏡のような模様が来る人を歓迎している。
 杉本博司によってリニューアルされたMOA美術館はますますしっとりと落ち着いた美術館になっている。
2017年3月14日まで「リニューアル記念 特別名品展 + 杉本博司「海景 – ATAMI」。ということで、海が見えるロビーにも杉本博司の写真。

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彼の水平線を撮った写真。(熱海の海だったかどうか覚えてないのだが・・・)ちょうど海と向かい合わせに展示されている。
 ロビーから館内に入るとそこは真っ黒な壁で暗い室内に日本画などが展示されていて抑えられた照明にもしっくりと来る。

 もちろん今回の目的は尾形光琳の「紅白梅図屏風」での観梅。

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リニューアルされてから写真撮影OKになった(もちろん所蔵品だけだろうけど)のでCosを含めみんな写真をとりまくっている。写真にしてみるとまったくわからないけれど、無反射のすごくいいガラスが使われていて移りこみはまったくない。このガラスのおかげで光による劣化が防げているのだろうか。
 予想通り残念ながら人が多くてのんびりの独り占めして鑑賞することはできなかったけれど、都心で見るのに比べれば人はずっと少ないし、

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こんな風に両方をじっくり眺めるチャンスも多少はあったりしたのはうれしかった。さすが熱海まで来た甲斐があったなぁ。


 

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野々村仁清作国宝「色絵藤花文茶壷」藤の花が風に揺れている。このためだけの特別室が今回作られたという。真っ黒な部屋の中で茶壷だけが輝いている。この写真を撮ったときにも周りに人はいたんだけど、顔さえ入り込まなければ写真には写らない。レプリカでいいからほしいなぁ


面白かったのがこれ。

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桃山時代に描かれた「洋人奏楽図屏風」。MOA美術館には何回か着ているから見たことがあるのかもしれないけれど、異国の地に想像を膨らませている日本人画家の思いが伝わってくるような気がする。

 最後の一角は杉本博司の「「海景 – ATAMI」。

写真は撮らなかったけれど、「加速する仏」、これは杉本の三十三間堂の千仏仏をうつした「仏の海」を動画にしたもの。ゆっくりと写真が切り替わっているときには一つ一つの仏の表情を楽しめるのだが、次第に早く切り替わるようになり最後には溶け合わさってしまう。その途中で、思いもよらぬ表情が見えたりして、ちょっと怖くなったりすらした。

 熱海の海の写真は同じ場所をとっている(のだろうと思う)けれど、それぞれが違った表情をしていてとても面白かった。「水平線の二倍の距離に焦点を合わせている」ということだったけれど、それがこの複雑な表情を生んでいるのかもしれないな。

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 千葉市美でも見た「月下紅白梅図」。やはりここには須田さんの梅の花がほしかった。

続きを読む "熱海で観梅"

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2017.02.28

シャセリオー展

「シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才」
会期:2017年2月28日(火)から5月28日(日)
会場:国立西洋美術館

最初にポスターを見たときに、人物画は必ずしも好きではないのに、不思議な静けさに惹かれてしまった、シャセリオー展。会場に入って、絵を見た瞬間に女性が描いたんじゃないかと一瞬思ったりもしたけれど、「テオドール・シャセリオー」と言うのだから男。
 

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今回はフライヤーの裏に自画像がある以外、男性の絵の写真がほとんどないけれど、実際に会場で描かれたものを見ると、特に男性がどこか少女マンガ風な感じがするのだ。

 もしかすると、単に男性を描くときの構図がそうなっているだけなのかもしれないし、時代を考えると逆にこうした絵を見て少女マンガ家が男性をこんな風に描いたのかもしれない。不思議なことに写真などを見るよりも実際の絵のほうがそうした印象を強く感じる。たぶん、このことが彼を女性だと思ってしまった理由のひとつだろう。

 そして女性を描いたものについても、そこには今にも飛び立とうとする共通した意思のようなものが感じられる気がする。

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 このポスターにもなっているこの「カバリュス嬢の肖像」にしても、彼の絵の特徴ともいえる静かな美しさの中に強い意志が感じられないだろうか。(もしかすると、Cos自身が飛び立ちたいだけかもしれないけれど・・・)
「甘く寂しいエキゾチズムのかおり」といっているのがきっとこれだろう。全部が全部と言うわけではないけれど、女性の絵に今にも飛んで行ってしまいそうな感じがするのだ。特にその男女の対比が現れているのが、「アポロンとダフネ」。悲劇のポーズをとっているアポロンに対してダフネは足が黄に変わりつつあると言うのに、そのまま飛び上がっていくのではないかとも思える。
 また彼は時代の枠の中には納まらなかった人でもあるようだ。この「泉のほとりで眠るニンフ」はニンフと言いながら、体の下には衣服があったりネックレスがあったり、腋毛があったりと、当時の社会通念からは許容しがたいものがあったらしい。今でこそ誰も何も思わないけれど、当時はかなり問題になったらしい。すぐそばにあるクールベの「眠れる裸婦」のほうがおとなしい感じだったほど。

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 シャセリオーは37歳の若さでなくなったけれど、もし老年になるまで生きていたらどんな絵を描いていたんだろうか。あるいは絵筆を折っていたんだろうか。
 彼の「エキゾチシズム」の変化がどうなるのか、そんなことを考えながら見るのも楽しそうだ。

(なお、写真は展覧会主催者からの提供の公式写真で、Cosがとったものではありません)

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2017.01.26

映画 レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮

 映画「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮」のトークショー月特別試写会に行ってきました。

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ドキュメンタリーと言うことなので、どこがどんな風にドキュメンタリーなんだろうと楽しみだった。
 スタートはミラノの美術館でのダヴィンチ展。現在と過去を行き来しながら知っている話、知らない話が見事な映像とともに繰り広げられる。

なによりもあの大スクリーンに繰り広げられるダヴィンチの絵が広がるのは圧巻。
 ダ・ヴィンチの絵が日本に来てもじっくりと見る余裕などなく、「止まらないでください」と追い立てられるように絵の前を通過するしかない、もっとじっくり見たい部分はたくさんあるのに・・・と思う細部が大画面で見られるのはとてもうれしい。
 ストーリーよりも何よりも、一つ一つの絵を見ることに熱中していたかもしれない・・・。

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 ドキュメンタリーだからだろうか、「ラ・ベル・フェロニエール」や「白貂を抱く貴婦人」は当時の衣装そのままにモデルも登場。「白貂を抱く貴婦人」の不思議なヘアースタイルが現実のものとなって現れたのにはびっくり。あんなにぴったりとあごの下まで髪の毛を回せるものなんだろうか?と言う疑問も解決。そして、この白貂の姿勢の不思議さも、映画の後のTakさんと池上先生のトークの中で解決。また、そのときの話からラ・ベル・フェロニエールのあごの辺り、洋服の赤が映っているという斬新さについての話もあった。この部分はもう一度見に行きたいなぁ・・・というか現物を見たいよなぁ・・・

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そして、修復された「最後の晩餐」テンペラだと言うのにダ・ヴィンチは筆が遅かったこともあって、痛みがひどかったとも。拡大された映像を見て「こんなに・・・」とショックだった。たぶん、映画出なければ気づかなかった部分も多かったんじゃないだろうか。

そして、映画の後のTakさんと池上先生のトーク。

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もう何年も池上先生の話を伺うチャンスはなかったんだけど、やはり面白い。Takさんもうまく話を引き出して、さすが。メルツィとサライの話や、「サライは美男子?」なんてい話まで出てきたり、「白貂」についても実際に絵を描くときに抱いたのはほかの動物、たぶん猫、だろうなんてい話も楽しかったです。

 池上先生の話を踏まえて、もう一度見てきたい映画であることは間違いなし。

2017年1月28日(土)から銀座のシネスイッチで公開。




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2017.01.12

ポーラ美術館ギャラリートーク駅伝

ひょんなことから譲っていただいた「青い日記帳」Takさんと行く『ポーラ美術館新春ギャラリートーク駅伝』バスツアー」に参加してきた。参加者募集の記事を見たときにちょっと「行きたいな」と思ったんだけど、最近は積極的に「何かをしよう」と言う気持ちに慣れなかったので、いくことができて本当によかった。

 Takさんはずっと前から存じ上げているけれど、お目にかかるのはすごく久しぶり。年を追うごとにハイスペックになっていて「できる人は違うなぁ」・・・なんていうことを思いながらバスに友達と乗り込んだ。
 バスの中では広報の方がこのツアーの成り立ちをはじめいろいろなことを放してくれるだけでなく、ポーラ美術館クイズまで行われた。残念ながら前門正解にはならなかったけれど、商品をいただいてしまった。

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 陰になってしまっていてわかりにくいけれど、藤田の職業のタイルの柄のチョコレート。去年行った府中市立美術館の藤田嗣治展ではほとんどこの子供の絵がなかったが、ポーラ美術館のコレクションは半端ない(最大)なのでとても楽しみ。

 途中足柄のPAでまだ11時だと言うのにお昼ご飯。美術館についてしまうとギャラリートークがあり、それを聞いていたりすると食事の時間が取れなくなってしまうのだ。

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なんと、足柄には蕎麦のないうどん屋さんがあるのだ。これはもううどんを食べるしかない、というわけで、豚汁うどん。今にも雨(か雪)の降りそうな寒さだったので体があったまってとてもおいしかった。だが・・・そのおかげで時間がなくなり何も買わずにバスに戻ることになってしまった。

 足柄からは30分もかからずにポーラ美術館へ。

 ガラスの屋根だけのようなサンルームのようにも見えるポーラ美術館のエントランスは異世界への入り口。

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こんなサンルームのようなところからエスカレータに乗って降りていく。降りていくことで日常から切り離されていく感じ。

 まず最初はツアーの面々だけのための「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ----境界線への視線」の解説。
 正直なところアジェという人の名前は聞いたことがなかったしほとんど関心もなかったんだけど、この解説の中で一番印象に残ったのがアジェの話。役人をしていたアジェが町の風景をとり続けていろいろなところに写真を売っていた。その写真がアメリカにわたり、芸術家たちに評価されるようになったとのこと。ルソー、フジタ、アジェの3人ともがパリの市街と郊外の境界線上を描いていたこと。描くものは違ってはいたけれど、それぞれにそこに住む人々の営みを描いていたこと。といったような話を聞いた。

 次にTakさんの学芸員さんのクロストーク。この中で美術館同士の絵などの貸し借りの話などを聞くことができて、とても面白かった。

 その後自由行動ということになるのだが、この日は「ギャラリートーク駅伝」とのことで、朝の10:00からほぼ休みなく駅伝のように次から次へとギャラリートークがある。

 10:00からクロード・モネ、10:30からベン・ニコルソン、30分ごとに次から次へとギャラリートーク。・・・そしてツアーの人たちは13:30からの「ポーラ美術館の歴史」から聞くことができるのだ。ある程度はバスの中やツアーのための解説の中で聴いた部分もあるし、展示もじっくり見たいので、14:00からのアンリ・ルソー、14:30からのフジタを聞くつもりだった。それまでの間に展示を見て・・・・の予定だったのだが、ざっと見終わったらもう3時近くになってしまっていたのだ。

 「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ」についてはこちら から。こっちのほうが内容については詳しい。

城壁に囲まれたパリの街。壁の外側には250mの建設禁止地帯があり、そこに多くの貧しい人が住み着いた。ルソーは郊外の美しさを描き、アジェは変化を記録に残した。フジタは外側の人間の視点から人間に焦点を当てて描いた。

アジェの肖像写真はなくなる6日前のものだと言う。彼は何を考え、この世のパリを後にしたのだろう。


 常設展は写真撮影OKのところが多くありがたい。

 

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モネの「散歩」。子どものころモネの絵に最初に惹かれたのはこんな感じの絵。絵の中からそよ風が吹いてくるように思えたのを今でも覚えている。

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 ルノアールのアネモネ。こんなに小さいとあまりよくわからないけれど、ルノアールらしい暖かさとやわらかさが伝わってくる。Cosはルノアールは静物画のほうが好きかも。

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モネの睡蓮の池。この絵は門外不出と言うわけではないけれど、ここにいらしたお客さんがいつでも確実に見られるようにと、あまり貸し出されることがないそうだ。

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セザンヌの砂糖壷、梨とテーブルクロス。これは逆に何度かほかのところで見たことがある。

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ラウル・デュフィのパリ。デュフィらしい音楽が聞こえてきそうな一枚。

ポーラ美術館はこれ以外にもいい物をたくさん持っていた。またもう一度何もないときにのんびり見に来たいような作品がたくさんある。

そして「古代エジプト、ギリシアから遊牧民族トルクメンの装身具まで」このトルクメンの装身具は世界でも有数のコレクションだと言う。

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そして、何よりもすごかったのがこれ。


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赤は血の色。刺繍は悪いものを内側に入れないためのもの。ここでつけている飾りは展示してあるものに比べるとずっと軽いのだが、それでも実際に持ってみるとかなりの重さだった。

トルクメンの女性はこうした花嫁衣裳で結婚する。

 朝から今にも降り出しそうだった空はすっかり雪。

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帰るころにはすっかり積もり、帰りのバスが渋滞で動けなくなって帰れないんじゃないかと思ったのも、帰りのバスの中で見たテレビのトップニュースに道路状況が出ていたのはまた別の話。

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2017.01.03

美術館の初詣2017

ここしばらく思い通りに行動できないことも多かったけれど、今年はかなり自由に動けそうなので・・・(経済的にはかなり厳しいけれど)年の初めは美術館めぐりから。

まずは竹橋の国立近代美術館へ。1月2日は常設展の無料公開日の上に先着でプレゼントをいただける。お正月ならでは。

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と言うわけで早起きをして整理券をいただく。ここで欲を出して草間弥生の図録をいただいたのだが・・・重い。ちょっと持っているだけならたいしたことはないのだが、これをもってあちこち回るのはかなり重さを感じるのだ。
 途中で宅配便を見つけたら家に送ってしまおうかと思ったのだが、そう都合よくは見つからない。結局家までもって帰った。おもかったぁ

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企画展は「山田正亮の絵画」。これは昨年の暮れに見たのだが、Cosごのみの直線や矩形のものが多くとてもよかった。形は具象ではないが色は具象と言う感じだろうか。同じように見えて実は違っているたくさんの直線、どんな順序で塗っているのか、それさえもおもしろい。
 「何を描いているのか」ではなく「どう描いているのか」がとても面白くじっくりと楽しめた。

 が、この日はまだまだ次があるので、その足で国立近代美術館工芸館へ。

 で、工芸館でもメモ帳をいただく。先日来た時には工芸館は見なかったので、

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 をじっくりと見てきた。日本のものはよくわからないけれど、このポスターの右下にもあるルーシー・リーの作品はやっぱりいい。
 このピンクも好きだし、この配色やバランスもすき。茶道具なんかはどこで見てもよくわからないまま・・・・もう少し年齢を重ねるとわかるようになるのかなぁ・・・

 ここから友達と(ほぼ一緒に)西洋美術館へ。
企画展は「クラーナッハ」だけど、これも年末にのんびり見たので、そっちに回った友達とは別にCosは常設へ。
 ここの常設はいつも企画展を見た後、比較的時間に追われてみることが多いので、今日はのんびり。

 「聖ミカエルと竜 14世紀シエナ派」

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この14世紀の竜が普段イメージしている竜と違ってなんともかわいい。昔の話に出てくる竜はこういうイメージだったんだろうなぁ・・・普段見慣れている(?)猛々しく大きな竜(の絵)と比べると生活の中にいても不思議はない感じ。

 そして、廃墟のロベール

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彼の絵を見ているとこんなところに行ってみたくなってくる。見に行くのではなく、その中で時を過ごしたくなる。

 クラーナッハを見終わった友人と合流して恵比寿へ。

食事をしてからTOPミュージアムへ。改修前は写真美術館だったんだけど、改修したら名前も変わってしまっている。なんとなくTOPと言うのはしっくりこないんだけど・・・でもここも1月2日は無料。

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写真はかなり面白かった。3階と2階の展示室は最後のブロックのところに「撮影可」のコーナーもありちょっとうれしかった。

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ミニチュアのように見えるのがとても不思議だった写真。これを見ていると東京タワーを見上げている人間の小ささを痛感する。人間は如何にはかなく小さいことか・・・

例年のように演奏されている雅楽を楽しんで美術館の初詣はおしまい。今年がどんな年になるのか皆目見当もつかないけれど、
心豊かに暮らせますように。


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