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2017.05.31

加藤アキラ--孤高のブリコルール

 5月30日、展示の最終日に行ってきたアーツ前橋の「加藤アキラ--孤高のプリコルール--」展。

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 いやぁ、前橋はうちからは遠かった。あと1時間余分にかかるなら泊まりか新幹線というところかもしれない。

 新宿から湘南新宿ライン経由で行っても1時間半かかって高崎までしか行かないので、そこから前橋までは20分。うちからだと電車が3時間半という小旅行だった。

 「いいよ」と進められたこともあるけれど、そこまでしていきたいと思ったのはこのポスターにある立体を見たいと思ったから。おそらくヘアライン仕上げ(でいいのかな?)のアルミニウムの断面に空が描かれているのを実際に見てみたいと思ったのだ。

 空を映し出す形はCosの好きなパターンのひとつ。自分のアイコンもアルミ球と銅球に空を映し出させているほどだ。これはぜひ自分の目で確かめたかった。もう少し近ければ何の躊躇もなくさっさと見に行ったのだろうけれど、さすがに前橋となると時間も交通費もちょっと覚悟しないといけないところなのだ。

 アーツ前橋は前橋の駅からは10分ほどのところにあるもともとはデパートだった建物。一回から入ったギャラリーの「ArtMeets04 田幡浩一/三宅砂織」(これもかなり面白かった)を通って、階段を下りていく構成。

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 白く塗られた壁の中で一本の梁だけがコンクリートのままで残されているのがとても印象的。下のほうに見えているのは銅で作られた「地下茎の狩」の一部(だと思う)。この会談の右手には地下がのぞける窓があって、そこから見た作品がこちらを呼んでいるかのようで、ちょっとわくわく。
 奥のほうの梁の上からにちょっとだけ見えているのは同じ作品の一部で皮でできたものが天井からぶら下がっているのだ。悪くはないけれど、こういうような作品は時々お目にかかっているから、これだけだったらCosはここまでは来なかっただろう。もちろん悪い作品ではないし、動き出してこようとするエネルギーのようなものも感じられる作品でそれなりには面白かった。



 

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 ドキッとしたのはこうした作品。これは「不詳」とあったけれど、アルミ板を磨き上げた上からたぶんワイヤブラシのようなものでヘアラインで筋目を描いたものだろうと思う。連れ合いが好きだった金属の工作みたいな感じもちょっとあって「見に来てよかった」と思えた最初の作品。

 作者の加藤アキラは自動車の整備工だったという。この仕上げの技術はそんな仕事を通じて身に着けたに違いない。知人の車やオートバイのマフラー屋さんの金属加工の話などを思い出してちょっとほのぼのした気分にもなった。

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 これは新作「天と地の間で」割り箸の上に青く塗られた板が取り付けられ、それがたくさん集まって円を作っている。一つ一つの小さな板が微妙か角度で取り付けられているのか、こちらが見る角度によって見え方も変わってくる面白さ。
この写真から左の上のほうにさっき通った階段が見えている。

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 そしてこれが今回お目当ての「Space Compression 1」。画像をクリックして大きくすると分かるかもしれないけれど、これもアルミニウムにヘアラインが入っている。

 いや、それ以前にこれは立体などではないのだ。一枚のアルミ板なのだ。いくつものアルミの箱を積み重ねてるかのように見えるのは表面の加工だけでそう見せているのだ。しかも、もしかするとこれは一枚の板を切ることなく、表面の仕上げだけでいくつもの立体を組み合わせたように見せているのだ。そして、光の反射自体は描かれたものではなく、金属が光に実際に反射している不思議があった。

 

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 もう一点すごくよかったのが天井からぶら下がっている穴の開いた球体「連環」。ブリキでできた球体の中は黒く塗られていて両側に開いた穴から向こう側を見ることができる。「本来宇宙の中にある惑星を反転し、闇を内包した球体」なのだそうだ。

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この闇を通してみる向こう側の景色はさっき見たはずなのに他の世界のような感じがしていた。奥のほうに見えているのがさっきの「天と地の間で」の一部。左上の金属はこの球体の外側のブリキ。

 最後にどうやって集めたのか、カセットコンロのボンベの底でできた「帰光」

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しかも飾られている場所が階段下。右上の窓のところにも作品の一部がある。使ったボンベなのか、単に集めただけなのか・・・使ったとしたら毎日使っているんだろうか・・・

 会場を出た前橋はとても暑かった。


「ブリコルール(器用人)とは、ありあわせの道具や材料を用いて自分の手でものを作る人のこと。フランス語のbricoler(繕う)に由来」とのこと。Cosの連れ合いもそういう人だったなぁ・・・

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