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2017.02.28

シャセリオー展

「シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才」
会期:2017年2月28日(火)から5月28日(日)
会場:国立西洋美術館

最初にポスターを見たときに、人物画は必ずしも好きではないのに、不思議な静けさに惹かれてしまった、シャセリオー展。会場に入って、絵を見た瞬間に女性が描いたんじゃないかと一瞬思ったりもしたけれど、「テオドール・シャセリオー」と言うのだから男。
 

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今回はフライヤーの裏に自画像がある以外、男性の絵の写真がほとんどないけれど、実際に会場で描かれたものを見ると、特に男性がどこか少女マンガ風な感じがするのだ。

 もしかすると、単に男性を描くときの構図がそうなっているだけなのかもしれないし、時代を考えると逆にこうした絵を見て少女マンガ家が男性をこんな風に描いたのかもしれない。不思議なことに写真などを見るよりも実際の絵のほうがそうした印象を強く感じる。たぶん、このことが彼を女性だと思ってしまった理由のひとつだろう。

 そして女性を描いたものについても、そこには今にも飛び立とうとする共通した意思のようなものが感じられる気がする。

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 このポスターにもなっているこの「カバリュス嬢の肖像」にしても、彼の絵の特徴ともいえる静かな美しさの中に強い意志が感じられないだろうか。(もしかすると、Cos自身が飛び立ちたいだけかもしれないけれど・・・)
「甘く寂しいエキゾチズムのかおり」といっているのがきっとこれだろう。全部が全部と言うわけではないけれど、女性の絵に今にも飛んで行ってしまいそうな感じがするのだ。特にその男女の対比が現れているのが、「アポロンとダフネ」。悲劇のポーズをとっているアポロンに対してダフネは足が黄に変わりつつあると言うのに、そのまま飛び上がっていくのではないかとも思える。
 また彼は時代の枠の中には納まらなかった人でもあるようだ。この「泉のほとりで眠るニンフ」はニンフと言いながら、体の下には衣服があったりネックレスがあったり、腋毛があったりと、当時の社会通念からは許容しがたいものがあったらしい。今でこそ誰も何も思わないけれど、当時はかなり問題になったらしい。すぐそばにあるクールベの「眠れる裸婦」のほうがおとなしい感じだったほど。

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 シャセリオーは37歳の若さでなくなったけれど、もし老年になるまで生きていたらどんな絵を描いていたんだろうか。あるいは絵筆を折っていたんだろうか。
 彼の「エキゾチシズム」の変化がどうなるのか、そんなことを考えながら見るのも楽しそうだ。

(なお、写真は展覧会主催者からの提供の公式写真で、Cosがとったものではありません)

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