青森県立美術館
今回の旅行の目的の一つが「あおもり犬」に会いに行くことだった。
できれば帽子をかぶった「あおもり犬」が見たかったけれど、青森に行くこと自体大変なのに、真冬の青森はちょっと条件がきつすぎる。
いつかは行ってみたいと思っているけれど。
「三連休切符」の広告を見た瞬間に思い浮かんだのが「青森に行く」だったぐらい。
念願かなっての新青森の駅で降りるとまっすぐ「ねぶたん号」乗り場へ。青森市のルートバスで10分ほどで着くという。バスが来さえすれば青森県立美術館まですぐなのだ。
丁度今の企画は
横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移
吉村作治のエジプトと古代文明展~太陽の船と七大文明~(これは企画展ではなくイベントらしい)
さすがにエジプトや古代文明は見る気がしなかったけれど、横尾忠則は(このために青森に行こうとは思わないまでも)ぜひ見たい企画だったので、見ることにした。
美術館に入るとすぐに大きな部屋。そこにはシャガールの描いたバレエ「アレコ」の3枚の背景画。舞台の背景だからとんでもなく大きい。天井の高い(美術館サイズというのだろうか、都現美の天井の高い部屋ぐらい、壁の白いのも一緒だな)ひろい部屋にかけられているので大きさからくる圧迫感はない。部屋の中央に置いてある肘掛け椅子(足に車輪がついているらしく動く)にどっしりと座りながら見るようにできていた。美術館に着いた時がもう3時だったので、時間が気になってあまりのんびりはできなかったけれど、シャガールらしい夢のある暖かな絵は来た人を歓迎しているかのようでいつまでも見ていたかった。
その部屋の先にあった「横尾忠則展」。Twitterで見たのかもしれないが、量の多いのは覚悟していたけれど、見ても見ても終わらない感じさえしてくるほどの多さ。
幸いなことにそのうちの多くは知っているものだったからそれだけで閉館時間になるという恐れはなかったけれど、見覚えのないものも多く、思わず立ち止まって見てしまうものもいくつか。
行っても行っても終わらない作品。とうとう棟方志功展示室にまで横尾忠則が進出・・・
そのおかげですっかり常設が少なくなってしまっていたのが残念。
でも奈良さんのニューソウルハウスとか、その中の犬とか、窓の外のあおもり犬とかあったし、成田亨さんのウルトラマンとその怪獣たちの原画も楽しかった。棟方志功の「柵」にまつわる作品シリーズもちょっと視点がいつも見るものとは違っていて楽しかった。
しかし、それしかなかったのが本当に残念。
もっといろんなものを持っているし・・・でもまあ、東京で見るチャンスもあるだろうから、よしとしよう。
最後に一旦美術館の外に出て、外をぐるっと回って階段を上って思いっきり降りて両側が高い壁になっている細い通路を通り抜けた先にある「あおもり犬」に面会。
でもこの子は何をこんなに憂いているんだろう。奈良さんの描く女の子の鋭いナイフの切っ先のような目と対照的にこの目は何か深く悲しんでいるかのようにも見える。
そこに意味づけをするのは見る側の人間だろうから、その時々によってたぶん思うことも違うんだろうな。
下から見上げてみると、なんだか大仏様を見上げているのと同じような感じがしてきた。いろいろと考えてしまったからそう見えるのか、それともそういう表情なのか・・・・
あっというまに時間が過ぎても4時半になってしまった。
隣にある三内丸山遺跡にも行くつもりだったけれど、閉館は5時だろうからもう物理的に無理だろうなと思い、大きな荷物を預けてあった総合案内で、明日の三内丸山遺跡のオープンの時間を尋ねてみるとなんと今日も6時まで開館しているというではないか。しかも青森駅まで行くバスの時間まで調べてくれて、ぎりぎりに出るバスもあることが判明。
まだ間に合うではないか、1時間あればかなり見ることができるからとりあえず行ってみよう。
この時の館員さんのおかげで、三内丸山遺跡ではとてもいいことがあったのだけど、それはまたこの次の話。
しかも、ぎりぎりまでいたおかげで帰りは薄暗くなり、
帰りのバスの中からではあるけれど、一番見たかった外観・・・・青森になっている青森県立美術館も見ることができたのだ。
ありがとうございました。
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