白隠ブロガ―ナイト
もちろん(かどうかは別として)白隠の名前は知っていたし、楽しそうな絵を描く人だとも思っていたし、禅宗の坊さんだということも知ってはいたけれど、こんなに奥の深いユニークな人だとは思ってなかった白隠。
その白隠展はBunkamura ザ・ミュージアムで2013年2月24日まで。
1月7日に行われたブロガ―ナイトにCosも参加させていただいた。
しかもその講演会が展示室のど真ん中、六角形をした通称だるま部屋で行われたのだ。
これはブロガ―ナイトが終わってから元に戻した状態。こんな展示室「朱達磨」がぎょろっとした目でこっちを見ているこの空間でTakさんと監修者のお一人山下裕二先生と浅野研究所の広瀬さんのトークが1時間も行われたのだ。
四方八方(正しくは六方か?)から見られながらのトークはとても楽しかったし、ここでたくさんのエネルギーをいただいたのは必ずしも3人のお力ばかりでなく「だるまさん」のパワーもあったに違いない(渋谷のパワースポットだという話も出てきたし…)
実際にはこんな風。話を聞くCosたちはいすじゃなくて座布団の上に座って…・(あっ、座布団の写真撮るの忘れた)。座りやすい靴を履いて行かなかったので座りにくかったけれど、床の上に座り込んで話を聞くのも白隠らしくてとてもよかった。
最初はこういう席でなければ決して聞けない「展示」についての広瀬さんのトーク。
こうした絵---それも特大だったりもするんだけど---一枚一枚をケースの中に入れて展示するというスタイル。
このスタイルをとることで絵までの距離を15cmまで近づけることができたとのこと。
そのケース自体を並べることで壁になり、通路ができている。これも自由に空間を使えるBunkamuraならではの展示方法。
こんな風にヤマト運輸の美術品の専門家の人たちが作業をしたのだそうだ。
ヤマト運輸だから黒猫がいて、みんながそれなりのスタイルをしている。
運ぶ車も以前は美術品の専用車であることが分かる車を使ったそうだけど今はそういうこともしていないとか、海外でこの作業をすると、向こうの人が黒猫グッズをほしがるんだとか…
なんていう話を笑いながら聞いていたらいつの間にか話は本題に。
この白隠展、他には巡回しない。
こうした絵を展示するには劣化を防ぐためにある程度期間が限られる。(Cosが聞いたことのある話は年間に1ヶ月とか4週間とかだけど、それよりは長い。いろいろな条件で変わってくるのだそうだ)
機関が限られるのであればこのBunkamuraでじっくりと見てほしい。
ということだけじゃなく、白隠の描いた絵はお寺などにあることが多く、借り出すのも容易ではない。
中には十二年前には「絶対に貸さない」と言っていた所から今回ようやっと借り出せたところや、お寺の檀家さんにあれこれと問いただされて、大変だったところなどの話もきかせていただいた。
これはお寺で出の様子。鴨居では間に合わなくてその上から吊るしているのだ。お寺の天井は民家よりは高いんじゃないかと思うけれど、美術館ではなくてこうしたところで見るとその大きさがもっとはっきりする。
(この写真の右のほうのシャンデリア様のものが話題になったけれど、本当にシャンデリアなのかどうかはよくわからなかった)
日本各地に白隠の絵はたくさんあるんだけれど、「お礼に」と言って人にあげたことはあるけれど、お金をとったものはない(あるいはほとんどない)のだという。
「直指人心、見性成佛」(自分の心にこそほとけが宿り、それを自覚することで仏になる)という賛の入っている「朱達磨」とも呼ばれる萬壽寺の「半身達磨」は一番有名な絵なのだそうだが、ドーンとばかりに上いっぱいに描かれた顔、実際にそばに寄って見てみるとすごい迫力。
絵ばかりでなく、字についてもこうしたドカーンと書くことが多かったらしい。
この金毘羅大権現の字も大事なのは「金毘羅だ」と言わんばかりにこの3文字が大きくなっている。
こっちは字の大きさの落差はあまりないけれど、書いている内容が…
「南無地獄大菩薩」ってとんでもない所に「地獄」の文字が入っているのだ。
この破天荒さは描く絵の内容にも表れている。
「鐘馗鬼味噌」
鬼をすり鉢に入れてゴリゴリと・・・手伝っている息子が「どんな味がするかなめてみたい」と・・・
う~ん・・・・発想が美少女ジューサーの会田誠と一緒なのかもしれない。破天荒なところも監修者も一緒だし。
そして、今まで門外不出だった清梵寺の「地獄極楽変相図」。閻魔大王の周りに様々な地獄の責め苦が描かれているのだが、一つをのぞいては場面名が入る短冊形の枠だけがある。
たった一つだけはいっているところがあるが・・・・・よほど懲りたんだろうなぁ
こちらに続く
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