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2013.01.04

2013写美のお正月

「お正月」「美鬱館」と言えば条件反射のように出てくるのがこの「写美」である。
展示室が3つあってそれがすべて無料になるというのは本当にありがたいのである。よくわからない展示にはわざわざお金を出して見てみようと思わないけれど、こういうチャンスがあればできる限り参加して自分によくわからない世界を垣間見てくることができる。
写真の歴史のように過去にとられた写真からの展示が一つ、現在の展示が一つ、そして未来に向けての写真ないしは映像の可能性を見せてくれる展示が一つという感じだろうか。

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北村一夫の「いつか見た風景」

しょっぱなにでてきたのが、60年安保のときの日大芸術学部のバリケードの内側の写真。
いつ機動隊が突入してくるかわからない緊張感の中にありふれた日常があるという内側からでなければ撮りえない写真。
この内側からとらえるというのが彼の写真の在り方という気がする。成田を撮った時にも農村を撮った時にもその内側からの視点で撮っている。

さいごの60歳を過ぎてからとったという(果物?の)ゆずの写真。何の変哲もない写真のように見えるけれど、これもやはり内側からの視点が見えてくるような気がするから面白い。

これを見ていたらギャラリートークが始まったので大慌てで行ってきた
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「記録は可能か」展。映像の冒険のNo.5にあたる。
社会的出来事などを記録すること、映画史の中で同記録してきたのかといった映画史あるいは映像史といった観点から記録映画などを考えるということだろうか。
今回は過去を見つめなおす、あるいは過去を振り返るときの映像という感じ。
今の冒険ではなくて、かつてあった冒険を見ている感じかな。

そして最後が「この世界と私とどこか」

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過去の自分の写真に現在の自分の写真を重ね合わせているこの大野千野の写真、ぱっと見ただけでは何の違和感もないけれど、そう聞くとじっくりと見つめてしまう。
現在と過去が一つになったという感じ。
写真を撮ることが目的ではなくて、写真という道具を使って被写体以外の何を表現するのかを考えさせられた。

そしてお正月恒例の雅楽P1130473

年々うまくなってきているような気がするのは気のせいだろうか?

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コメント

気のせいじゃないと思う、司会もうまくなっている。。
ところで。内側からの視点・・なるほど。
私はMOMAT(近美)の[美術にぶるっ!]と、MOT(都現代美)で展示されている「私たちの90年」というテーマと共通のもの・・そして今現在の日本というのに対しての暗喩的なものを感じてしまった。キュレーターの年代が皆おんなじだからなのかなーとか、、ね。

投稿: コトリのぴかちゃん  | 2013.01.04 23:04

やっぱりうまくなってるよね。

展示は・・・・近美の「第2部 実験場1950s」と同じにおいを感じました。
ちょうど60年安保から50年たった2010年か2011年にこの企画ができたんじゃないかとも・・・・

投稿: Cos | 2013.01.05 20:11

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