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2011.07.12

こどもの情景

報道写真展と同じ写真美術館で、報道写真展の直後に見たもうひとつの写真展。
「こどもの情景---戦争と子供達---」(2011年7月10日まで)

201107_001

他の時だったら、「こども」とタイトルが付いていても、戦争を体験した子どもたちの姿は胸が締め付けられるような気もするのだろうけれど、この日ばかりはそんなこどもの笑顔に救われるような思いがした。

テーマが戦争だから、子供達がみんな笑顔というわけではないし、その笑顔だって素直には喜べない種類のものだったりもするけれど、子どもの笑顔には将来と希望がある。

戦争中の「子供の隣組」子供達を組織して、愛国少年、愛国少女を育てていったのは日本に限ったことではない。
アメリカでの収容所でバトントワラーの練習をしている子供達。
アメリカでは子供達にはたとえ収容所に入れたとしてもそれまでと変わらない生活をさせようというのだ、日本の自由な子供達よりもずっと恵まれているように見える。国力の差はすごい。

そして戦後の浮浪児。
「九州くん」と名付けられた少年や、親(?)の乞食につれられている子ども、靴磨きの子ども、一人前の顔をして煙草をすっている小学生ぐらいの子ども。米兵と手をつないで歩いている子ども。
半世紀ちょっと前には日本の姿もこうだったんだ。
今の豊かさ、大切にされている子どもたちの姿なんてたったこの半世紀ぐらいのことで、それ以前はこんな子供達がどこにでもいたのだ。

この直前にみた、まるで異世界のように思えた報道写真の距離が急に近づいてきたように見えた。

ベトナム戦争での
枯葉剤の影響で右腕欠損で生まれてきた少女。
この少女は決して過去のことではない。
日本には戦争はないけれど、
「直ちに健康に影響はない」とされている目に見えないもっと恐ろしい敵に直面している。
一番被害を受けやすいのが、幼い子どもやまだ生まれていない子どもなのだ。

100年後の「子供の情景」にはこの敵との戦いも出てくるんだろうか。

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