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2011.06.17

青山悟の刺繍画

「工業用のミシンで刺繍した絵」とはじめて聞いたときにはとてもびっくりした青山悟の刺繍画

でも良く考えてみたら刺繍で絵を書くというのは日本に限らず世界中でずっと昔からやってきたこと。
日本の着物にも見事な刺繍を施されたものがたくさんある。
そのステッチの見事さに見とれてしまうことも少なくない。

青山悟の刺繍のどこが違うかというと、彼の作品からはステッチの見事さは感じられない。
それどころかじっとよく見ても刺繍なのかどうかすらはっきりしないのだ。

201106_001
おそらく針目を一番小さくして刺繍しているのだろう。
素材が紙でないことはすぐに分かるけれど、織りあげられたものなのか、布の上に描いたものなのか判然としないのだ。

だからこそ、「刺繍した」と聞いてびっくりもしたのだが、(たぶん)上野の森で見てからずっと気になっていたので、ミズマアートギャラリーで個展があると聞いて、見に行ってきた。

「青山悟展---芸術家は人生において6本のバラを真剣に作らなければならない」
2011年7月9日まで
市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで。

行ってみたら本当に6枚の薔薇の絵しかないのだ。
会場は画廊だからさほど広くないとは言え、それでも部屋に入ったとたんどちらかと言えば小さめの白黒の薔薇の絵が5枚かかっているだけというのはさすがに少ない感じ。l

まあ、だからこそ一枚一枚が大切に思えるのかもしれないが・・・・

一枚一枚をのんびり見ながら針目を探したり、生地の奥行きがありそうななさそうな雰囲気を楽しんでいて、奥にカーテンがかかっている場所があることに気がついた。

中は赤い光がほのかにあるけれど、それ以外は何も見えない。
他の人がいたら間違い無くぶつかりそうな暗さ。

その赤い光のなかに赤いバラが輝いていた。
上のバラと同じバラが赤く光っているのだ。
光る白い糸で刺繍されたバラが赤い光のなかで赤く輝いているのはいい感じ。
黄色い光なら黄色く、緑の光なら緑色に光るんだろうなぁ

どんな色にも染まって輝く一輪の薔薇、
明るい太陽の光の届かない暗闇の中で。


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