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2011.01.31

日本画の前衛

かなり期間が短いので早めに行こうと思っていたのに、結局なんだかんだで今になってしまった「日本画の前衛」。
国立近代美術館で2011年2月13日まで
東京での開催は後2週間・・・2週間じゃ「もういっかい行きたい」と思っても難しいかな。
東京の後は広島に巡回するんだけど・・・広島にはちょっと行けそうもないし。
(広島は2・22~3・27県立美術館)

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この花を見て、「前衛ってなんだろう??」と思ったのは現代の日本画を見ているからかもしれない。
日本画・・・教科書に出てくるような昔からの日本画に親しみ始めたのはついここ数年。それまではその良さも全くわからなかった。
逆に現代の日本画は「日本画」という範疇に入るかどうかも気にせずに楽しんできていたので、このチラシを見て「前衛」と言われてもちょっとピンと来ないようなきがしていた。

でも、日本画と言えば加山又造も好きだし、日本画の抽象画流れみたいなものもわかるんじゃないかと楽しみにしていた美術展なのだ。

その期待に違わず、1938年に描かれたという山岡良文のシュパンヌンクと山崎隆の象という2つの抽象画で始まるのだ。
たぶん、印刷物で見たのなら、そこにあるいかにも日本画らしい色はわからないかもしれないけれど、実際に行ってみると油絵具とは違う日本画の絵の具(たぶん)で描かれている色。
そして、「日本画」を痛感したのは襖にかいてあったり、山岡家の袋戸棚に描かれてるのを見た時かもしれない。
今、絵を見てみると抽象画であろうとどんなものであろうと不思議はないのだけれど、その時代にはそれだけで斬新だったのだ。

最初の部屋で、「これもたしかに日本画」なんて感じながら通路を曲がって次の部屋に入ると、そこには何枚もの屏風がおいてある。
(この部屋は逆の向きに向こうから通ってくることが多いような気もする)
その中にこの「花の夕」があった。

このチラシの絵も決して悪くはないし、早春の雰囲気があっていいと思うのだが、屏風に描かれた実物を見てしまうと、その良さが半分も伝わってない気がする。
花を描くいろいろな赤やピンク、それは幹の黒に対応し、木の向こうの大きな丸い月にも対応している。地の紙の色も白ではなく(年月を経たからかもしれないけれど)その色が白い花を際立たせている。


古い日本画・・・若冲などを見ても余り印刷と実物の違いが気になりはしないのだけど・・・・今回は実物のほうがずっといいのだ。

戦前、それも戦争直前という時代の中で、題材と道具は日本画のものを使いながら、描き方はそれまでにはない抽象性を出している。
時として、屏風に扇といった昔からある素材を描いているにもかかわらずやはりどこか違っていたり・・・

いろいろな人がいろいろなことを試して見ながら、抽象画の道を進んでいる。
抽象とは呼べないような気がするものもあったけれど、それも一つのステップ。
どうつながっていくのかを考えるのも楽しかった。

戦争直前という重い時代にこうした斬新な試みをつづけてきたからこそ、Cosなんかが自然に受け入れることのできる日本画の抽象画があたりまえのことになったんだろうなぁ・・・

そして、戦時中の絵は軍部に協力することを余儀なくされたけれど、その絵の中には表面的に描かれたものだけではなく、その裏側にあれやこれやと描かれているような気もした。

思わず笑ってしまったのは、「雪舟パラノイア図説」。
雪舟の絵の中の風景で人の顔に見えるものをまとめたのだという。
たしかに人の顔に見える∥^o^∥

これを書いた北脇昇の作品は直線や幾何学的な題材が多いので、どんな数学的な構成になっているのかを考えるのも楽しかった。

期間にして戦前から戦後直ぐまでの短く厳しい時間を凝縮したような展示。
多くの作品に解説があるので、それを読みながら彼らがこれを描いた時代に想いを馳せるのもまた楽しい。

でも・・・日本画だからか会期が短いのが残念。
その後は広島へ行くというのだが・・・さすがに広島までは観に行けないなぁ・・

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コメント

アタチ まだ見に行ってないの。週末かなぁ。。

投稿: コトリのぴかちゃん  | 2011.02.01 01:50

Cosは雪のちらつく日曜日に行ったのですが、思ったよりもすいていたので、のんびりと見てきました。
(そのせいで常設でのんびりできなくなったり、工芸館に行く余裕がなかったり・・・なのだが・・・)
チラシより実物のほうがずっといいですから、ぜひ!

投稿: Cos | 2011.02.01 17:08

こんばんは。
母が死んで一段落したと思ったら親戚が死んだ、月曜が通夜です、まあ顔出さないと。Cosさんところは落ち着かれていますか?
けどなんだで美術館いってますよ、日本画の前衛、これは京都の主導でしたね、図録には東京の近代美術館の学芸員の寄稿もないし、近代美術館の常として英文図録用意するのに、京都が作った図録には英文ないから、買うと英文が添えられてきました。Cosさんは買われなかった?
まあ近代美術館としては岡本太郎へのつなぎの展覧会なのでしょうが、二階のギャラリー4の企画展示なんてお客が誰もいず、作品がむき出しだから、僕のことをジロジロ監視員みる、まあ相貌悪いの認めますがねー。

投稿: oki | 2011.02.02 20:07

めっちゃ久しぶりに来ましたら日本画話題。
日本画ってさっぱり向き合ったことがない・・・う~む。

というわけでまた来ます。

投稿: ono | 2011.02.02 23:47

>okiさん、おはようございます。

お母様の訃報を伺って、何時までも今の状態が続くわけじゃないんだと改めて感じています。
Cosのところとどの程度共通しているのかはわかりませんが、いつもお見舞いにいらしていたので、この日が来ることは分かっていらしたんでしょうね。
(Cosのところも少しずつ止まることなく悪くなってきています)
お母様のご冥福をお祈りいたします。

図録の付録の英文は近代美術館が作ったんですね。最初見たときには一体なんのふろくなんだろう?と・・・

常設はいつも腕にシールを張ってカメラを片手に行くので、必ず熟視されます。

投稿: Cos | 2011.02.05 07:13

>onoさん

ご無沙汰してます。
「日本画?」Cosにもさっぱりですし、友達が書いているにもかかわらず、以前はいいと思わなかったんです。

でもいいよ。

投稿: Cos | 2011.02.05 07:15

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