2011.04.02

美しいリトグラフの世界

4月に入って少しは時間が出来て、美術館にも行けそうになってきたけれど、午前中にうちの仕事をして、午後から母のところに行くとそれ以外どこへ行く時間の余裕も殆ど無い。

が、「町田国際版画美術館で、『美しいリトグラフの世界』が2011年4月3日まで」と聞いたら矢も盾もたまらず、片道30分、見る時間30分という強行軍で行ってきてしまった∥^o^∥
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版面に描いた線をそのまま版画として写し取ることのできる自由さがリトグラフにはあるのだそうだ。

版画美術館ではちょうど今日リトグラフの刷りの体験があったのだが、時間の殆ど無いCosはちらっ、ちらっと観るだけで大急ぎで会場へ。

一応、「美術鑑賞」のはずだったのだが、
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このリチャード・バークス・ボニントンの「古きフランスのビトレスクでロマンティックな旅より」のシリーズは「美術」というよりも19世紀のパリの様子をじっくりと観察してきたような気がする。
パリの町の窓には日除けだろうか、布のようなものが下がっていたり、布団みたいなものが干してあったりと絵を見ながらおもわず、「これはなんだろう?」・・・

こういう見方はちょうど今風景写真を見て感じるのと同じ。
この部分では絵画が(今回は版画だけど)写真にとって替わられた分野なのかもしれない。

が、決して写真にとって変わることのできない分野もたくさんある。
今回よかったのは
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ドラクロワの「空をとぶメフィストフェレス」
生き生きとした羽を持った悪魔。
ゲーテのファーストの挿絵。
悪の化身なんだけどどこか憎めない。
この絵ではないけれど、同じシリーズの安息日に働かされている馬たちもいかにもその日が安息日だと理解した上で働いているのだという顔をしているのが面白かったりもした。

そして、ぱっと見た瞬間にルドンの絵だと気がついた「キリスト」
ここに画像があった)

なんでこんな表情をしているんだろうとしばらく目が離せなかった。この雰囲気がルドンの黒の世界につながっていく感じなのだろうか?

短い時間でざっと見ることしかできなかったし、版画美術館にしては人が多くて、静かにのんびりという雰囲気からはかけ離れていたけれど、見ることができてよかった。

そろそろ時間が取れるようになってきているはずなので、もうちょっとすれば絵を楽しむ時間もしっかり取れるんじゃないかな。
それまではもうちょっとの辛抱・・・だといいなぁ・・・


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2011.01.05

みえないちから

これは去年見てきたもの。
初台のICCで2011年2月27日まで

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面白いものがないわけではなかったけれど・・・う~~ん・・・

Cosのうけた印象は何も無いところから無理に何かを引き出しているかのように見せている
という感じかな。
むりに「みえないちから」にこじつけなければいいのにと思ったものもあったけれど・・・・
どこかオカルトっぽい匂いのする展示。
それが好きならばいいかもしれないけれど・・・

オスカーフィッシンがーのアニメーションは良さそうだけど、土日限定なので、今度行ってみようと思ってる。

それに比べるとやはりオープンスペースはいい感じ。
相変わらず「経費削減」が眼に見えているけれど・・・


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2011.01.04

ドガ展(2010)

年末にはかく暇がなくて年を越してしまったけれど、去年の暮に横浜美術館のドガ展に行ってきました。
(いまさらだけど)ランドマークタワーとのセット券(飲み物付き)2000円という格安のチケットがあることを横浜美術館のwebサイトで知ったのでもちろんそれで行ってきた。

こういう格安のセット券ってなんだかすごく嬉しい。

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「ドガ展は結構混んでいる」と聞いていたので覚悟を決めて行ったけれど、そこそこの混雑で、このエトワールも正面からじっくり見られる程度。

このエトワールの実物は、いろいろな錯綜する心理が映し出されているようでもあり、はかなさも感じさせる・・・
ドガの美しいものに対する羨望といったようなものもあるのかもしれない。

ドガが見ていることも意識せずに踊る少女たち。

美しい物に対する羨望のまなざしは馬にも向けられているし、裸婦にも向けられている。

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今回はドガの描く裸婦達はすべてこっちを見ようとはしていない。
ほとんどが背中を向けてこちらから見られていることを意識しているかどうかもわからない。

ドガはなぜ、こっちを見ているバレエダンサーや裸婦を描かなかったのだろう?

そこがまたいいのかもしれないけれど・・・


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帰りのみなとみらい駅の踊り場で。この長谷川潔の絵は期間限定らしいのでお早めに。

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2010.12.31

今年の美術展2010

今年は観に行った美術展のうち半分も記事にできてない。
行くだけで手一杯で余裕がなかったのだ∥>_<∥

それだけじゃなくて、「行きたい」と思ったのにどうやっても時間が取れなくていけなかったものも少なくない。
残念。

今年見た中で一番良かったのは記事にまるっきりできなかったけれど、瀬戸内芸術祭。
見た順に
・精錬所
・不在の存在
・ビューティ
・南寺
こうやってならべると体験型ばかりだなぁ・・・

大阪国際美術館の
・絵画の庭
普段図録を買わないCosだけどこればかりは図録を購入。

国立博物館
・長谷川等伯
これを見たあとで京都で南禅寺にいって観てきた。

川村記念美術館
・バーネット・ニューマン
アンナの光以外のものもとても良かった。

国立近代美術館
・ウイリアム・ケントリッジ
他にも回る予定だったけど、これだけで終わってしまった日。


Bunnkamura
・ブリューゲル版画の世界
ブリューゲルの版画はいつ見てもいい。

もうひとつあげるとすれば
庭園美術館の
・天上の音楽


京都近代美術館
・マイ・フェイバリット

だろうなぁ・・・

今年の暮に見た美術展の記事もまだ書き終わってないが・・・・
とりあえず今年のまとめ。

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2010.12.28

現代アートの衝撃波---三瀬夏之介と池田学

衝撃波同士がぶつかると閃光を放つんだろうか??
たしかに子の二人の絵を初めて見たときには衝撃だったし、その感動はある意味で今でも続いている。

このふたりの初画集を記念しての
W初画集刊行記念“特別対談"トークイベント
三瀬夏之介×池田学「現代アートの衝撃波一1973年生まれの新潮流
日時:2011年1月14日(金)18時30分開場/19時開演
会場:紀伊國屋サザンシアター

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同い年のふたりの日本画家、
絵を見ているとどこか似ているようで、その細かさにじっくりと読みこなそうとさせられるのも一緒。
でもそれ以外はまるっきり違っている。

自由奔放に突然のようにいろんなモノが飛び出してくる三瀬夏之介
緻密に緻密に細かく細かくペンで描いている池田学

ところが写真やインタビュー(リンク先)を見るとなんとなく人柄としては逆の感じがしてくるのが面白い。
この違ったようで似ているような
新しい世界をつくりつつある二人のトークショー・・・
どんなふうに展開されるのだろうか???

楽しみ♪

【追記】リンクを忘れていましたので・・・こちらから直接トークイベントのページに行けます。

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2010.12.27

ドミニク・ペロー

ドミニク・ペロー・・・フランスの建築家。
「ドミニク・ペロー  ---都市というランドスケープ---」
オペラシティアートギャラリーで2010年12月26日(終わってしまいました)まで。

オペラシティ・アートギャラリーでは一回おきぐらいに建築関係の展示をしているような気がする。
それはそれで面白いけれど、なんか多いような気もする・・・

会場に入ってまず気がつくのがしきりに使われている「メッシュ」
金属(のように見えるもの)でちょうど畳表のような編み方をしたメッシュになっている。
このメッシュがそれぞれのビデオの仕切りになっているのだ。

正に「すだれ」
Cosが一番感銘を受けたのはこのすだれだったかもしれない。
場を外と内に分けるけれど、互いの交流を可能にしている仕切り、
編んであるので柔らかいけれど、その素材は一番固い金属。
「金属で編む」というのは不思議な構造に感じる。

実のところ建築の良し悪し、建築デザインの良し悪しはCosにはよくわからない。
CGは面白かったけれど、その中身についてはやっぱりよくわからない。

見ていると面白いけれど、Cosにとってはそれだけ。
もう少し建築のことが分かっているともっと面白かったのかもしれない。

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2010.12.26

アショカの森

やっと「アショカの森」へ行ってくることができた。

原美術館で2010年12月26日まで。
ソウル生まれの女性アーティスト、崔在銀(チェ ジェウン)の作品。


入り口をはいると森が押し寄せてくる・・・一回の部屋から溢れ出してきている木材、
それはアショカの森から離れて泣きながら森を探している木かもしれない。
へやにはいることはできないけれど、入り口から覗いてみると部屋いっぱいに木材がこっちに向かって流れでてきそうに敷き詰められている。

そして、次の部屋に入ると古木のビデオインスタレーション 。
つながっている6つのスクリーに映し出された6本の木
これがアショカの森だろうか?

長い年月を生き抜いて来た木はその成長の光景をじっくりと見せながらゆっくりゆっくり回転している(のだと思う)
カラーではなくモノクロなのにその圧倒的な存在感がこちらをとりこにする。
音楽があったかどうか覚えてないけれど、森の中に居るような錯覚を覚える。
じっくりと木の肌を見つめて、そこからメッセージを読み取ろうとする。

さらに真っ暗な部屋の奥へと通じる通路の先に待っていたのは水盤に映るいっぽんの木。
そこにあるのは自然のままの木であるけれど自然のままでなく真っ暗な中に映しだされている木。
水面が揺れると真っ暗な中でそこだけ明るく輝く木も揺れる。
ずいぶん長い時間だったような短い時間だったような・・・

二階には何枚もの「幻想の裏面」の写真。
写真と言っても何が映っているのかはわからない。
写真だと言われるだけ。
ボォっとしたモノクロのような微妙にカラーが入っているかのような写真。
不確かな、それでいて引きつけられるところは幻想と似ているのかも。

そしてもちろん、奈良さんの仕事部屋も観てきた。
たくさんの犬とクリスマスツリーとに囲まれて・・・
部屋の中まではいってあれもこれも見てきたかったんだけどなぁ・・・

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2010.12.25

セーヌの流れに沿って

2011年12月23日で終わってしまったけれど、ぎりぎりで駆け込んできたブリジストン美術館の
「セーヌに沿って---印象派と日本人画家たちの旅--」
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今回の展示は絵の数も多く、展示室もたくさん使われていた。
セーヌ川にまつわるあれやこれや・・・絵から語ろうとすることがそれだけたくさんあったということなんだろうな・・・
川に沿って描く印象派の画家達、それに寄り添ってくる日本人の画家たち・・・という感じだろうか
(この日本人と向こうの人の絵を並べて展示するのは先日の府中美術館の「バルビゾンからの贈り物」でも同じだった。

これからこういう形の展示が多くなっていくのかな?

Cosは学問的なことはわからないから最初のうちはCosの好きな風景画をのんびりと見ていただけだったのだけど、次第に同じテーマをいろんな人が描いているのを見て、その違いがとても面白かった。
同じ場所を同じように描いているのに、見ているものが違うのだ。
もちろん時間的にも違っているわけだからおなじになるはずはないのだけれど・・・

なによりも楽しくなってしまったのはアヴァルの門をいろんな人が描いているのだ・、
たしかに描きたくなる形をしているけれど、こうやって何枚もの絵を見てみるとなんだか楽しい。


ギュスターヴ・クールベ「エトルタの海岸、夕日」
泰男・香月「エトルタ」
クロード・モネ「アヴァルの門」
達四郎・高畠「エトルタ」

・・・・

Cosが此処へ行ったらどんなふうに観るんだろうか??
いつか時間とお金を見つけていってみたいなぁ・・・

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2010.12.24

たまわーるラリー

駆け足で多摩の美術館を走りまわってきたのは「たまわーるラリー」のシール集めに奔走したから∥^o^∥


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たまわーるラリー

「たまわーる<TaMawArt>ラリー」とは?

Tama
「多摩」
Mawaru
「まわる」
Art
フランス語で「アール」と読みます

「多摩」のミュージアムを「まわ」って「アート」に親しむラリーです。
スタンプラリーが多いなか、シールを貼るのが「たまわーる<TaMawArt>ラリー」の特徴です。


参加しているのは
* 町田市立国際版画美術館(町田市)
* パルテノン多摩(多摩市)(歴史の展示、記事はかいてません)
* 多摩美術大学美術館(多摩市)
* 武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市)
* 三鷹市美術ギャラリー(三鷹市)
* 府中市美術館(府中市)
* 中村研一記念 小金井市立はけの森美術館(小金井市)
* 小平市平櫛田中彫刻美術館(小平市)
* 八王子市夢美術館(八王子市)
* 東京富士美術館(八王子市)
* 青梅市立美術館・青梅市立小島善太郎美術館(青梅市)
* 玉堂美術館(青梅市)

この中で行けなかったのは小島善太郎美術館と玉堂美術館。
どっちも青梅市にあって、うちからだとかなり時間がかかるのだ。

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10館制覇だから福袋がもらえるはず。
が、集める大変さから言ったらとても割りが会わない。
多摩の美術館は一つ一つがあまりに遠すぎるのだ。

交通費がかかる上に一つ一つの入館料まできちんと払ってクリアするのはかなり難しいだろう。
最終日に行ったどこの美術館もシールがごっそり残っていた。
例えばぐるっとパスを持っているとか特別な条件がないととても参加する気にならないだろうと思う。

最終日に行った美術館の人も「シールを希望している人が来た」というのでとても美術館の人同士でほっとしたりしてたけど、ほとんど参加者がいなかったんじゃないかという気がする。

「作りました。参加してください」という感じ?

おそらくシールほしさにまわったのはごく僅かじゃないかなぁ・・・
他の美術館に行こうと言うにはちょっと弱い感じがする。
(ちょっと足を延ばすだけで行けるような近さならそれでいいんだけど)

せめて、美術館の割引が付いているとか、あるいはこのカードを見せるとなにかもらえるとか、・・
強い動機付けがないと今のままでは参加者は増えない気がする。
あぁ・・・第2回はないのかもしれない。
残念!!


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2010.12.23

はけの森美術館

「はけってなんだ?」

たまわーるラリー、Cosがまわった最後の美術館がここ。
最終日の午後・・場所がよくわからなくて、しばらく探して、やっと4時近くになってたどり着いた。
はけとは崖になっている国分寺崖線のことなのだそうだが、なぜ「はけ」と呼ぶのかはよくわからなかった。

正しくは「中村研一記念 小金井市立はけの森美術館」なのだそうだ。

森の中にあるこれも小さな美術館。裏にはけの森をしょった静かな場所。
美術館に行くよりも裏手の森の散策をしたかったところなのだが、今日はたまわーるラリー。
ちょうどこのときには企画展「笹岡了一 抽象と具象の狭間で 」をやっていた。
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特別展ということで入場料は500円。
金額的には夢美術館のゲゲゲと同じ金額、町田市立国際版画美術館も300円か500円。
内容が悪いわけではないけれど、それだけの価値があるかどうかは疑問。

もちろん、笹岡了一が好きならば500円が1000円でも構わないわけだけど、フラっと訪れた美術館でこの内容でこの金額?

たぶん、たまわーるラリーであちこち順番に回って、ぐるっとパスでただになったり、金額が安かったり、金額的には安くなくても圧倒的な量と質だったりしたこともあって余計そう感じるのかもしれないけれど、500円の価値はないなぁ・・・

笹岡了一自体はそれなりに面白い絵もあったのだが、点数が少ないし、ただ並べてあるだけの展示。
いいと思うものもなかったわけじゃないけれど・・・
う~~ん、これではなぁ・・・・

2階には中村研一の絵などの展示。

外に出て時間があればはけの森の散歩をしたかったのだけど、そろそろ夕方になり始めていて、ここはうちからは結構遠いので今回は断念。
もし又来ることがあれば散歩を優先しよう。

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