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2010.03.04

絵師の正体をみた?

長谷川等伯という人がが能登の出身だというのは前回能登に行ったときに(一応)知ってはいた.
が、それがいま(2010年3月22日まで)東京の国立博物館でやっている「長谷川等伯展」の長谷川等伯だということをCosはどうも理解していなかったんじゃないかと思う・・・

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国立博物館の企画展は会期末になると「絵を楽しむ」とは程遠い状態になるのと,ふわふわした感じのする可愛らしい「枯木猿猴図」が前期3月7日までの展示だということで早めに行ってきた.

予備知識のないCosが会場内に入った途端に面食らったのが,開場にあるのが仏画ばかりだったこと。
もともとは武家の出身で染物業を営んでいた長谷川家に養子に行ってから本格的に絵を書き始めたらしい.

なんとなくそのへんが陶工のところに修業に出されたルノアールとなんだか似ている気がしないだろうか。
40歳ぐらいまでは絵が売れなかったルノアールと能登の仏画師が京に出て沈黙を破って活躍するのと、その辺のところもなんとなくは似ているかもしれない。

この長谷川等伯についての講演会を聞きに行ったら、去年の暮に行ってきた能登の気多神社の話や30番神の松ってある妙成寺の話が出てきた。
う~ん・・・もうちょっと意識してみてくればもっと面白かったかもしれないのに、知らなかったばっかりにのとでしっかり見てこなかったのが悔やまれる。
のとで見る等伯の話と東京で聞く等伯の話と・・・重ねて見ると面白かっただろうなぁ・・・

ただ、仏画はすきじゃないはいっても、単純な人物画ではない初期の仏涅槃図(これは普通の大きさのもので若い時の作品)はいろいろな動物や鬼が描かれていてなかなか面白かった。

なにしろ鬼はひっくり返って(たぶん)嘆いているのだ・・・このユーモラスな表情は他の等伯の作品には内容な気がする。

どうも等伯の絵は「まじめ」な感じがするけれど、この絵の中にはしっかりと遊びもあったのが嬉しかった。

今回の目玉(というのかどうかはかなり疑問だけど)松林図。
遠くのものを薄く書くことで遠近を表すだけじゃなく、おって使う屏風の手前にくる部分を濃く、向こうに行ってしまう部分を薄く書くことで距離感を強調ししているのだが、それがまた,どこか神秘的な雰囲気を醸し出しているようにも思えてくる。

会場はまだそんなに来んでいなかったので,どの絵も距離をおいて2,3m離れたところからじっくり見ることが可能だったのだけど,この松林図もやっぱり離れてみるととてもいい。
おそらく会期末には混んできたらそんな贅沢な見方はできないだろうな。

そしてそうやって離れてみることで一段とよく見えたのが,「波濤図」。
金碧画と呼ばれる山水画に金箔を張ったもの(と言っていいのかなぁ??)なんだけど,
空の金と,直線的にかっちりと描かれた岩と,曲線だけで描かれた逆巻く波と・・・
これを見た瞬間に能登の海を思い出してしまった。

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波濤図自体は京都にいるときに描かれたのだけど,彼の頭の中にはこんなような能登の景色が浮かんでいたのかもしれないなぁ・・・

後期になったらもう一度この絵を見に行ってこようっと。


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コメント

トラックバック送信させて頂きました。
たとえ意識していらっしゃらなくても、でも、直前に能登を訪れて今回の展覧会をご覧になったとは、うらやましい。
涅槃図には色々いましたよね、動物。ワタクシはカニを発見しました。
後期にもう一度行くのが楽しみです。

投稿: ガーター亭亭主 | 2010.03.04 08:02

金碧画ばっかりの部屋がよかった。。
(だれもいないときにみたから。。。ってのもあるんだが。。)
東博今回企画担当の学芸員の方の話によると、涅槃は東博の天井のほうが低いので入りきらずにああなったんだって。
私も最初は能登の佛絵師と理解していなかったので、しまったー、と思ったのですが、あのあたりのお寺に行っても通常は見せてくれないという話でしたから、その意味でもこの一ヶ月だけの展示は貴重ですよね。
しかし、最後の写真良く撮れてる。アタチは、こんないい写真撮ってきてないなぁ。。

投稿: コトリのぴかちゃん | 2010.03.04 17:54

>ガーター亭亭主さん

トラックバックありがとうございます.

能登に行ったときには「長谷川等伯」の名前は見たけれど,そんなに意識していなかったのが今にしてみると勿体無かったなぁと思っています.

カニですか・・・う~~ん・・・気がつかなかった.
動物や鬼たちの表情にばかり目が行っていたのかもしれません。
もう一度見てきます\∥^O^∥/

こんでないといいなぁ

投稿: Cos | 2010.03.06 07:16

>コトリのぴかちゃんさん

金碧画、物理的にも精神的にも豊かに華やかな世界かもしれないなぁ・・・

Cosが見たときにはそこそこの人だったのですが、みなさん2,3m離れてみていました.
あれをひとりでじっくり見られるのは羨ましいです.

Cosも等伯展見たあとになってからもう少し調べておけばよかったなぁと反省しています.
気多神社のあたりの雰囲気が彼の絵の雰囲気に似ていたような気もするんだけど、それを裏付けるようなまともな写真がないのが残念だったりして・・・∥^o^∥

投稿: Cos | 2010.03.06 07:30

僕は初日に行きましたけど、第二会場などホントに人がいなくてゆっくり観られましたね。松平さんの音声ガイドも借りましてね。等伯京都に上って表舞台に出るまで空白の謎の期間があるのですよねー何をしていたか?まあ画の修業してたんでしょうが、誰と関係持っていたかとか推理するのも楽しい、講演会ではそんな話し出ませんでしたか?この展覧会、会期短い上に2月がそもそも日にち少ないからあっという間ですね、すぐに次の細川家ー

投稿: oki | 2010.03.06 23:25

>okiさん、

今日の日曜美術館のあとはこむんじゃないかということでしたけれど、お寺のバックがないからどうかなぁ・・
と思っています。
明後日からの後期、もう一度見てきます。

京都にいるときの空白期間、狩野派で修行をしてたんじゃないかとも言われているという話でした。
この期間の間に画風が変化したのもその通りだし、このあとが彼の全盛期になるんでしたよね。

投稿: Cos | 2010.03.07 09:23

等伯展、もう一度行く予定です。「枯れ木と猿」、よかったです。『地中海のほとりにて』

投稿: leonardo | 2010.03.12 00:43

Cosももう一度行きます・・・その予定ですが、日数が限られているので厳しいですね。

投稿: Cos | 2010.03.12 07:51

あたしは行ってないんだよねえ、これ。
混むんじゃないかとよぉ。
ご招待チケットはないし、人にぶつかられるでは困るよ。
ところでおたくさんの学校、東大に受かった人いるかい。
週刊誌みたけど
桐蔭学園って人数少なくなったねえ。

投稿: orz | 2010.03.12 20:18

>orzさん、

Cosが行ったときにはそんなに混んでなかったけど、ニュースを見ると混んでますねぇ・・・
混雑をおしてまで見に行く価値があるかとどうかというと人さまざまだけど、Cosはもう一回見に行きたいです。

投稿: Cos | 2010.03.13 15:38

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