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2009.08.07

橋本関雪展・・・島根県立美術館

もともとこの美術館には行くつもりだったのだが、このチラシを見たとたん、「行く!!」
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このボルゾイを見た瞬間に会わずにはいられなくなったのが2009年8月4日。
つまり
橋本関雪展
---中国への憧れ、動物に向けるまなざし---
島根県立美術館2009年8月5日~9月14日

初日の前日。
条件反射のように前売りを買って、翌日に備えた(爆)

といっても初日の美術館に行ったのはもう夕方になってから。
ここの閉館時間、夏は遅いのだ。

会場に入ってまず釘付けになったのが「鉄拐先生(てっかいせんせい)」。
ぼろをまとい、杖をついたおじさん・・・何もかもを捨ててしまったかのような表情がいい。
彼の作品にしては珍しくあっさりと墨で描かれているのだが、Cosをとらえてはなさなかった。
「まとまりすぎるよりは破綻があろうとも生命が率直に流露したものを求める」という彼の志向を表しているのかもしれない。

「中国への憧れ」には人物の絵が多くて、基本的に人間の絵はあまり好きじゃないCosには今ひとつだったけれど、中国の風景を描いたものにはいいものがいくつもあった。
なかでも「凍雲危棧図(とううんきさんず)」などはぱっと見たときに岩山の大きさがまず目に付く。
その大きさになじんだころに画面の下のほうを見ると歩いている人たちに気がつき、岩山の壮大さが改めて見えてくる。
その壮大な山に降る雪・・・その下を進む人・・・自然の前での人間の大きさを象徴しているかのよう。

そして何より、彼の描く動物達。
自宅でも数多くの動物を飼いながら描いたという動物の絵。
いいものがたくさんあって、目移りしてしまう。

意馬心猿
Photo


辞書を引くと
Yahoo!辞書 - いば‐しんえん【意馬心猿】.

仏語。馬が奔走し猿が騒ぎたてるのを止めがたいように、煩悩・妄念などが起こって心が乱れ、抑えがたいこと。

とあるけれど、この絵は馬が心を騒がせている。 馬がどこか人間の意志とは違う意志によって心を乱しているのを木の上の猿が見ている という感じもしてくる。 実際の馬の表情はこれとはまったく違う感じがしている。

あるいは動物である鹿よりもその左側に描かれている松ノ木のほうが生き生きとした動きを持っている「双鹿図」もおもしろいし、

最初のボルゾイを描いた「唐犬図」の犬も大きな犬の持つやさしさがあふれていて暖かい。

でも、一番良かったのは「霜猿(そうえん)」

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はの落ちた木の上に座る一匹の老猿。
意馬心猿がまだ心が騒いでいるのだとしたら、この霜猿はすっかりと悟ってしまっていてどこかシニカルな表情で下界を見ている。
意地悪そうでもあり、一歩はなれたところから現世を見ているようでもあり・・・諦めと悲しみもどこかに見えるような気がしてくる。

しばらくの間この猿とにらめっこをしてきた。
Cosのことを哀れんでいるようでもあり、戒めているようでもあり、励ましているようでもあり・・・・

とあっという間に時間が過ぎてしまった。もう閉館1時間前。
これが東京であれば、時間を見つけてもう一度みたいところだが、ここは島根。

しかもこの美術館のこの日の閉館時間は
19:38なのである。
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天気がよければここから見る夕日はすばらしいのだという。
その夕日を楽しむために、閉館時間が(夏場は)日没後30分なのである。
残念なからCosが来た日は曇っていてその夕日を楽しむことは出来なかったけれど、
雲の向こうに日の落ちていく宍道湖をじっくりと楽しんでくることが出来た。

Img_3232
帰るころにはもう薄暗くなっていて、夜の早い松江の街ではもうたくさんの店が閉まっていた。
(昼も夜も閉まっている店が結構あったのが気がかりだけど・・)


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