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2009.03.24

錦絵はいかに作られたか

「錦絵はいかに作られたか」と聞いて真っ先に浮かぶ疑問は
「錦絵って何?」
以前、江戸博物館で見た「ボストン美術館展」の中で
浮世絵は最初黒一色の墨摺絵(すみずりえ)から始まり、色の付いた紅摺絵(べにずりえ)になり、多色刷りの錦絵になったとあったのだが、逆に「錦絵」といわれたときにそれは浮世絵だけに使うのだろうか?
という疑問がわいてくる。

そんな疑問を持って国立歴史博物館の「錦絵はいかに作られたか」展(2009年5月6日まで)に行ってきた。
なんてえらそうなことを書いているけれど、実際に歴博で真っ先に行ったのは「錦絵の重ね摺り体験」!

Nisikie_002_0001展示はそっちのけで2種類の多色刷りを体験。

「体験」好きなCosとその友達たちが見逃すはずもなく、時間が足りなくなるといやだから先にやることに(と提案したのはCosだが・・・)。

いやぁ難しかったです。
やることはやさしいんだけど・・・・_| ̄|●

写真のものは
「濃い青」→「薄い青」→「赤」→「黒」の順にするのだけれど、気をつけてやったつもりでもずれていたり、思うように色が出なかったり・・・

一緒に行った友達(この写真は友達がやったときのもの)とああでもない、こうでもないと大騒ぎしながら楽しい時間を過ごしてしまった∥^O^∥

2枚とも出来て多色刷りの大変さを身をもって体験したCosたちは16色も使っていたりする浮世絵が江戸時代に完成されていたことに改めて驚きをもって展示を見ることになる。

しかもこの浮世絵というのは特権階級が楽しむというものではなく、江戸の庶民(買うだけの余裕のある庶民)が絵双紙屋で買うことが出来たのだ。
そのお店の様子も錦絵として残っているのだ。

中には相撲の番付を模して「これが江戸 錦絵合わせ」なんていう番付表があったりして昔の人も楽しんでいたんだろうと思われる。

歌舞伎の役者絵、死絵(有名人が死んだときに出す。まるで今の週刊誌みたいに人気役者が死ぬと何種類もの死絵が印刷されて売りに出されるけれど、必ずしも出せば売れるとは限らなかったらしい)、見世物、開帳のお知らせ、風刺絵としての土蜘蛛、妖怪といった錦絵の種類も面白いけれど、なんといっても今回のこの展示のきっかけとなった版木が面白かった。

もともと浮世絵の版木は印刷が終わると削り取ってそこにまた新しい物を彫るからドンドン処分されて今に伝わっているものはほとんどない。

そんな版木がたくさん見つかったことが今回の展示につながったのだけど、この色ごとに彫られた版木が面白かった。

なんとなく版木は一枚で一色という気がするけれど、実際には裏表の両面に彫ってあったり、ひとつの面で2色色の指定がしてあったり、インクをつけない空刷り用の版木があったりする。

「紙に湿り気を与えておいてばれんでこすることで紙に凹凸を出す」のだそうだけど、凹凸が出ているかどうかはまるっきり分からなかった。
Img_1725Img_1729


この版木で行灯などの枠の部分と下帯の空摺りをしているのだという。間違えてインクが付いちゃうと変な色が入ってしまうことになる。

版木は刷り上ったものとは左右対称だから、左のほうにあるのが行灯の部分。

血の部分を印刷する版木には「ちのいろよろしく」なんて書いてあったりして、庶民のものである錦絵にもかかわらずいろいろな工夫がされているのが分かる。

この版木と出来上がった浮世絵と一つ一つ見比べてどうなっているのか考えるのはそれだけでもとても楽しい。

更にはこういった研究を応用してだろうか、版木に残された色や形から出版されなかった錦絵を再現したりしている。
Img_1754上が再現された絵で下がその版木。
実際に版木で印刷したのではないというのが面白い。

いずれは研究が進めば過去に印刷された浮世絵が刷られた当時の色で再現することも可能になるのだろうな。
江戸博物館で見たボストン美術館浮世絵名品展にあったような鮮やかな浮世絵が甦る日も近いのかもしれない。

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 

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