« 丸刈りは人権侵害? | トップページ | 宿題引受会社 »

2009.03.07

芥川沙織展

芥川沙織・・・芥川也寸志の妻。
その妻がろうけつ染めを使って描いた絵。
なんて聞くととても見てみようとは思わない。

暇をもてあました有閑マダムがろうけつ染めを使ってかわいい花かなんかの絵を上手に描いている・・・きれいでかわいいものを描いている・・・のならわざわざ見に行きたいとは思わない。

01gomi01

もし、この絵を見なかったら、しかも行く場所がCosの好きな横須賀美術館でなかったら決して行こうとは思わなかっただろう。

展覧会の案内にあったこの絵、絵というものは印刷してしまうとその途端に魅力や迫力のかなりの部分を失ってしまうのにここに書かれた黄色い人の怒り、あるいは憤りが伝わってくrかのように見えた。
それはきれいでかわいいものを描くという「奥様」からはかけ離れた存在だった。

しかも、場所は観音崎公園のはずれにある横須賀美術館。
ここは美術館の存在自体がひとつのアートだし、海と山と美術館と観音崎公園とを楽しむだけでも行くだけの価値がある。
(唯一の難点はうちから遠いこと、つまりお金と時間がかかることかな)

山田-芥川-間所 沙織・・・42年という短い一生の間に3つの姓を使った沙織。
声楽の勉強をしていた芸大の在学中に芥川也寸志と結婚し、
「一軒のうちに二人の音楽家は困難」と、音楽の道を捨てて美術の世界に入っていた沙織。
子供に手がかからなくなって絵の世界で賞をとっても「也寸志の妻」としてしかみられない沙織。
この時代の彼女の「女」シリーズの絵は憤りと怒り、そして笑いの影の悲しみに満ちているような気がする。
上の絵はこの時代のもの。

そしてそれはCosたちを取り巻く環境の中でも、薄れたかのようには見えても深いところで続いているもの。

古事記をテーマにした一連のシリーズでは怒りと憤りではなく激しさが前面に出ているような気もする。
ダブル幅の長い布に染色したモノなどは知っているストーリーのようでもあり、知らないストーリーの様でもあり、そこから新しい一場面が生まれてきそうな気さえする。

やがて彼女は芥川也寸志と離婚してアメリカに単身わたる。

この時期の彼女は間所と出会ったからだろうか、作品の切られるような激しさは姿を消している。
相変わらずの激しさはあるけれど、ずいぶんと平和な感じがする。

山田沙織として生まれ、芥川沙織として有名になり、間所沙織として死んで行った
芥川沙織展
2009年3月22日まで
神奈川県横須賀美術館


|

« 丸刈りは人権侵害? | トップページ | 宿題引受会社 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3303/44275082

この記事へのトラックバック一覧です: 芥川沙織展:

« 丸刈りは人権侵害? | トップページ | 宿題引受会社 »