ステイン/ナイン
オペラシティーの近くのケンジタキギャラリーにムットーニの新作が展示されていると聞いていってきた。
ムットーニの個展ではなく「NINE」というグループ展。
ギャラリーの壁には何点かの絵がかかっているけれど、どこにもムットーニの人形は見えない。
ギャラリーにかかっている絵はなかなかいいものがあってそれはそれで面白かったのだが、せっかく来たのにムットーニの人形がみられないのはなんだか悔しい。
場内にはちょっと古いタイプの映写機のようなものがおいてあった。
細菌流行の映像作品を部屋の反対側の白い壁に写すのだろうと思ったけれど、Cosがいったときにはスイッチが入っていなかった。
せっかく来たんだから見たかったのにな
とちょっと残念に思ったのだが・・・・・・・
ふと・・・
レンズの側から覗いてみた。
「カチッ」と聞きなれた音がして箱の仲で人魚が動き出す。
鏡に映っているのか、2体あるのかは分からないけれど、2体の人形が動き出す。
どちらの人形が真実なのか・・・・
ムットーニらしい幻想の世界がその箱の中に広がっていた。
箱の中に閉じ込められた幻想・・・・
箱の中はどこかぼんやりとしていてよくは見えない。
今まで見てきたムットーニの世界が同時に何人かで・・・・数人から数十人の単位で・・・楽しむからくり箱だったけれど、これは一人で楽しむからくり箱でタイトルは「STAIN」。
しみ、汚点・・・どんな意味を込めてあるんだろう?
そんなことを考えながら何度も繰り返し見てきた。
久しぶりに彼の世界を楽しんできた。
そういえば、先日見てきた「ピカソとクレーの生きた時代」のなかのマックス・エルンストの一枚の絵・・・「揺らぐ女」・・・・は正にムットーニの世界だった。
エルンストの絵を具体化したのがムットーニなのかもしれない。
そんなことも思いながらの充実した時間が楽しかった。
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