« 名ばかりの携帯禁止 | トップページ | 誰でもいいから欲しいの・・・ »

2008.09.23

切り取った光と影

塩保朋子の作品にはじめてであったのはINAXギャラリー。
このときにはたしか「小さな骨の博物館」を見に行ったときではないかと思うけれど、同じときだったかどうかの記憶は定かではない。

入り口から入ってみると薄暗い室内に斜めに天井から下げられた布のようにも見える大きな大きな紙。
そこにはきりえのように無数にも思えるほど小さな切抜きがあって、残された部分は場所によってはレースのようにすら見える。

きれいに切られた紙は確かにそれはそれできれいだけれど、それだけ。
ちょっと拍子抜けをして紙の裏側に回ってみるとそこにはまったく違う世界が広がっていた。
部屋の床から天井まで一面に切り抜かれた紙の影が部屋いっぱいに広がっている。

表から見たときには白かった部分が、ここではグレーに映り、表からは切り抜かれて黒っぽく見えていたところが裏側では光が輝いて白く見えている。

ちょうど白と黒とが逆転した影の世界がそこには広がっていた。
ほんのわずかな、人には感じないほどのかすかな風が紙をほんの少し動かし、影が木漏れ日のようにゆっくりと動く。

中に入った人の影が切り抜かれて出来た影の中に溶け込んで、また違う作品に見えてくる。
自分自身の影が作品の中に入り込んでいる感じ。

森の中にいるような静かな落ち着きに満ちた不思議な空間・・・

東京谷中のSCAI THE BATH HOUSE塩保朋子の個展があると聞いてCosが飛んでいったのは当然かもしれない。

この不思議な空間にもう一度入り込むことが出来るのだから。

というわけでいってきたBATH HOUSE。
思っていたとおり切り抜かれた大きな紙がお風呂屋さんの高い天井いっぱいまでの高さで下げられている。
数え切れないほどの切り込み・・・形も一様ではないけれど、どれもごく小さな切抜きでそばによって見ないと切り抜かれていることも分からない。
膨大な時間と労力の産物なのだが、生まれ出てきたものは不思議で優雅な異空間・・・・

今回は切り抜いた紙だけではなく、無数の穴を空けた(貫通しているとは限らないのだけど)作品などもあってそれはそれでまた違った世界のオブジェに見える。

塩保朋子展は
東京谷中のSCAI THE BATH HOUSEで2008年9月27日まで。


Img_0082

THE BATH HOUSEの入り口は確かに風呂屋の入り口・・・・中の写真は取ってくることが出来ないのが残念だけど、雰囲気は伝わるかな。

Img_0084

|

« 名ばかりの携帯禁止 | トップページ | 誰でもいいから欲しいの・・・ »

コメント

PCから初めてみて、豊富な内容に喜んでいます。数度目におじゃましていますvv
レイアウトの見やすさにも感動です。やはり、Cosさんは脳の配置が端正よ…。

この屋根の曲線は…、たしかに、谷中建築!そしてガラス扉の作家名表示、なんと自然なことでしょう・・ 近代+現代の出会うお風呂なんですね。すごいところ、みつけましたね。

投稿: Cos fan | 2008.09.23 23:37

ありがとうございます。
そんなにほめていただけるほどの内容ではないのですが・・・

お風呂やさん(廃業していますが)というのは天井が高くていいのかもしれないですね。

中に貼ってからもなかなかいい感じです。場所もそんなに悪くないので、チャンスがあれば一度いってみると面白いです。

谷中のあたりには古いお店や変わった店もありますし・・・

投稿: Cos | 2008.09.24 22:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3303/42569511

この記事へのトラックバック一覧です: 切り取った光と影:

« 名ばかりの携帯禁止 | トップページ | 誰でもいいから欲しいの・・・ »