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2008.05.10

西洋版画の世界

考えてみるとすごく当たり前なんだけど、写真が生まれる前は画像データを大量に扱うために版画があったということが版画に対する見方をちょっとかえたような気がする。

埼玉県立近代美術館の

「いとも美しき西洋版画の世界-紙片の小宇宙を彷徨(さまよ)う」
2008年4月5日(土)~5月18日(日)
Img_8438

名前は明かされていないけれど、一人のコレクターが50年間に集めた版画たち。絵画に比べて手を出しやすい版画だけれど、やっぱりよほどの財力なんだろうなぁ・・

とりあえず、(Cosの中では)多面体で有名なデューラーの作品から・・・・
幾何学的な構図があるのかなぁとおもったけれど、今回出品されているものの中にはそういうものがなかった気がするのがちょっと残念だったけれど、それ以外は予想すらしなかったほど面白かった。

ちょうどちょっと前にウルビーノのヴィーナスを見たときに解説していただいた官能に対する表現が、ここにも表れていることに気がついた。
絵画の場合と違って、(今から考えると慎ましやかだが)露骨な表現も使っていたりして、分かりやすかったかもしれない。

今の版画ではなくて、古い形の西洋版画に対する関心は阿部謹也の本の挿絵から始まったような気がする。緻密に線で表現された世界がそこにはあって、中世の人たちの想いが見えているようにも思われた。

それと同じような世界がここには開かれている。
ブリューゲルの「7つの大罪」の中に現れるいろいろな生き物たち・・・「罪」といいながらもそれがまた楽しそうなのだ。

そして、カロの緻密さ。
写真のない時代の写真の代わりともいえるのがこの人の版画かな。

彼の聖アントニウスの誘惑の中に出てくる鳥のような生き物が展示のマスコットにも使われていた。
(この鳥のくちばしがどこに突っ込まれているのかを思うとこの企画を立てた人はユーモアがあるんだなぁと思わずにはいられない。

比較的近い時代のものになるとCosの好きな作家たちのものも多くなってきて、それはそれで面白かった。

おそらくは絵画よりも密接に人々の暮らしに結びついていた版画だからこそ、不思議な生き物が出てきたり、風刺に使われたりというより身近な表現になるんだろうなぁ・・・・

わざわざ埼玉まで出かけていくだけの価値のある展示だった。
(夏には八王子夢美術館にも来るらしいが・・・きっといくだろうなぁ・・・)

デューラーの幾何学は見ることが出来なかったけれど、帰りに
Img_8436

「放物線は相似である」の手ごろな教材を見つけてきた∥^O^∥

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