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2008.04.09

雨の薬師寺展

雨が降っているのですいているに違いないと期待して行ってきた東京国立博物館の「薬師寺展

Img_8218(写真をとっても人が写らない程度に空いていたということになるかな)

Cosとしてはがらがらを期待していったからそれに比べると混んでいた印象があるけれど、人の頭越しに展示を見る必要がなかったので、東博で空いていると状態はこんなものかもしれない。

(面白かったのは会場内のお客さんは年配のサラリーマン風の人たちが多かった。普段とはかなり違うかも)

どう見ても会場のつくりは「混雑」を前提に作られていたし・・・

日光・月光菩薩像のほかに聖観音菩薩立像が展示されていて、Cosはこっちの表情のほうが好きだった。日光・月光菩薩立像の表情はどこか遠いところにいるような現世とは距離があるような感じだったかもしれない。

聖観音菩薩立像から斜路を登って折り返すと一階分近く高くなった踊り場のようなところから、日光・月光菩薩立像を見ることが出来る。

レオナルド・ダビンチなどのときのように高さを変えてたくさんの人が見ることが出来るようにしているわけだが、対象の仏像が大きいので距離はあるけれど、見上げなくてすむ高さというところだろうか。
正面のかなり暑さのある壁のような手すりにはいくつか穴が開いていて、小さい人、車椅子の人はそこから見ることが出来るのだろうと思う。
顔の高さよりはちょっと低かったけれど、今回は混んでいなくてもこの高さがよかった。
何しろ下から見上げていると首も疲れるし・・・

下に降りて足元の正面から見上げるとどちらもさすがにいい。
美術的な価値というのはCosにはよくわからないし、歴史的価値はもっとよくわからないのだけれど、(首と足が疲れるのを別にすれば)いくらでも見続けていられる感じ。
おそらく一体につき15分ぐらいずつ見ていたかもしれない。さらに首が疲れたのでちょっと戻って高いところからもう一度じっくり。

薬師寺にあるときと違って、横や背後からも見ることが出来るというのが今回の売りのひとつ。
確かに仏像をお寺で見るときにはそういう角度からは見ることが出来ないから貴重な体験。
普段人が見るわけではない後姿もなかなかよかった。

東博の企画展では人が多くてなかなかこうやってじっくり見るのは難しいから雨の中をがんばっていった甲斐があったというところかな。

さらに絵自体は決して大きくないのでたくさんの巨大なパネルで解説してあった吉祥天像。
パネルの大きさからいってもっと大きな絵をなんとなく期待していたのだが、現物は結構小さくて会場が混んでいればチラッと見ることが出来る程度だったに違いない。
さすがにこれは正面からじっくりというのははた迷惑だから横から・・・それでもじっくりと眺めてくることが出来たのはうれしかった。
じっくり見ながらいろいろなことを考えていると奈良時代の人のものの見方が垣間見えたり、吉祥天の表情が妙にリアリティを感じさせたりして面白かった。

ただ、Cosはたぶん子どものころに何度か薬師寺に行ったことがあって、この日光・月光菩薩立像も見ている。
細かいところは覚えていないけれど、この顔は知っている顔。

確かに薬師寺にあるときと違って横や後ろからも見ることが出来るけれど、なんとなく子どものころに見たときのほうが親しみのある顔をしていたような気がする。

それを確認したり、この前見た東山魁夷の唐招提寺の雰囲気といったものをもう一回見てみたいような気がしてきた。

美術品は「おかれたところで見る」・・・書院の美で体験した圧倒的な差がもう一度体験できるのかどうか・・・

いずれ機会があったらまた奈良に行ってみたいなぁ・・・じっくりと。


アートということからは離れるけれど、感銘を受けたのが「第2章 草創期の薬師寺 薬師寺の歴史」。

ちょっと前に歴博でみた長岡京の前の時代になるわけだからかもしれないけれど、かわらの解説にあった

他の建物とはかわらの文様の組み合わせが異なっている。藤原宮の古い様式の軒瓦との関連が認められ藤原宮と同じころに造営が行われたと考えられる。

という一文にあっさりと書かれているけれど、「考えられる」ためにはいろいろなデータを分析したんだろう、歴史を考察するというのはこうした状況証拠を一つ一つ詰めていく作業の繰り返し・・・

確かに推理を重ねていく面白さがそこにはある

なんてことを考えてしまった。

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