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2007.11.17

誰と見る? ムンク

ムンクは重い。

一枚一枚の絵に自分を映し出してみてしまうから絵を通じて自分の内側を見てしまうことになる。

ムンク展国立西洋美術館で2008年1月6日まで

会場の最初に展示してあるのが「吸血鬼」
うつぶせにひざの上に抱かれた男性のうなじに長い髪の女性がくちづけをしている。キスなのか、血を飲んでいるのかはわからない。
といってもこの吸血鬼というタイトルはムンク自身がつけたものではなくムンクは吸血鬼を描いたつもりではなかったらしい。

それにしても、この絵の男性は女性に身をゆだねているし、ムンクの時代に女性に身をゆだねるということがどういうことなのか・・・一般的ではなかったはずの時代・・・ムンクの絵には支配という言葉は適切ではない気がするけれど、男性が女性に身をゆだねる、あるいは女性のほうが強い立場にある絵が少なくなかった。

ムンクはそういう人だったんだろうなぁ・・・

そして、今回の目玉の「不安」と「絶望」
「絶望」そんなにひきつけられるものがなかったけれど、「不安」はとてもよかった。単純な不安じゃなくてのしかかってくる不条理な不安が目に見えるよう。
単に自分の不安を映し出しているだけかもしれないが・・・

が、今回の展示は「装飾」への挑戦ということで、いろいろな建物の壁画、オスロ大学の講堂やチョコレート工場の社員食堂などの壁画、個人の住宅のために作られて壁画などにかかわる絵が展示されていた。

さすがにこうした壁画には個人の感情を映し出すような重さはないけれど、それでもやはり一枚一枚が考えさせられる。
明るい絵であっても底抜けの明るさや軽さは感じられない。

自分の心を省みることを要求される絵を見続けていると心のどこかが張り詰めてくる。
普段絵を見るときには一人がいいと思うけれど、ムンクはこの屈折した思いを分かち合うことが出来る人と静かに見るのがいいかもしれない。

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