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2007.07.13

決定的瞬間

ようやっと時間ができて行きたかった所にやっと行くことができた。

「決定的瞬間を捉えた」写真家である
アンリ・カルティエ=ブレッソン
知られざる全貌

東京国立近代美術館
2007年6月19日(火)~8月12日(日)

次の瞬間には水溜りの中に着地する男性の写真を見た瞬間に、「これは見に行こう」と思ってからずいぶんと時間がたってしまった。

この写真のように決定的瞬間を捉えたもの、ちょっと見ると日常のありふれた(徒は限らないのだが)情景に見えるのによく見るとそこには訴えかけてくるものがある写真たち。

歴史の流れと人々の生き様を切り取って集めたのだが、何よりも残念だったのはCosにその歴史の一こまがなかなか読み取れなかったことだ。

「ベルリンの壁」と題された写真の前で「えっと・・・ベルリンの壁っていつなくなったんだっけ?」と考えているのでは壁の前で遊ぶ子どもたちを見ても感じるところは少ないし、道路のメータボックス(みたいなもの)の上にのって壁の向こうを見ている人たちを見ても、「えっと・・・このころには壁があって・・・」なんて考えているようではどうにもならない。

他の写真についても、そういう時代背景が分かってないとおもしろさは半減してしまうものも少なくなかったに違いない。

(音声ガイドを借りればよかったのかな?でも説明を聞かなければ分からないおもしろさというのは違うような気がする)

それでも何枚か衝撃を受けた写真もあった。

アフリカの(たぶん)海岸に漁船のいかりだろうか、綱のついた鉄の棒を曲げただけで作ったたような錨(だと思う)の周りで遊んでいる子どもたち。
彼らの体は細い錨と同じように細い。
こういう漁だけでは十分に食べることができないんだろうなぁ・・・

虐げられている子ども、周囲がいろいろな意味で厳しい状況にある中で無心に遊んでいたり歩いていたりあるいはそこにいるだけの子どもの姿は状況の厳しさをいっそう際立たせている。

そして世界各地を回った彼の写真を見ていると、世界中の人々の中でアメリカの人たちだけが楽しそうにしているように感じた。

他の国々の人たちの表情は険しかったり憂いに満ちていたりするのにアメリカの人たちの表情はおおらかでどこか楽しそうなのだ。

フランス人の彼にはそんな風に見えたということなんだろうな。

「あるものをあるがままに」撮っているはずの写真でそういう違いが見えてくるのはおもしろい。

そしてその違いの最たるものが「ヴィンテージプリント」。
写真が撮られて最初にプリントされた写真が集められていた。

写真の中には新しいプリントの同じ写真が展示してあるものもあったのだが、確かに同じ写真なのだが、でも伝わってくるものが違っていることが多かった。

写真のプリントの仕方ひとつで受け取られ方が変わる(もしかしたら古いからというだけかもしれないけれど・・・)というのはすごく不思議。
やはりとった人の思い入れがプリントになって出てくるのだろうか。


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