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2006.03.22

長谷川潔展--作品の秘密--

長谷川潔展」は横浜美術館で3月26日まで


この美術展を知ったときに見た一枚の版画・・・見覚えがあるようなないような・・・黒を基調としてしっとりとした中に写実的でもありどこかシュールさが漂う。

「これは見たい」・・と思ったのはかなり前。
仕事がらみの関係で2月はほとんど時間がなく、結局会期の終わり近くになってからということになってしまった。
もっと早く、もっと時間のあるときに行きたかったんだけどなぁ・・・

20世紀初頭には忘れ去られていたというマニエール・ノワール技法(メゾチントというのが一般的な名前らしい)で描かれた版画。

「ベルソーという道具で銅板上に無数の微細なささくれを作り、それを浅くまた深く削り取ると、印刷時のインクの含み具合によって微妙なグラデーションを帯びた深い黒色の画面が生まれる」

という風に作ったものだそうだ。

漆黒の中にグレーで浮かび上がる風景や静物は写実的なのにどこかシュールな感じがする。

建物にある直線はあくまでまっすぐで、柔らかな線で描かれている周りの景色からは完全に切り離されて景色の中の建物ではなく、建物と景色が向き合っているかのような印象を受ける。

離れたところ、今いる世界とはひとつずれたところにある別の世界の静かな闇の影の中からそれでもしっかりと自己主張をするのだ。

ナルニア国物語のC.S.ルイスが大人向けに書いた沈黙の惑星を離れて―マラカンドラ 火星編などの作品に流れる静かな暗さと共通した暗さ、「鬱」を感じさせる暗さではなくて、夜の闇のような・・・・星があるはずだけど、その光が届いていないような暗さが流れている。

その暗さの中に身をゆだねてしまいたい・・・・と思いながら一枚一枚の版画を見てきた。

幾何学的な絵を描いているわけではないけれど、どこか幾何学的な彼の絵はチャンスがあればまた見てみたい。

(この横浜美術館は「リピーター割引」というのがあって、前回の展示のチケットを持っていくと団体割引料金になるのだそうだ。4月からは「イサム・ノグチ展」をやるそうだから、ぜひ行ってこよう)


4562034467沈黙の惑星を離れて―マラカンドラ 火星編
C.S. ルイス Clive Staples Lewis 中村 妙子
原書房 2001-11

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4562034475ヴィーナスへの旅―ペレランドラ 金星編
C.S. ルイス Clive Staples Lewis 中村 妙子
原書房 2001-12

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4562034483いまわしき砦の戦い―サルカンドラ 地球編
C.S. ルイス Clive Staples Lewis 中村 妙子
原書房 2002-01

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