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2006.02.26

フジ子・ヘミングの手

フジ子・ヘミングのことは以前から知ってはいたし、ピアニストなのに美術展をやったりする人なんだという印象はあったけれど、どんな人なのかはよく知らなかった。彼女の得意なのはショパンやリストということだったし、ショパンもリストもどちらも華麗だけれどその華麗さがなんとなく身構えて聞くことを要求しているようで余り好きではないから、「聞いてみたい」と思ったこともなかったのだ。

何の気なしにのぞいてみたGyao(これはOperaでは動作しないから、そうしょっちゅうのぞく訳ではないけれど、時間があるときとか、やりたくないことばかりあるときなどは時々のぞいている)に「羽ばたけフジ子・ヘミング」というドキュメンタリーがあった。

名前を知っている人だし、どんな人なのかなとクリックしてみたのだ。
若くはない人だとは知っていたけれど、こんなに年をとっている人だとは思わなかったから、まずそのことにびっくり。
テレビから伝わってくる音だから音質自体はそんなによくないけれど、年を感じさせないパワフルな演奏。そしてないよりもその手が画面いっぱいに映ったときに「このとしになってこれだけの曲をこんなにすばらしく弾きこなす」手だということに衝撃を受けた。

若くしてその才能を認められていたけれど、両耳の聴力を失って(聴力がまったく今もないかどうかは番組からはわからなかった)35年間のヨーロッパでの沈黙の後、日本に帰ってきてその才能を認められたのだという。

その手は年をとってしまっている手で、とてもこんなふうに弾けるはずがないような手だった。

晩年、手のリウマチで思うように手が使えなかった親戚のピアニストと同じ手をしていたのだ。

その手にはあたかも今まで生きてきた年輪が刻まれているかのようにも見えるのに、そこから生み出される音は年輪の深みを感じさせこそすれ、つかれきった年輪の重みはどこにもなかった。

これだけの年をとって、不遇の人生を送ってきて、今花開いている。

うらやましいといえばもちろんうらやましいのだけれど、それ以上に「お前なんかまだまだ洟垂れ小僧さ、まだまだこれからさ」といわれているかのような気がして、なんとなく元気が出てきてうれしかった。

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コメント

フジ子・ヘミングは確か、どちらかの耳の聴力が少しだけある(回復?)はずです。
以前、ピアノの発表会でショパンを弾くことになった時、フジ子・ヘミングのCDを聴いて勉強しました。同じ曲でも他のピアニストと全然曲の印象が違かったことを覚えています。
生演奏を聴いてみたいです!!

投稿: akiko | 2006.02.27 00:14

akikoさんはピアノがうまそうだなぁ・・・うらやましい・・・

他のピアニストとどんなところが違ったんだろう?
春休みになったらCDを買ってみようかな。

投稿: Cos | 2006.02.27 07:36

私は趣味でピアノを弾いているだけというか・・・ピアノが好きなだけなので、いつもピアノ弾くと指が絡まります(笑)

フジ子・ヘミングは・・・えっと・・・おもしろいと思います!!
弾き方で言うと、ここはゆっくりだろうというところのテンポが速かったり・・・
常識にとらわれない弾き方?って感じです。

技術的な面は本当にすごいと思います。
ラ・カンパネラを弾いているのが有名ですが、本当に美しいな・・・と思います。

だらだら書いてしまいましたが、感じ方は人それぞれではないかと思います☆

投稿: akiko | 2006.02.27 21:00

絡まるほどよく動くのか・・すごい。

常識にはとらわれない弾き方かぁ・・・
重ねた年月の年輪がそうさせているのかなぁ・・・

たぶん、技術だけなら彼女よりも優れている人もいるのかもしれないけれど、そういう円熟の味って言うのはほかのひとでは出せないものかも。

投稿: Cos | 2006.02.28 22:46

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