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2004.12.06

納骨 (樹木葬 11)

 (樹木葬関係の記事はこちらからどうぞ)

木が決まるといよいよ納骨。

Cosのうちから天徳寺までは下手をすると車で3時間以上かかる。
10時半にお寺に着くには7時にはでなければならないのがちょっとつらいところ。

樹木葬は木の根元にお骨を納め、自然に帰すことを目的としているので、人工物は一切入れることができない。
つまり、骨壷も一緒には埋葬しないのだ。
骨のまま土に帰すほうが自然の摂理にはあっているのかもしれないけれど、
それはそれでまた、余りにむき出しという感じもしなくはない。
というわけで、お寺で用意してくださっているさらしの袋にお骨を収めて埋葬することにした。

そこで、お寺に着くとまず本堂で、お骨をさらしでできた袋の中に移すことになる。

骨壷を開けるとまずのど仏を探す。
父の場合にはのど仏が割れてしまっていて、焼き場でも見つからなかった。
焼き場でも、お寺でも一生懸命にのど仏を捜してくださるのを見るとのど仏って大切なものだったんだなぁと初めて気がついた。

仏教徒じゃないから知らなかっただけで、普通は常識なのかな?

こののど仏はお寺に納めることになっているそうだ。
仏教徒ではないのに、祭ってくださるのはなんだかとてもうれしい気がする。
このさらしの袋いっぱいになったお骨の粉も丁寧に集めて、袋の中に一緒にしてくれる。

(母はこのときに父の遺骨を少し取り分けて、今も家に祭っている。
いなくなるのがさびしいのだそうだ。)

お骨を袋に収めるといよいよ樹木葬地に向かう。
といっても距離にして数十メートルしか離れてないのだが、手押し車の一輪車に鍬や肥料などが載っているのを押していくのだ。
お骨を持っているのと違って、この手押し車を押すのは厳かなところなどなく、なんだか庭の手入れみたいな雰囲気が漂う。
しかも、この日は足元の状態が余りよくなかったので、みんな長靴に履き替えての納骨・・・・

現地に着くと、まず場所選び。
前にきたときに選んでおく方法もあるけれど、Cosたちの場合には木の種類が変わってしまい、瀬の高くなる気ということで、墓所の一番奥のほうに植えることになった。

とうぜんそこはまだ、木を植える準備などはできてないから、みんなで彫ることになる。
最初は住職さんが彫り始めたのだが、すぐに他の家族の中で、多少は力のありそうなのが彫り始める。

どう見たってこの光景は厳粛ではないのかもしれない。
が、父のための土を掘るというのはなんだか和やかな気分になる。
亡くなった父のためにできることがあった、という感じだろうか。

木を植える場所からちょっとずらして、お骨を収める場所を掘る。
木の真下では袋の中に空気が入っていることもあり、木のためにはよくないのだそうだ。


写真の白いものが父のお骨。
この手前側に木を植えることになるのだが、その前にこのお骨にみんなで少しずつ土をかける。
そのあと、土と肥料を混ぜて、木を植える準備をする。

木を植える準備が整ったところ。右のほうに見える白い袋が肥料の袋。
ここに木が植えられて、このときから父は木になるのだ。



父が木になったところ。

みんなで父のために土を掘り、木を植える。
それは、厳粛さにはかけるのかもしれないけれど、父が亡くなった悲しみよりも、木になったことで、すがすがしさのようなものも感じた。

ここで父はこれからの長い時間を過ごしていく。その長い時間から見たらほんのちょっとの時間で母もここに来るだろう。

他の方を普通のお墓に埋葬したときにはこんなふうにお墓が『父の場所』といったような感じ方はしなかったのに、木になることで、父の一部が底で生きているようにも感じられるからだろうか?

最後に花を供えた。

樹木葬は食べ物やお線香などを直接備えることはできない。ただし、切花については自然に還るということでかまわないのだそうだ。
「坊主は嫌いだ」という父の考えとはちょっと違うけれど、お経を上げていただいて、移動式の線香台で線香をあげる。

それまで一緒に土を掘り、木を植えた作務衣お坊さんが威儀細 (いぎぼそ)というのだろうか(ネットで検索してみた・・・)、エプロンのような袈裟をかけると、その場でお経を上げてくださった。

今まで、お葬式でお経を上げてくださるお坊さんといえば、普通の人からずっと離れたところに構えているという感じだったけれど、このときには一緒に父を埋葬した親しみと信頼を感じることができた。

多分、儀式ばったことが好きな人には物足りないのだろう。
静かに座って、お経を聞いている厳かさや、教会での重々しさとはまったく違った、温かみのあるそしてすがすがしい納骨だった。

この日から、ヤマボウシが父になった。


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  フランスではまだ9割近い人が土葬されています。宗教か関係しているのかと思いま [続きを読む]

受信: 2004.12.08 03:24

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