2018.07.18

モネ それからの100年

2018年7月14日(土)~9月24日(月)までみなとみらいの横浜美術館で行われてる「モネ それからの100年」展の夜間特別鑑賞会に行ってきました。

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クロード・モネClaude Monet, (1840年11月14日 - 1926年12月5日)が好きな人は多いし、Cosももちろんその一人。と言ってもモネなら何でもいいと言うわけじゃない。今回だって、後から考えてみれば、すごい作品ばかりが来ていたわけじゃないのに、「わたしがみつける新しいモネ」というサブタイトルに引っ張り込まれた感じがする。

モネの作品と現代の作家の作品を並べて展示することにより、その中の共通したものを見て欲しい、新しいモネを見つけて欲しいということなんだろうな。


     今回の写真は全て夜間特別鑑賞会のため特別に撮影許可をいただいたものです。

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どちらもモネの睡蓮。上手く撮れていないけれど、左の「睡蓮」(1906年)は目玉の一つで、この、「モネ それからの100年」と言えば、この作品が使われている。
右側の作品が「睡蓮、水草の反映」1914-17年。水草も睡蓮も途中で切れていてその向こうまで続いていることを感じさせる。これは4章「フレームを超えて」と題されたコーナーのモネの絵。
確かに、左の睡蓮は水面の広がりを感じさせるし、右の睡蓮はすべてがもっと広く広がっている感じがして、どちらもフレームの中に収まっていない感じはする。

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右はサムフランシスの「Simplicity(SEP80-68)。左はアンディ・ウォーホールの「花」・・・
確かにどちらもフレームにおさまりきってないけど・・・そうくるか?

まあ、サム・フランシスは好きなので、いいんだけど・・・モネの絵の中に同じものを感じるかと聞かれれば、「なんか違う」と言う気がする。

(いい写真がなくて、ぼけてしまっているけれど)

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色を重ねて光を表現している「セーヌ河の日没(冬)」と

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モーリス・ルイスの「ワイン」(左)と「金色と緑色」(右)はとてもよく分かる気がする。どちらも、色を重ねることによってはじめて出てくる美と言う感じがする。ただし、Cosはモネとモーリス・ルイスを並べてみることになるなんて、夢にも思わなかったけれど。絵のサイズからして違いすぎるし・・
同じコーナーにはマイク・ロスコーの作品もあったし、Cosの好きな現代作家が目白押しだったのはとてもうれしかった。

そして、モネと並べずに単体で見たらきっと印象はまったく違っただろうなと思える作品も多かった。「Ⅲモネへのオマージュ」の中で特に印象的だったのは

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左の堂本尚郎の「連鎖反応-クロードモネにささげる」と右に少しだけ見えている福田美蘭の「モネの睡蓮」。この2枚はモネを通じて初めてその共通性が見えてくるような気がする。また、ここにはないけれど、ロイ・リキテンスタインの「日本の橋のある睡蓮」も同じ。

モネはその絵を見たことのない人はいないだろうと思えるほどの画家だけれど、それが今の美術にどんな風につながってくるのか、とても面白かった。視点を変えてもう一度見ていたい美術展の一つ。

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 会場の入り口で真っ先にであうモネ「睡蓮」1914-1917.これと上にある「睡蓮、水草の反映」からの100年。実はモネがこれほどまでに現代美術に近かったことを感じさせた一枚。
9月までやっているので、もう一度確かめに行きたい。






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2018.07.15

千秋美術館と秋田県立美術館

 今回の東北旅行の最後は秋田市内。

暑いのである。出かける前に聞いた話では東北は天気が悪く寒い・・というか涼しいはずだったのだ。
 それなのに、Cosが行ったら、多少の雨はあっても毎日お日様は元気に地上を照らし、暑さの苦手なCosはおろおろ歩いたのだ。

 この日も朝一番でどこも開いていない時間に千秋公園を散歩・・・暑くて登りで・・・まったくCos向きではなかった。

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 なんとなく面白そうだなと思ったのだが・・・

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これは八幡秋田神社千秋公園内にある。一度火事で焼けて平成20年に再建したものだそうだ。

 

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 この水音につられてついふらふらと上まで上がって、

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 秋田の町を見下ろしてきた。暑かった・・・

というわけで、この日はオープンとほぼ同時にまず千秋美術館へ。「秋田蘭画ことはじめ

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 秋田蘭画という言葉は聞き覚えのある言葉だけれど、実はよく知らなかった。秋田半で始められた洋風画なのだそうだ。悲しいことに、会期末だったので、フライヤーがなかった。

もちろん撮影禁止だから手元にある資料は出品リストだけなので、得の紹介をできないのが残念だけど、なかなか面白かった。実際に秋田蘭画がどんなのものなのかはリンク先にあるものを見てもらうしかないけれど、このページの一番右の獅子は小田野直武の獅子図。なかなか面白い表情をしている。

 佐竹曙山の「燕子花にナイフ図」(リンク先中央)も何でナイフ?という疑問はあるもののとてもいい絵だった。
 こういう絵はは前にも見たことがあり、たぶん東京でも何かしら見るチャンスはあるだろうから、そのときを楽しみにしよう。

東北最後の美術館は秋田県立美術館。
企画展は「夜と美術」(2018.07.08まで)。暑い日差しの中ではこのタイトルが人をひきつける。思わず吸い寄せられるようにふらふらと・・・

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ここは平野政吉美術財団の藤田嗣治作品が展示されており、その中でも「秋田の年中行事」という大きな壁画を中心のワンフロアとその上の吹き抜けのまわりのギャラリーとに分かれる。
 藤田嗣治の年中行事は見ごたえもあるしなかなかいい作品だった。さらに、吹き抜けの上側から見ることができるので、また違った表情を見せてくれる。

 ただ、ギャラリー自体は余りなく、また、テーマに沿った作品をがんばって集めた感がある。

さらに作品のうちの1/3ぐらいは一人の人の写真で占められていて・・・写真としては悪くはないけれど・・・

 このフライヤー にある舘岡栗山の「かまくらは」涼しそうでよかった。

こうして東北の駆け足のたびが終わったけれど、できればもっと自然を楽しむ時間が欲しかった。・・・もっと気候のいいときに。

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秋田はチームラボ

 東京だって2箇所ぐらいでチームラボをやっているのである。それにもかかわらず、今回の東北行きを決めたのは秋田でチームラボをやると聞いたからである。

 しかも諸般の事情でこの日しかいけないというぎりぎりの日程。青森のあと盛岡に泊まって、新幹線で一路大曲へ。
 大曲って花火しか知らない気がする・・・

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 ここからさらに電車に乗って横手へ。横手も焼きそばぐらいしか知らない・・・あぁ・・・地理は苦手なんだ・・・横手駅からさらにバスに乗って、「ふるさと村」へ。

この中に今回の目的地秋田近代美術館がある。

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これは美術館側からふるさと村を撮ったので、美術館自体は写っていない。
秋田県立美術館は独自の収蔵品も持っているようだが、今回はほとんどがチームラボ。

踊る!アート展と学ぶ!未来の遊園地 と題して、5階と6階のフロアをほぼ全部使っての展示。

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最初に見たのが、百年海図巻 アニメーションのジオラマ リンク先にアニメーションがあるけれど、波の一つ一つを見ていても飽きない。
 壁面に映し出された海は床にも反射され、その床の波の中に人がいる。床に座り込んでじっと見ているCos。リンク先の映像はわざとピントを甘くしているような気がするけれど、実際にはもっとくっきりした波。

 いい音楽を聞きながらならずっとそこにいてもいいような気がする。

花と人、コントロールできないけれども、共に生きる  これは見ているだけなのか、それともこちらの存在に何か反応をしているのかよく分からなかった。だけど、そこで映像と人が一体になるのかも。

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世界はこんなにもやさしく、うつくしい これは前に茨城の「県北」展で見たのと同じもの。

上から漢字が落ちてきて、その漢字に触るとそれが実際に現れる。この写真ではたぶん「虹」に触れたのだろう。触れることによって言葉がどんな風に表れるのか、必ずしも同じとは限らない(様な気がする)、ある程度の規則性はあるけれど、場所によって表れ方に違いがある。
 漢字を見たとき、私たちはそれを意味でとらえるけれど、ここではそれが絵になって表れる感じ。

リンク先では触れなくても映像化するけれど、実際にやってみたところは触らないと変わらない気がする。

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もちろん、子どもたちが我先に漢字に触って楽しんでいるし、見ているこちらもそれがまた楽しい。
 こうした展示は人が多すぎるとつまらないけれど、写真の程度の人数なら、一人ひとりが楽しむこともできるし、見ていても楽しい。
 リンク先を見ればある程度は分かるけれど、これは実際の展示室で楽しまなければ、その魅力は半減してしまう。

 そして、ドアを閉められた暗い室内の決まった場所で鑑賞する追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして超越する空間

これはさすがに写真をとらなかった。真っ暗な中で撮影しても実際に見たものとは程遠い内容になっているし、なんといっても自分のまわり全てに映像が動き回る。
 実際にCosの前の回に入った男の子は怖くなって逃げ出してきてしまっていた。自分自身が映像と音に包まれて、そこにいるのかいないのか、暗い中での光だからよく分からないけれど、3Dだったのではないかと思う。
 リンク先では女性がいつも見えているけれど、実際に体験してみると他の人の存在はほとんど感じない。
 「あぁ、カラスだ、」なんて思うことはあってもその光の波の中で映像を追いかけてしまっている。わくわくどきどきの5分間だった。

 たぶん、ここまでが「踊る!アート」の部分で、ここからが「学ぶ!未来の遊園地」になるんだろうと思う。

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花と共に生きる動物達 いろいろな模様をつけた動物たちが歩いてくる。そこに触れると花になったり、他のものになったり、表面だけでなく、形も変わっていく。
 これを見て思い出したのが、十和田現代美術館で見たフラワーホース。正にあれを動かした感じ。子どもたちが動物について歩き、さわり、笑い・・・楽しそうだった。

 その後は子どもたち(に限らないけれど)実際にやって楽しむコーナー。

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自分の書いた魚や亀などが泳ぎ回るお絵かき水族館

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滑り台を滑りながらボールに触ると花になる滑って育てるフルーツ畑。(小さい子限定らしく)子どもたちはすべることに熱中していて、なかなか触れようとしないのが面白かった。

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小人が住まうテーブルや(写真はないけれど)小人が住まう壁は手を置いたり、者を置いたりするとそこで目玉焼きができたりいろいろな変化を起こす。

 この辺になってくるとアートというよりもお遊びという感じかな。

Cos自身はこうした遊びが悪いとは思わないけれど、なんだか違和感を覚える。マジックボックスに慣れてしまうと、何が起きてもそれを受け入れてしまいかねない気もする。

アートとして楽しんでいる間はいいけれど、子守をさせるようになったらまずいんじゃないんだろうかと。

いやぁ、それにしてもとてもよかった。人も多すぎず少なすぎずでじっくりと堪能することができた。
 実際のところはどうか分からないけれど、東京だったら人が多すぎて「見ました」「終わりました」になってしまうんじゃないかなとも思う。そう思うとなかなかいく勇気が出ないのだが、行って来たいな。

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青森県立美術館、棟方志功記念館。

 次の日は青森。そのちょっと前までは雨ばかりで涼しそうだったのに、Cosが行った日はお日様が出てとても暑い日だったので、野外は避けたい気分。しかも途中でどっと降ったり病んでお日様が出たりで、湿度も高くクーラーのあるところへ非難。

 というわけで青森の定番、青森県立美術館へ。
三内丸山遺跡の隣にある青森県立美術館は、住宅街のちょっと先なのにそれを感じさせない広々とした空間の中にあって、それまでの暑さやバスの混雑を忘れてのびのびとした気分。
 ただここは写真撮影ができないのは相変わらず。現代の作品が多いから余計そうなんだろうけれど、ちょっと残念。

 今回の企画展は「東奥日報創刊130周年・青森放送創立65周年記念 絵画の絆「フランスと日本」展。

 ひろしま美術館の作品を持ってきたものだという。まぁ、ひろしま美術館には行ったことがないのでいいかな。
 ここで紹介したページの中にもあるモネの「セーヌ河の朝」が自然の中にあるこの美術館にとてもあっているような気がした。
 フライヤーの中にある岡鹿之助や下村観山と横山大観の合作の「松鶴」などは青森まで行ってとてもお得をした気分だった。
 でも、広島にも行ってみたいな。

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 そして、青森美術館といえば当然この青森犬。マリーゴールドのえさをもらって、熟慮している最中の青森犬。ここだけは写真がとれる。

 前回は外まで行って挨拶をしてきたけれど、今回は建物の中からご挨拶を。

そして、シャガールのアレコを展示してあるアレコホールでは2021年3月まで第1幕、第2幕、第3幕、第4幕のシャガール「アレコ」全4作品完全展示してある。(リンク先を見ると内容を見ることができます)

 ここは常設展または企画展のチケットを持っていれば見ることができる。Cosは必ずしもシャガールは好きじゃないけれど、この空間はとても好き。絵を見るための空間じゃなくて、人が集う場所としてとても素敵なところ。


新青森の駅から青森県立美術館まではコミュニティバスで行ったのだけど、すごく混んでいてセミラッシュ並み。

 帰りも同じようなことを考えた人は結構いて、やっぱりバスはかなり混んでいた。(優雅さにかけるなぁ・・・)

 この日はここから直通のバスで棟方志功記念館へ。

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こんなひなびた案内があって、「夏の展示「沢瀉の風-故郷の土に生まれ、還る」 をやっているとのことだった。
 この棟方志功記念館は

「あまり数多くの作品を展示して、観覧する人々が疲れたり、作品の印象が薄くなったりするよりは、やや少なめの作品数でも一点一点をじっくり見て欲しい」という棟方の希望により、広さが決められました。

というだけあって、本当にじっくりと絵(版画)に向き合うことのできる空間でした。

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 とても暑い日だったけれど、記念館の池を眺めながらバスの時間を待ちました。

 青森に来たのは2回目だけれど、せっかくこれだけ北に来ているのに海を見に行っていないのがとても心残り。

 いつかチャンスを見て青森の自然も楽しんで来たい。



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2018.07.07

十和田市現代美術館

6月の終わりに、東北の美術館めぐり(というほどたくさんじゃないけど)をしてきました。

まず最初は「スゥ・ドーホー:パサージュ」展の十和田市現代美術館。前回来た時と同じフラワーホースが出迎えてくれる。

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 今回のこの旅行では後で同じようなものを見ることになるのだが、もちろんこのときには気がついていない。

今回入って驚いたこと。館内の写真撮影がほぼ全てOKになっていたこと。

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 エントランスのこの床はジム・ランビーの「ゾ・ボップ」。床を眺めながら向こうの街路を眺めていると、どこか現実から離れていって、違う世界にいるような気がしてくる。
何枚かとったのだけど、どうしても光が反射してしまって上手く撮れなかった。

 今回の企画展は最初にも書いたとおり「スゥ・ドーホー:パサージュ」展。これも撮影可能。自分でとった写真はつたないものだけど、見ていると実際に見たときの感動と印象がそのままよみがえってくる。

 最初に見たのは「ファブリック・スカルプチュア・インスタレーション」

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 一番最初に見たときにはプラスチックのようにも見えたんだけど、実際には夏用のチマ・チョゴリのごく薄いポリエステルの生地で作られている。
同じような素材の作品としては東京都現代美術館(MOT)で展示された大きな作品「リフレクション」(リンク先の記事の中に写真があります)がある。これもMOTの常設に入ったところの吹き抜けに作品があり、生地のはかなさと門の堅固さとを同時に見せている不思議な作品だったけれど、今回はぱっと見るとごく普通のプラスチックでできたかのような作品なのに、じっと見ているとその幻想的な世界に引き込まれていく感じ。

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 黄色とみどりと赤の三つの作品が並べておいてあって、その中を通り抜けることができる。中を通り抜けるとき、プラスチックではない布の感触がとても不思議。
 もちろん触る事はできないけれど、ごく薄い布の持つやわらかい感じが、中に入っているフレームの作る硬そうな最初の感じを飲み込んで、なんだか幻想的な世界に入っていける。

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 こんな風に細かな部分まできちんと作りこんであって、そこだけを見るととても布には見えない。

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 中から見た幻想的な外の景色。

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 東京から離れた十和田という土地に来たということもあるけれど、違う世界に入り込んでいたひと時でした。

 映像の「マイホーム/ズ、パサージュ/ズ」はビデオ作品。上下の2つの部屋を連続して壁一枚はさんで撮っていたり、隣同士の部屋を取っていたり、一つ一つの部屋ごとに違っていて、それが社会を作っている・・みたいな感じだろうか。見入ってはしまうけれど、「どうやって作るのかなぁ」・・・になってしまった。

 企画展には3つの部屋があって上の二つがそれぞれ一つの部屋。最後の部屋が「標本シリーズ」

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 最初の部屋にありそうな部品だったり、

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これは布と繊維で描かれている絵画。ほどけていくような不思議な感じ。

 最後に常設展のコーズ・アンド・エフェクト

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 たくさんの人たちが積みあがっているというか、ぶら下がっているというか・・・

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 抱えているのではなくぶら下がっている・・・一番下が誰なのかは誰でもわかる気がする。


 この十和田現代美術館で一番会いたかった人はもちろん

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 このスタンディング・ウーマン 。怖い顔をしているんだけど、十和田まで行く理由の一つが彼女。

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 目が合うと本当に怖いんだけど・・・・

 この日は十和田泊まり。夜はレストランでバラ焼き定食。もっと肉肉しいものかと思っていたけれど、たまねぎがしっかり入っていておいしかった。

そして、翌朝の無料朝食にもバラ焼き。ただし、こちらはほとんどたまねぎ炒め。ほとんど肉がなかったのは無料だから当然かな。


 




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2018.04.16

人生はどんどん面白くなる

60歳を過ぎると人生はどんどん面白くなります」若宮正子

これは80を過ぎてから82歳でiPhoneのアプリを開発した方の本。

「あぁ、そうだなぁ・・・面白いのはこれからだ・・・」という気になってくる。まあ、放送大学に入って勉強(の真似事かも)をしてみたりしているのも、面白いこと以外の何者でもない。

読んでいたら、@niftyのパソコン通信時代の「メロウ倶楽部」という話が出てきた。Cosがパソコン通信をやっていたときにはそのフォーラムの事は知らなかったけれど、Cosもやはりパソコン通信を始めて世界が広がった一人。いろんなことで自分は動けなくても、PCを通じて外とつながっていられるというのは目の前がぱぁっと開けたような感じがしていた。

同じことじゃなくても似たようなことを考える人は他にもいて、いわゆる「常識」にとらわれなくても良いよと教えてくれた場所でもあった。
 考えてみるとそこは教育関係のフォーラムだったから常識人のほうが多かったはずなんだけど、Cosの目には変わった人たちのたまり場のように写ったのだった。


 あのときから新しい世界が広がったように、今またCosの前には新しい世界が待っているんだろうな。押し寄せてくるのはどんな世界なのか、楽しみなのか怖いのか、でも面白いことだけは間違いなさそうだ。
 そういえば、それまではずっと歌が嫌いだったのに、去年の四月から放送大学でコーラスを始めて、面白がっている自分がいて、いずれヨーロッパの教会で歌うことを楽しみにしているのが不思議かも。

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2018.02.16

ルドンの黒からルドン-秘密の花園へ

 三菱一号館美術館で「ルドン―秘密の花園」展(2018年2月8日~2018年5月20日)の内覧会に参加してきました。

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                グラン・ブーケ(三菱一号館美術館)(写真は全て特別に許可をいただいて撮影したものです)

 始めてルドンの黒を見て衝撃を受けたのは2007年。Bunnkamuraでの「ルドンの黒
奇怪な、でも恐怖よりも哲学のようなものを感じさせる異形の数々

このときには黒に圧倒されたけれど、その最後に色にあふれた花の絵があった。黒の対極にある色彩が心に残った。
 その心に残った色彩が2012年の三菱一号館美術「ルドンとその周辺-夢見る世紀末」。

そして今、ドムシー男爵の城館の食堂装飾画とグラン・ブーケをはじめとする秘密の花園が現れた。

 もちろん黒のルドンもたくさんあったし、その不思議な奇怪さは人の心をつかんで離さない。

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              「夢の中で」のシリーズ(三菱一号館美術館)

 



 ただ、「黒の」といわれている時代にもそれ以外の作品もたくさんあり、たとえば

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             オルセー美術館のキャリバンとキャリバンの眠りが並んでいる。

そして今回、展示室に入って一番ドキッとしたのはこの°ドムシー男爵の城館の食堂壁画

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 パネルになっているグラン・ブーケ以外はいかにも食堂にふさわしい題材と配色になっている。正直最初は「これもルドン?」と思った。華やかな花でもないし、黒のルドンでもない作品なのだが、一枚一枚を見ていくとそこにはやはりルドンがあった。

 

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 一枚一枚を見ると一つ一つの植物が、やはりルドンであって、どの花もどの枝も現実とはちょっと図土がって良そうな感じ。

 高橋館長の「前半生の黒い作品群から次第に抜け出しつつあった1890年代のルドン。そのルドンが、新たに絵画と装飾という命題に挑みながら、光と色彩を追求して言った最初の大作」という言葉がとてもしっくりとくる。

 ここではパネルで展示してあったけれど、この配色の中での青を基調とした「グラン・ブーケ」画どれだけ華やかに見えるのか・・・

 そしてもうひとつ、食堂壁画であるこれらの作品は床から2mぐらいの高さに飾られ底他のだという。その高さにあわせて、下のほうが細かく、上のほうが大きく描かれている。

 「グラン・ブーケ」を下のほうから取ってみたらこんな感じ。

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高いところにあった感じが伝わるかな。

 そして秘密の花園。

 この展示室も花園の一部だけれど、2階には花瓶に生けた花の絵が年代順に展示してあった。

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 ひろしま美術館の「青い花瓶の花」とニューヨーク近代美術館の「首の長い花瓶に生けられた野の花」の2つの花が並べて展示してあった。このひろしま美術館には一度行ってみたいなぁ・・・

 黒と奇怪さで好きになったルドンだけれど、彼の描く花は花であって花でない感じ。もっと違う作品をまた見に行きたい。





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2017.12.08

デンマークデザイン 展

新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(http://www.sjnk-museum.org/)で「日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマークデザイン展」(2017年11月23日~12月27日)の内覧会に行ってきました。

デンマークと聞くとやはり真っ先に思い浮かぶのはアンデルセン。そして、市民の生活満足度は高く、国連世界幸福度報告では第1位の国。そのデンマークのデザインというとやはり派手なところはないけれど、センスのいいものが多そうな気がする国。

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 会場に入ってすぐのところにあるフォトスポット。いかにもデンマークらしい居心地のよさそうなクリスマスが送れそうな場所。ここは写真撮影可だけれど、今回の写真は美術館より特別に写真撮影の許可をいただいて撮影しました。
 会場に入ってすぐの「第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン」のところで真っ先に目に付くのが、食器。

 デンマークの食器はロイヤルコペンハーゲン・・・値段も高いのでCosは持っていないけれど・・・

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 一番手前のお皿が1785年製のブルーフルーテッド。このブルーフルーテッドシリーズは見覚えがあると思ったら200年以上たった今でもほとんど同じような絵柄で売られていたのにはびっくり。

 まったく同じなのか微妙に違うのかはよく分からなかったけれど、ひとつずつ何年にもわたって買い続けていくことができるのはいいなぁ。といっても気楽には買えない・・・華美ではないけれど、ずっと使い続ける一枚。

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 同じように今もデンマークデザイン博物館で使い続けられている椅子(奥)。1927年から作られ続けているレッドチェア。すわり心地がいいかどうかは分からないけれど、どっしりとした落ち着いた雰囲気。

 この後デンマークの椅子はとても座りやすそうなものがたくさん出てくる。

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ゆったりと時間を過ごせそうなリビング、時代とともに変化はしているのに古いものはそれはそれでまた心地よさそうな・・・

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 デザインを楽しむというよりはその向こう側の人々のゆったりとした暮らしがみえてくるような、デンマークに行ってしばらく暮らしたいような・・・


 

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 中でもうらやましかったのはこの机。学校で使うスクールデスクなんだけど、物入れになっているはずのところは両側がない。たくさんのものを入れたら落ちてしまう。

 子どものころのCosだったら次から次へと入れたものを落としてしまいそうなくらい。一日中をすごすならここからぼろぼろとこぼれそう。

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 デンマークの子どもたちはどうやって使ってるんだろう???時間ごとに教室移動があったりするんだろうか。たとえぼろぼろとこぼれてしまっていても、こんな机だったらいいなぁ・・・先生に見つかってあわてて机の中に隠そうとして落としたり・・・

 こんな机は見たことがなかったので、他でも使われているんだろうかとかなり検索したけれども、見つからなかったのが残念(そんなことをやっているから書くのが遅くなってしまったんだけど)。


この机をデザインしたアーネ・ヤコプソンの椅子はどこかで見たことがありそうな、とても座りやすそうな・・・


 そしてもうひとつ、全ての光が直接目に入らないように考えられたライト。

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 きっと暖炉があって、暖かな夜をすごす明かりなんだろうなぁ・・・ポウル・ヘニングスンのランプシェード。

 ますますデンマークで暮らしてみたくなる。

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これはCosが子どものころ遊んだのとまったくおなじレゴ。特に大になっている灰色の板の部品はまったく同じ。これを見てデンマークがレゴの国だということを思い出した。左の手前の赤い屋根の部品はCosのうちにもあったけれど、ちょっと数が少なかったのでかなり親にせがんだのまで思い出してしまった。

 今はもっと精巧な部品がたくさんあって、ギアやマインドストームまであって、本当にいろいろなことができるようになったけれど、子どものころは数少ない部品でいろんなものをつくったのだ。

 実はこのレゴの前でかなり長い間たたずんでいた気がする(爆)


 

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 そして最後のコーナーは「お座りください」。ここで実際にいろいろないすに座ってすわり心地を確かめることができる。

 目を閉じて、今日見てきたものを思うとそこはデンマーク・・・・だといいなぁ・・



 






 


 

 

 

 

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2017.11.16

典雅と奇想・・・先の見えない時代

泉屋博古館分館で「典雅と奇想 明末清初の中国名画展」(2017年11月3日~12月10日)の内覧会に参加してきました。なお、写真は美術館より特別の許可をいただいています。

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                    静嘉堂のフライヤーの猫がこの魚を狙っているとか・・・とも


明末清初といわれる時代・・・・明王朝がが16世紀半ばから衰退し始めると同時に江南諸都市を中心として経済は大きく発展し、都市文化が爛熟していく時代なのだという・・・先の見えない時代という点では今と似ているのかもしれない。

 今回の泉屋博古館での展示にはいいものが多いのだそうだ。

 最初に目に付くのが2枚の徐渭(じょい)の「花卉雑画巻」1575年のものと、1591年のもの。この2枚が並んで展示されるのは初めてと解説をしてくださった板倉先生。

 徐渭は奥さんを殺害した罪で6年間(短いなぁ)の獄中生活を送ったという。そういう気性の激しい人が書いたとは思えないようなあっさりとした感じの絵。

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 手前にあるのが東京国立博物館所蔵のもので、釈放されてすぐの55歳ぐらいのときのもの。奥にあるのがよくは見えないけれど泉屋博古館所蔵の晩年のもの。前期展示ではCosなどにどう違うのかよく分からないけれど、前半、中半(問う居国立博物館所蔵のもののみ)、後半で展示替えをやるので、後期には療法に魚の絵が出てくるはずだから、そうすると見分けやすいかもとは、今回も解説してくださった板倉先生の言葉。

 今回の展示は展示替えがおおいどころか、中には毎日のように展示するページを変えたり、そこまで行かなくても毎週変えるものが何枚もあるのだという。そんな話を聞いて、「パスポートとか、定期券とかはないんですか?」と聞く人もいた。中国画がすごく隙だったらそうしたいかもしれないな。

 こんな風に絵は典雅(?)だけど、人物が典雅じゃない絵から始まった明末清初の中国画だけど、「奇想」になるのはこの次のⅡ明末奇想派のところ。

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 この左側の絵は米万鍾(べいばんしょう)の柱石図(根津美術館)。絖本という光沢のある生地に描かれているのだが他のと比べてその違いは見えるだろうか。

 この向こう側の絵もとても面白い。もしかしたら中国にはこんな景色があるのかもしれないとも思うけれど、この時代の人たちが想像を働かせて書いたのだとすればそれは中国風のファンタジー。

その奇想の流れは清初に入っても残っていて、正統派の王原祁(おうげんき)の「倣原四大家山水図」(ほうげんしたいかさんすいず)(京都国立博物館)などは左側の1枚目は普通の絵だけれど右に移るにつれダイナミックになってきて、最後の一枚などは「どうなっているんだろう」状態。

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 よく見てみると墨だけではなく色も入っていることに気がつく。山水画なので、華やかなという感じにはならないけれど、どこかほっとする雰囲気。


 中国画はかっちりとした雰囲気ばかりのような気がするけれど、中にはこんなほっこりする絵も。

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 今回の展示でもこの絵は人気があっていつも誰かしらがこの絵のところにいた。これは八大山人の「安晩帖」の第九図「猫児図」。この案晩帖は展示替えが多く、毎日のように違うページが展示される。この猫は11月18日と19日に展示されるはず。Cosとしては12月1日から3日まで展示される小魚図を見たいのだが・・・







 



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2017.11.09

川合玉堂展 -四季・人々・自然ー

 先日、山種美術館の「【特別展】没後60年記念 川合玉堂 -四季・人々・自然ー」 展の内覧会に行ってきました。この記事の写真は全て許可を受けて撮影したものです。

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             この写真は会場の入り口。川合玉堂作 「春風春水」(山種美術館所蔵)をパネルにしたもの。

まさにサブタイトルにある「四季・人々・自然」を描いている一枚。このパネルと実際に絵を比較するのも面白かった。こうやって写真で見るとそんなに変わらない気がするけれど、実際にはやわらかさや暖かさが違っていたような気がする。
 たぶん、表装の有無や種類によっても感じ方が違うんだろうな。

 川合玉堂は自然を描いた作品を得意としていたという。自然が大好きなCosにとっては大好きな一人。奥多摩の御岳にある「玉堂美術館」は何度かドライブしていったことがある。比較的小さな美術館なので、「堪能した」というには展示してある絵が少ないのだが、今回は山種美術館でじっくりと楽しむことができてとてもよかった。


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                     川合玉堂作「猿」 山種美術館

 玉堂は猿を好んで描いたという。写生した作品などもあるけれど、この猿の表情には猿に対するやさしさに満ちているような気がする。下の猿はがけを登り、上の猿はそれを見ているが、この表情からは見守っているかのようにも見える。向こうの山までは遠く、広々とした空間が広がっていることを感じさせる。昭和30-31年ごろの作ということだから、奥多摩だろうか、下は谷川なのかなぁなどと見えていない部分にも景色が広がってくる。

 

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                   川合玉堂 紅白梅 玉堂美術館

 

 尾形光琳の「紅白梅図屏風」(MOA美術館)をはじめとする琳派を強く意識した作品なのだそうだが、幹のたらしこみなど画風を真似ているのかもしれないけれど、この生き生きとした植物らしさ(というのかな?)は自然を愛する玉堂ならではの感じもしている。この写真では分からないけれど、シジュウカラの姿も愛らしい。この作品は山種美術館のオリジナル和菓子の「東風(こち)」にもなっている。「紅白梅」をモチーフにしたこしあんのあっさりした甘さのお菓子。

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              特別展に合せたオリジナル特製和菓子。左の奥が「東風」


左手前が千寿(せんじゅ)といってつがいの鶴のモチーフ。夫婦円満を象徴する絵だそうだけれど、中が黄緑色の柚子あんでとてもおいしかった。中央が黒砂糖風味の大島あんの里の秋。どれも絵を見終わった後、のんびりゆっくりと優雅にいただきたいお菓子たち。優雅にする時間がどこかで取れればどんなにいいか・・・

 結局のところ、時間をゆったり使うことのできないCosはせめて絵だけでもゆったりと見たいといつも思うのだけど、結局時間に追われてしまって貧しい時間の使い方に終始してしまうのだが・・・

 

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                  川合玉堂 早乙女 山種美術館

 気を取り直して、Cosが「田植え」とか「早乙女」とかといわれた瞬間に脳裏に浮かぶのはこの絵。

 年中行事の民俗学の授業の中で、旧暦の4月8日に山の神が下に下りてきて里で他の髪になる。そのときに早乙女が田植えをして・・・という話しだったときにもこの絵が脳裏に浮かんだ。

 戦争のさなかに描かれたこの絵は玉堂の戦争に対する考え方をはっきりと示している。彼は戦争中でも戦争を賛美する絵は描かず、文部省戦時特別美術展にも直接的な絵は出品しなかった。

 

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                   川合玉堂 荒海 山種美術館 

 この荒海は玉堂71歳のときの作品で文部省戦時特別美術展に出品したもの。戦争という激動の時代に何を思って描いたのだろう。

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                  川合玉堂 水声雨声 山種美術館

 静かな静かな水の音だけが聞こえてくるこの作品は同じように自然を描いたコローと共通したものがあるような気がする。玉堂はコローのような光を描いているわけではないので、それが何なのかはよく分からない。描かれている二人の農婦も口を開かずに仕事に向かっているのだろうか。

 たぶん、玉堂の自然とこの静けさが好きなんだろうな。

 

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                  川合玉堂 松上双鶴 山種美術館

 玉堂が山種美術館の創立者山﨑種二の長女の結婚祝いに贈った作品。上のほうに写真のある和菓子の千寿となった作品。松の上に2羽の鶴がいるという縁起のいい伝統的な吉祥の画題なのだそうだ。

 明治学院大学の山下祐二先生の見所の紹介の中で、川合玉堂が橋本雅邦の元で作風や画法を学んだ「白雲紅樹」(東京藝術大学大学美術館)と川合玉堂の「渓山秋趣」(山種美術館)を比較した。

 雅邦の絵は中国の絵の影響が大きいけれど、玉堂の絵になるとそこここに日本らしさが漂ってくる。

 川端龍子、川合玉堂、横山大観の3人が山崎種二が希望して行われた「松竹梅展」の話を聞くと、この前の特別展が川端龍子で、次が川合玉堂、そして次回の特別展が横山大観(2018年1月3日(水)~2月25日(日) 山種美術館)というのも納得できる気がする。残念ながら川端龍子の時にはいけなかったけれど、横山大観の時には親交と違いについてみてくるのも面白いかもしれない。




 




 

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